大学新入生向け 新興宗教に勧誘された話

新興宗教、私には関係ないって思っていませんか?

そんなことはありません。特に、そこのピチピチの大学生!

友達をたくさん作ろうと思って容易にラインを交換したりしていませんか?

あなたのしていることは、とても危険なことなのです。

被害者が増えないために、「新興宗教の巧妙な手口」を赤裸々に語っていきましょう。

1,ことのはじまり

私は、ピチピチの大学生。受験勉強から解放されて、充実したキャンパスライフを送ろうと、ラインの交換を片っ端からしていきました。

そんなある日、TOEICの参考書を探すために大学生協で本をあさっていると、30代前半くらいの男性と、大学3年生くらいの男性2人組が、私に話しかけてきました。

30代の男「君、大学1年生? 僕○○大学のOBなんだけど、今度一緒にサッカーやらない?」

私「自分は、サッカー苦手なので無理です。」

30代の男「じゃあ、何かスポーツ経験ある?」

私「高校の頃、陸上部で長距離走ってました。」

30代の男「そうなの!実は自分も走るのが好きで、とっておきのランニングコースを紹介してあげるからライン交換しようよ!」

私「わかりました、今度一緒に走りましょ」

こうして、私はランニングコースを紹介という言葉に惹かれて、安易にラインを交換してしまったのでした。

ここまでの巧妙な新興宗教の勧誘の手口をまとめます。

①必ず、一人でいるところに声をかけてくる。

②怪しまれないよう、二人組で声をかけてくる。

③大学のOBであることを語ってくる

④共通の話題を探してくる

⑤団体名は明かさない

⑥打ち解けたところですかさずライン交換

ここまでが新興宗教の勧誘手口の導入部分です。

まさか自分が新興宗教のターゲットにされているとは知らず、安易に連絡先を交換してしまったのでした。

2,スポーツを通して交流を深める

ある日、男からラインが届きました。

今度、河川敷でサッカーするから君も一緒にやらない?

サッカーはやりたくないと断ったはず。私は又、丁重にお断りしました。

しかし、男は食い下がりません。

苦手でもきちんと教えてあげるから大丈夫!

苦手なことを克服するのって楽しいぞ!

靴も貸してあげるからさ!

そこまで誘われたら私も断れません。新たな出会いがあるかもしれないですし。

そこで、私は勇気を振り絞って参加することにしました。

当日、社会人から大学生まで、あらゆる年代の人たちが集まってきました。

「地域のスポーツ団体かな?怪しさも全く感じないし、大丈夫か」

そう独り合点して、私はサッカーに参加します。

周りの人たちはみんないい人ばっかり。

初めて参加する私をすぐに受け入れてくださいました。

そして、このサッカーには毎回必ずテーマがつけられるそうです。

今回のテーマは、「教え合い」。

サッカーが得意な人は、苦手な人に教えてあげることで、皆で楽しみ合おうということです。

そして本番、ボールが苦手な私は、コートの端っこで、誰よりも熱心に走り込みました。

ボールが飛んできても他の人にパス。

これが私の処世術。

途中休憩に入ると、相手チームに勝つためにはどうしたらよいかというミーティングが始まりました。

俳優の大泉洋さんに顔立ちが似た、コミュ力高めの男が次々に指摘を発します。

「ここはこうした方がいいんじゃないの?」

「これこれはこういうことだよね?」

「もっと声だしたほうがいいんじゃないの?」

とても優秀な人で、指摘も的確。他の人とは違う雰囲気を身にまとった人でした。

かれこれあって、サッカーは終了。

結果的に負けましたが、とてもいい経験だったと私は思ったのでした。

そして、試合終了後、私は30代の男に呼び出されました。

「実はあの大泉洋似の男は、東京工業大学の出身で、元SEの人なんだよ。今はボランティアでコーチングをしているから、人生相談をしてみたら?」

えっ!東京工業大学?あの超難関大の?

