「ハイパー起業ラジオ:ペルソナ編」のまとめ② ペルソナの応用
フェスティナ・レンテ!Ryotaroです!
今回は「ハイパー起業ラジオ:ペルソナ編」のまとめを書いていきます!
今回は応用編でございます!
Podcastだと大体このあたり↓の内容の話しを扱います!
ではいきます!
入力×価値観=行動
前回のnote記事ではペルソナというものが「仮想の壁打ち相手だ」ということを確認しました。
今回はそれを踏まえての応用編です。
パーソナリティでIT批評家の尾原和啓さんは「行動」は入力×価値観によって決まるとおっしゃられています。
つまり、人間というのは「入力」に対して自分の「価値観」を通して選択した「行動」を取っているにすぎないということです。
なので、お客さんに自社の製品やサービスを「選ぶ」という行動を取ってもらうためには「入力」の部分と「価値観」の部分をハックしてしまえばいいのです。
例えば、自分たちは「クラウドファンディング」で資金調達をすると決めたなら、お客様に「これからはクラウドファンディングの時代がきます!」「クラウドファンディングはこんなところが素晴らしい仕組みです!」などと教育をすればいいです。これが価値観のハックです。
また、「新NISAってなんだか不安だしこわいな」という価値観があるお客様にリーチするのなら「NISAの登録画面をやさしい色合いにする」「チャットボットのキャラをお客様の等身大にする」という工夫をすればいいです。これが入力のハックです。
放電マーケティング
基礎編では、現代は「足りている」時代なので価値観が多様化している、だからこそお客さんが何に価値を求めているのかを深掘りしていくことが大切だ、という話がありました。
ただ「何を提供するのか」をお客様基準にしてしまうと、自分が提供できるものがお客様の価値基準に満たず、選んでもらえないということになりかねません。
となれば、「自分が高い基準で提供できるもの」をベースにして製品やサービスを考案していくといいのかもしれません。
例えば、お客様が「お金の稼ぎ方を丁寧に教えてくれるもの」に価値を感じるとしても、それを提供することが苦手だとなかなかお客様に選んでもらえません。自分が提供するものよりも優れているものが世の中にはたくさんあるからです。
ただ、自分が「日々の気づきからの学びを伝えること」が得意だった場合、それを発信し続けていればそこに価値を感じるお客様が自然と集まってきます。
これが放電マーケティングです。
特定の誰かに向けて電波を飛ばすのではなく、ターゲットを絞らず放電をすることでお客様が自然と集まってくることをねらいとしたマーケティングの手法です。
ただ、闇雲に放電させているだけでは誰にも見つけてもらえないというのもあります。だから、自分が得意な分野に関することで放電をする「タイミング」はどこが一番よいのか、というのを見定めるために、ペルソナを立てて「カスタマージャーニー」を設計していくことが重要です。
カスタマージャーニーとは
お客様がどういうふうに生活をしていて
その生活の中で自分たちのサービスとの接点っていうのがどういうふうに生まれて
自分たちのサービスを使い続けてくれることを通して
お客様自身がゴール(なりたい姿)に到達していく
ということを考え、設計していくことです。
例えば、自社がとっても静かな掃除機を作ることが得意だとしたら、その掃除機に価値を感じるのはどんなお客様だろ?という点から考えることが大事です。
共働きで夜遅くまで働いている
掃除する時間が夜しかない
割と部屋は狭め
隣の部屋に音が漏れることを気にしている
世帯年収は600万くらい?
都市部に住んでいる?
