コミュニケーションの秘訣は「グッド&モア」!
こんにちは!Ryotaroです!
今回は、「コミュニケーション」についての話を書いていきたいと思います!
なぜこのテーマを扱うのかというと、最近『コウ・仕事術ラジオ』というPodcastで「コミュニケーション」がテーマの話がされているからです。
僕はこの『コウラジ』の文字起こし記事を書いていたりするヘビーリスナーなのですが、この中で「グッドとモアを話そう」というやり取りがあったのですね。
全文はこちら☟
この、「グッドとモア」のやり取りを見て(聞いて)、「それも大事、さらに付け足してここを抑えておくともっといいよ!」というところがあったので今回はそのことについて書いていきたいと思います。
結論を初めに言うと、「グッド&モア」が大事です!というお話しです。
それではいきます!
「コミュニケーション」の前提
はじめに、私がいったい何者なのか、コミュニケーションを論ずる資格があるのか、という点についてお話ししておきます。
私は、公認心理師という心理に関する国家資格を所有しています。普段は、基本的に相談業務(誰かのお悩みを聞いて、助言をしたりする)の仕事を行っています。
概算で、今までおよそ三千事例くらいの相談に応えてきたこともあって「人と話す」の専門家といっても過言ではないのではないかと思っている次第です。
そんな私が、「人とコミュニケーションを取る上ではここが大事ですよ!」ということを書く、というのが共有しておきたい前提でございます。なお、今からお話しするのは私の経験談によるところが大きく、どこかの本の引用とかではないので、一個人の意見として読んで頂けたらと思います。
というわけで、まず確認しておきたいのは、「コミュニケーション」の前提についてです。一般に「コミュニケーション」と言うと
こんなイメージを持たれるのではないかと思います。コミュニケーションとは、互いに「やり取り」をするということ。そう思われている方もいらっしゃるかと思います。
その観点ももちろんあるのですが、さらに解像度を上げていくと「コミュニケーション」はこんな感じのイメージなります。
このように、コミュニケーションとは単なる「やり取り」ではなくて、互いの間にある「認識」を共有する営みであると言えます。
だからよく、「互いの意見が食い違っている」とか「コミュニケーションのズレが起きた」とかいうのは、画像①のイメージでやり取りをしている場合に起きます。
画像①だと、言葉は常に「自分」から「相手」に投げられるものですので、その「相手」から投げられた言葉をキャッチするのは「自分」なわけですね。
そうすると、自分の中に残るのは「相手から投げられた言葉」になるのでその解釈は「自分次第」になります。
一方で、画像②の場合だと「自分」の言葉は互いの間にある「?」についての言葉になります。
Aさん「これってなんですかね」
Bさん「なんでしょうね」
Aさん「りんごですかね」
Bさん「梨じゃないですかね」
こんなやり取りになります。
これが、画像①だと互いの間に「?」がないので、自分の中の言葉を相手に投げるしかなくなってきます。
Aさん「私はりんごが好きなんですよ」
Bさん「私は梨が好きです」
Aさん「みかんも好きかな」
Bさん「オレンジジュースおいしいですよね」
こんな感じのやり取りになります。「やり取り」にはなっているけれど、話の主題がないので言葉が行ったり来たりしているだけになってしまっています。
「別にこれでもいいじゃん」と思うかもしれませんが、このスタイルのやり取りだけをしていると、ズレが生じてきます。
例えば、
Aさん(先ほどのやり取りを受けて)「Bさんってみかんは嫌いだけどオレンジジュースは好きらしいですよ」
Cさん「え!こないだ私Bさんにみかんあげちゃった!嫌だったのかな?」
Aさん「断らなかったのなら、きっと誰かに渡したんじゃないかしら」
Cさん「嫌なら嫌と言ってくれればよかったのに。Bさんってはっきり意見を言わないところあるわよね」
みたいな感じに、事実じゃないかもしれないことで話が展開されていったりするんですね。気づくとそこの場にいる誰も「共有の認識」を持っておらず、「それぞれが持つそれぞれの認識」があるだけで、全然やり取りがスムーズにいかず、情報伝達がうまくいかない、ということが起きてしまいます。
