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街での楽しみについて
コロナの影響で街から人がいなくなった期間。
僕は自粛期間にも仕事があり、外に出ないといけない日が結構あった。その時に目にした昼間の新宿は新宿の景色ではなかったし、昼間の渋谷も渋谷の景色ではなかった。ただ人がいないだけなのに見たことのない景色が広がっていると感じた。あの街は人がわんさかいるというのがセットになっている街だったんだと思った。
店が閉まっている人もいない街を通った時に気づいたことがある。
自分が普段、街を楽しいと思えるのは、お金を使うことによる楽しみがほぼ占めていたということ。
服を買う。
ご飯を食べる。
映画を観る。
何をやるにも基本はお金がかかるし、お金をかけない遊びは考えてもなかなか出てこなかった。特に自分一人だとなおさら楽しみは見つけられなかった。
お金を使うことが楽しいのは、お金を使うことで今の欲求が満たせるから。未来の自分が変わるからだろう。(服を買ったり、趣味の道具を買ったりして)。自分の楽しみの大半はお金を使うことで得られることだと、誰もいない新宿の街で考えながら、ふと思った。
お金を使わないで楽しめること。
それは人は会話することなんだろう。
公園のベンチで、恋人とかわす言葉。友達とたわいもないバカ話。居酒屋にみんな行くのは、人と話すのが楽しいからなんだろう。マスターもいない無人のバーは多分流行らない。
お金を使わずに一人でも楽しめる街の過ごし方を見つけてみたいと思った。