大学受験を終えたばっかりで学歴に敏感だった私は、東京工業大学と聞いてすぐに人を信用してしまいました。

今思えばあほです。

「私は○○を目指しているのですけれど。」

「ふ~ん。○○。でも、~だよね。○○のほうがいいんじゃない?」

自分の進路に口出しをされ、私はあまりいい気分ではありませんでした。

でも、東京工業大学だし、この人の言うことも一理あるなと心のどこかで思ってしまうのでした。

そして、解散。自宅へ。この時点で私は、何かおかしいという引っかかりを感じていたのでした。

ここまでの新興宗教のポイントをまとめます。

①とてもしつこい勧誘

②団体名はなぜか明かさない

③集まっている人はみんないい人

④異様な歓迎。普通見知らぬ人が来たらここまで歓迎しない。

⑤なぜか、テーマがある。

⑥なぜか知らないが超高学歴の人がいる。

⑦なぜか、人生相談。

3,勧誘はさらなる段階へ。そして、気づく。

自宅へ帰った後、私はさらなる勧誘を受けたのでした。

「今度ゴールデンウィークに合宿があるんだけど、君も来ない?」

「今回のテーマは、自分探し。グループのメンバーが出し物をしたり、皆との交流を深めていくことによって、自分だけが持つ宝物を見つけよう」

という企画でした。

参加費は数万円。

お金のない私は、丁重にお断りしたところ、さらにしつこく勧誘してくるのです。

「じゃあ、おすすめの日雇いバイトを教えてあげるから、今度一緒に行かない?」

ここまでするのかと、さすがに怪訝に思った私は、ふと、これは新興宗教の手口なのではないかと考えてネットで検索してみました。

すると、出るわ出るわ。いままで私がされていたことは新興宗教の勧誘手口と全く同じ手口だったのです。

そこから、ラインはブロックし、通知は来ないようにしました。

そして後日、大学内を歩いているとまた、あの二人組が歩いてきました。

「急にどうしたの?返事もしなくなって。今度一緒に走ろうよ!」

怖くなった私は、いろいろな理由をつけて、もう参加できなくなったということを伝えたのでした。

それ以来、彼らは私の目の前に姿を現さなくなりました。おそらく、別のターゲットを見つけたのでしょう。

4,振り返り

今振り返ると、ネットがなければ私は簡単にだまされていたんだろうなと思います。

人間の心理を突いた勧誘テクニックはとても巧妙です。

必ず一人でいるところに声をかけてきますし、おそらく冴えない、おとなしそうな学生に的を絞って声をかけているのでしょう。

また、スポーツをするのも、おそらく吊り橋効果を狙ってのことだと思います。

吊り橋効果とは、吊り橋の上で男女のカップルが歩いている際に、恐怖で心臓が鼓動しているのですが、脳は恋愛感情による心臓の鼓動と勘違いして、二人の仲が急速に深まるという効果です。

これはスポーツにも応用できます。運動による心臓の鼓動と仲が急速に良くなる際の鼓動を脳は区別できないために、初対面同士でもスポーツを通して仲良くなることができるのです。

また、超高学歴の人をおいていたのも信用してもらうためでしょう。おそらくあの人が教祖なのではないでしょうか。カリスマ的存在がどうしても必要になってきますからね。

進路相談するというのも実に巧妙です。人は悩みを抱えているとつい、その解決策を提示してくれる人を信用してしまいますからね。

ゴールデンウィーク中の合宿も洗脳するためでしょう。

この合宿に参加することによって、徐々に抜け出しにくい状態を作り、外部との関係性をシャットアウトするための試みだと思います。

そして、洗脳を完了した段階で、本当の団体名を明かし、宗教会員の一員にするという魂胆だと思います。

5、新興宗教に引っかからないためには

新興宗教に引っかからないためにはどうすれば良いのでしょうか。私が考える最も手っ取り早い方法は、まず、外見を変えるということです。

彼らは友達の少なそうな冴えないやつを標的にして狙ってきます。

ですから、眼鏡ではなくコンタクトレンズに変えて、体を鍛えましょう。

そして、服にはきちんとお金を使いましょう。

髪型も、近くの床屋ではなく美容院に行って、ワックスで髪型をきめてもらいましょう。

次に、連絡先は安易に交換しないようにしましょう。

ラインはとても便利ですが、信頼できる相手かどうかをきちんと確認して交換するようにしましょう。

特に、外部から来た人間はとても危険だと思います。特に、大学のOBを語ってきた場合には安易に信用しないようにしましょう。

そして、世の中そんなに都合のいい人はいないということを頭にしっかりと刻み込んでください。

自分にとって都合のいい関係には、必ず裏があるのです。

見知らぬ人に、何の見返りもなく進路相談してくれる人なんていません。

自分を無償に受け入れてくれる都合のいい人なんていません。

たった3ヶ月で、ネットで10万稼ぐ方法なんてありません。

誰でも、簡単に、月商100万円なんて稼げません。

思わず食いついてしまうような情報には何かしらの裏があるのですよ。

そして最後に、何事も疑ってみることを心がけてください。

何かおかしいという気づきは必ず生じます。この気づきはかならず、あなたにとって有益な気づきであるはずです。

そのまま放置するのではなく、この気づきをきっかけにして物事を疑い、多面的な側面から観察するようにしましょう。そして、たくさんググりましょう。

思い込みにとらわれることが最も危険なのです。

以上で、私の新興宗教に勧誘された話を終わります。このnoteをきっかけにして、救われる人がでてきてくれることを私は願っています。