だから、「コミュニケーション」をする上では画像②のように、互いの「認識」を共有する、ということを念頭に置いてやり取りができるといいです。
「嫌われない話し方」を心がけるときのスタンス
相手とコミュニケーションをする上では、「好かれる話し方よりも、嫌われない話し方をする方が大事ですよ」ということが『コウラジ』では語られていました。
相手に嫌われないためには、相手に「嫌われる」話し方を知り、それをしないことが大事、というふうなことが語られていて、その嫌われる話し方をする人が以下の通りです。
これを見て、「うわー自分のことだー」と思ってショックを受ける人もいらっしゃるかと思います。かく言う僕も、「何個かやってしまうことがあるな」と思っています。
ただ、こうした「嫌われない話し方」をしないために持っておくイメージは、下に示した画像③のように、並列のイメージではありません。
画像③のように、「人に嫌われない話し方」と「人に嫌われる話し方」を並列に置いてしまうのは、話し方についての解像度が粗い状態と言えます。なぜなら「話し方」とは「会話」の中にこそ埋め込まれているからです。
よって、「人に嫌われない話し方」と「人に嫌われる話し方」のイメージは下の画像④のようなイメージで持っておくといいです。
画像④のように、「会話」という枠組みの中に「人に嫌われない話し方」と「人に嫌われる話し方」を詰め込むイメージを持つと、「話し方」についての解像度が少し高まります。
なお、こういったイメージを持つ際には、画像④のように、9割近くを「人に嫌われない話し方」で埋め、「人に嫌われる話し方」は1割程度に抑えておくというイメージを持っておくといいです。
これは、「人に嫌われない話し方を心がけるぞ」という動機づけにもなりますし、仮に「人に嫌われる話し方」をしてしまっても、「まだ全体の2%くらいしか嫌われる話し方が出ていないから大丈夫」のように思うこともできます。
大事なのは、「人に嫌われる話し方をしてしまいそうだから人と話すのがこわい」と思わないことです。「人に嫌われない話し方を心得ている自分は、堂々と人と話すことができる。たとえ、ちょっとだけ嫌われる話し方が出てしまってもリカバリーできるから大丈夫」と思えた方がいいです。
こう思えれば、人と話すのがこわくなくなります。
「人に嫌われないこと」はそんなに重要なのか
『嫌われる勇気』という本があります。
この本がいまだに売れ続けていることからも、「人に嫌われたくない」と思っている人はとてもたくさんいるのだと思います。
そんな人たちに「嫌われる勇気を持ちなさい、あなたならきっと大丈夫だから」と言ってあげる人がいる一方で、「人には嫌われない方が得です」と言っている人もいます。
これは、どちらが正しい、正しくないという問題ではありません。言ってしまえばどちらも正しいです。ただ今回は、「色々言ったけど、嫌われてもいいという考え方もあるんで、取捨選択は各自にお任せします」と言うのはあれなんで、論を構築する上での前提を置きたいと思います。
それは、「これからお話ししていくのは、仕事上の人間関係のやり取りについてだよ」という前提です。
ご紹介した『コウ・仕事術ラジオ』は「仕事術」に関するPodcastなのですが、今回の僕のnote記事も、「仕事上の人間関係において」という前提を置いて話を進めていきます。
友人関係とかだと、「嫌われる話し方」をしたところで、そんな「話し方」に左右されないほどの人間関係を構築できていれば特にダメージはないと思いますが、仕事においてだと「嫌われる」はけっこうなダメージになるかと思います。
ですので、これからのお話しは「仕事上の人間関係において、人に嫌われない話し方の一つを紹介するよ」ということで進んでいくものと思って読んでいただけたらと思います。
「グッド&モア」の重要性
ということで、ここからは「グッド&モア」の重要性について話していきます。
先ほど引用した『コウラジ』内のやり取りの中で、「ここをさらにブラッシュアアップできると良いんだよなー!」と思うところがあったのでそこを引用いたします。
おわかりいただけますでしょうか。もっとフォーカスすると