ここまでお客様像が見えてきたら
家に帰っての楽しみはワールドビジネスサテライトを観ることかもしれない
→そこに広告を打とう
ということになるわけですね。
ペルソナをさらに掘り下げる
味の素の『ザ⭐︎チャーハン』という冷凍食品は「ペルソナの掘り下げ」をした結果生まれた商品です。
そもそも、冷凍チャーハンはほとんどがファミリー向けで、主婦の方が買いやすいように赤や黄色の暖かみのあるパッケージが主流でした。
つまり「スーパーマーケットに買い物にくる主婦の方」をペルソナにしていたというわけです。データ上でも、確かに冷凍チャーハンは主婦の方が多く買われているようです。
しかし味の素はペルソナをさらに掘り下げました。どういうことかというと「買うのは主婦の方だけど、食べるのは誰なんだ?」というところの掘り下げです。
実は、冷凍チャーハンを食べている人というのは購入者の主婦の方ではなく「奥さんが家にいないときの旦那さん」や「お母さんが帰ってくるのが遅いときのお子さん」だったのです。
となると、ペルソナとして「食べ盛りの男性」を立てて
「焼き豚!卵!ニンニク!ゴマ!ドーーン!」
「黒のパッケージ!ドーーン!」
「内容量は580g!ドーーン!」
とした方が喜ばれるのでは?と考えられるわけです。
そうすると、スーパーマーケットよりもコンビニに置いた方が、そういった「食べ盛りの男性」に買ってもらえるのでは?というふうに思うわけです。
すると、スーパーマーケットに置くことを想定した価格設定よりも高い価格設定にすることができますし、主婦の方向けに商品開発をしていた時よりも具材を少なくしているので原価を抑えることもできるのですごくいいわけです。
このように、ペルソナを立てる場合には自社の製品やサービスを購入してくれる人のところで止まってしまわずに、それを使用してくれる人や消費してくれる人のところまで掘り下げていくと新たな発見があるわけです。
ニューリアリティソリューション
ここからは、ペルソナとは少し違う話をします。それはペルソナではなく〇〇だよ、という話です。
その一つがニューリアリティソリューションです。
ニューリアリティソリューションとは、新しい生活様式が生まれた時に出てくる問題を解決する方法のことです。
新しい生活様式の裏側には新しい価値観があります。そうするとそういった新しい価値観を持っている人には新しい問題が発生します。その問題を解決するビジネスを作れば、ヒットビジネスを作ることができるよ、というわけです。
その代表例がNestléのドルチェグストシリーズだったり、ネスカフェアンバサダーのサービスだったりします。
あのサービスは日本の生活様式が「朝ごはんは家族みんなでいただく」というものから「みんな朝ごはんは家で食べなくなっている」というものに変わったところに目をつけて生み出されたものです。だからこそすごくヒットしました。
ドルチェグストとはいわゆるコーヒーメーカーなのですが「朝ごはんは家族みんなでいただく」という生活様式だった頃のコーヒーメーカーはドリップ式で、豆を自動で挽いてくれたり、一度に家族の人数分の杯数を抽出してくれたりというのが基本でした。
つまり、ゆっくりじっくりコーヒーを楽しむためのコーヒーメーカーなわけですね。
それが、「朝ごはんは家で食べなくなっている」という生活様式になったときにはまた違ったコーヒーメーカーが求められるわけです。
ほんとは朝イチで一杯のコーヒーを飲みたい
ただ、朝は慌ただしくて朝ごはんを食べる時間はない
だからコンビニで朝食を買ってオフィスで食べる
となるとオフィスでコーヒーを飲みたいのだが毎日スタバに行くわけにもいかない(高いから)
安くて美味しいコーヒーがオフィスで飲めたらいいのだが
そんなおいしい話、ないよね?
という困りごとに対して「あります!」と訴求してるのがネスカフェドルチェグスト、ネスカフェアンバサダーなわけです。
オフィスに置きやすいサイズ感で
アンバサダーがいたらマシンは無料
一杯あたり50円ほどと安価ながら
スタバとコラボしてたりもして美味しい
みんなでコーヒーを飲む文化が広まることでコミュニケーションの活性化にもつながる
このようにニューリアリティに訴求することで新たなサービスが発明されることもあるわけです。
ジョブ理論
これもニューリアリティの一つかもしれませんが、コロナ禍を経験した我々はオンラインでミーティングをすることが当たり前になりました。
そうすると、「ミーティングが立て続けに入ってしまう」という困り感や「タバコで一服したいけれどその暇や場所がない」という困りごとが出てきます。
そうすると、「連続したミーティングの中で息抜きしたい」という人たちの間で食感を楽しみながら糖分補給もできるグミやラムネが人気になったりします。
こういった、状況の中に問題が埋め込まれていて、その問題を解決する手段を提供することを「ジョブ理論」と言います。
これは、その状況が課題を決めるのでペルソナを思い浮かべる必要がないとも言えます。
連続したミーティングの中でリフレッシュがしたい。そのために歯応えがいい甘いものが食べたくなる。そしたら、子供用よりも歯応えが良くてサイズ感も大きいラムネを販売したら多くの方に買ってもらえるかもしれない。
こういう仮説の立て方になら、なにもAさんやBさんというペルソナを立てずとも製品やサービスを考案することができるわけです。
このように、「ペルソナ」と似てるようだけど違う意味の言葉を知り、「これは正確にはペルソナではない」と認識することで「ペルソナ」という言葉の理解がさらに深まるかもしれません。
今回は以上です!
次回からは「リクルート編」をまとめていきます!
それでは、すろすろ、すろーす!