お酒を提供する時に大事なこと
6年間渋谷の地でバーテンダーを勤めさせて頂き、
毎日お客様の好みに合うお酒を試行錯誤しながら作っていました。
提供する時に1番気おつけていたのは、お客様の状態です。
お酒は強いのか弱いのか、
体調が良いのか悪いのか、
一軒目なのかはしご酒なのか、
アルコールを扱う側なので、
レシピ通りに提供すると満足度が下がると考えていました。
お酒は飲めないけどBARに行きたい、
体調悪いけど少しだけ寝酒で飲みたい
ベロベロの酩酊状態で来店。
様々なお客様が来店するなかで身に付いた事。
例えばハイボール。
メジャーカップを使い30mlお酒を入れ炭酸水を入れます。
お客様もその様子、作るバーテンダーを見ています。
しかし、明らかに酔っ払っていて、視線もまばらで危ないお客様にはメジャーカップを反転させます。
反転させてカップは15mlです。
そこにお酒を入れて炭酸水を入れて提供します。
その際のコツは順序を逆にする事です。
お酒を入れて炭酸水ではなく、炭酸水を入れてお酒少なめ。
こうすると一口目は1番濃い部分が口に含まれるので容量薄めでも
満足してもらえます。
基本的な分量の作り方も大事ですが、臨機応変な対応も大事です。
そしてカクテル作りではグラスも大事です。
カクテルグラス、コリンズグラス、タンブラーグラス、ロックグラス、フルートグラス、ショットグラス。
数々のグラスを取り揃え用途に応じ使い分ける。
本当に覚えるのが大変と思われますが、実はそうでもありません。
使うグラスはせいぜい、2、3種類。
実際に注文を受けるメニューは、
お茶ハイ、ハイボール。
2種類のグラスでたります。たまにお洒落なカクテルを注文いただく事もありますが、
主力選手はハイボール。
バーをオープンするにあたってグラスを沢山揃えましたが6年間で一度も使わなかったグラスもある程です。
お客様のニーズは逆三角形のグラスより沢山入る大きなグラス。
これでした。
ここまでバーでカクテルを提供する上で考えていたことを記載しましたが
1番大事なことを最後にお伝えします。
それは
美味しくなーれ萌え萌えキュン
この気持ちが大事でした。
自分よりもすごいバーデンダーは星の数ほどいます。
高級で美味しいお酒を揃えているバーもあります。
でも、亮太のバーにきてくれたお客様。
ここで飲みたいのですよ。
半分素人みたいな、二日酔いで不健康な顔色の、髭が剃り残してある、
そんなロクでもない亮太でも、
この男の酒を飲みに来店してくれたお客様に対しては、
美味しくなーれ萌え萌えキュン
精一杯の感謝とお出迎えの精神でお酒を作らせていただいていました。
もちろん勉強も怠らず美味しいお酒のお勧めや、飲み方の提案などもしていました。
渋谷の街には他に沢山すごいお店があります。美味しいお店もあります。
ですが今見るべきは、カウンターの向こう側にいる自分のバーの扉を開けてくれた
目の前に座っているお客様です。
この気持ちだけを大事にすれば必ずお客様に届き、
また来店してくれます。
その繰り返しです。
来店してくれてありがとうございます。
扉を開けてくれてありがとうございます。
精一杯美味しいお酒を作ります。
その気持ちが1番大事だと思いました。
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