「ここはできてる。ただ、この部分がもうちょっとここまでいかないとちょっと足りないかな」
の部分です。
「ここはできてる。ただ、ちょっと足りない」
というところですね。
これは「グッド」と「モア」を「but」でつないでいる
「グッド but モア」の言い回しです。
つまり、「A」というグッドなところがあって、
Aはグッド。「だがしかし」Bになるともっといいよね。という言い回しなんですね。
図で示すと画像⑥の感じになります。
この言い回しだと、せっかくAについて褒めたにも関わらず、モアの部分のBだけが残ってしまっています。
このように、「グッド but モア」の言い方をしてしまうと、グッドのAが打ち消されてしまって、モアのBしか残らなくなります。これだと「違う視点を持て」と言われているようで、相手側に「否定された感」が残ってしまいます。
先ほど紹介した「人に嫌われる話し方」の一つに
4Dワード(でも、だって、どうせ、だめ)を連発する人
というのがあります。
この4Dワードがなぜよくないのかと言うと、これらが相手に「否定された感」を抱かせてしまうからよくないのですね。
となると、4Dワードではなくても、相手に「否定された感」を抱かせてしまうのはコミュニケーションの方法としてよくない手だということが言えます。
ではどうすればいいか。相手に対して「モア(改善点)」を伝えたい。そんなときには「グッド」と「モア」を「and」で繋ぐ、「グッド and モア」の言い回しをすればいいです。
先ほど同様、Aという「グッド」を先に言い、そのあとに言う「モア」を「さらに」「付け足すと」「加えて」「あとは」と言った「and」の言葉で伝えるということです。
例を出すと
「ここはできてる。さらに、ここを改善するともっといいよ」
というふうに伝えるということですね。
これは、相手のことを認めつつ、さらに視野を広げるともっといいところがあるよ、という感じで伝わるので、良い印象のまま言いたいことを伝えることができます。
図に示すと画像⑦の感じです。「Aはいいよ。さらにBができるともっといいね」といった具合です。
このように伝えると、褒められたAの記憶が打ち消されないし、Bという違う意見も記憶に残るのでとてもいい感じになります。
「いい感じ」であることがとても重要
また、『コウラジ』の中では、「最初に肯定から入る」方がいいということが話されていましたが、これについても僕は慎重派で、なんなら「悪い話」から入って「いい話」で終わった方がよいのでは、と思っていたりもします。
これも図で示すとわかりやすいのですが、「いい話」から入って、その後に「悪い話」「言いにくい話」「改善点」を伝えるとなると、
こんな感じで、相手は「いやな気持ち」になった状態でやり取りが終わってしまうのです。
そうすると、次自分がまた何かを伝えようと思ったときに、「またいやな気持ちになるのかな」とか「この人は初めは褒めてくれるんだけど、最終的にダメ出しされるんだよな」という気持ちが芽生えてしまうので、すごく身構えられてしまったりします。
だから僕は、言いにくいことは先に伝えて、その後にたくさん褒めて自分の前ですごくいい笑顔とかが出るまで感情を盛り上げてから会話を終わらせる、ということをします。
この方が、最終的に相手に「いい印象」を与えられるので、引き続き「この人の話を聞いてみたいな」と思ってくれるのではないかと考えています。
ただ、初めに言いにくいことから入るのはやっぱり言う側もしんどいところはあるかなと思うので、
こんな風に、「褒める」⇒「言いにくい」⇒「褒める」の順番で言いにくいことを伝えるのがいいのではないかと思います。
これも例で言うと
「こないだのプレゼン資料とてもよかったよ。あとは、こことここの点を改善できるといいかな。けど、全体的にはすごい見やすいし、内容もコンパクトにまとまってるから、引き続きブラッシュアップお願いしまーす」
みたいな感じですかね。
こんな言い回しだと、相手に「否定された感」も生まず、言いにくいこともしっかり伝えられるのでいいかなと思いました。
はい。ということで、今回は「コミュニケーション」というテーマでお話をしてみました。
こういう話がとても好きなので、また何か書きたくなったら書こうかと思います。
それではまた!