ハイパー起業ラジオ:リクルート編」のまとめ③ Take Rate
こんにちは!Ryotaroです!
今回は「ハイパー起業ラジオ:リクルート編」のまとめを書いていきます!
Podcastだと大体このあたり↓の内容の話しを扱います!
ではいきます!
Take Rateとは
ビジネス用語に「Take Rate(テイクレート)」という言葉があります。
これは
Take...取る
Rate...割合、率
という単語の合成語で「取り分率」と訳されます。
例えば、「Take Rate=取引全体の10%」と定められているプラットフォーム上で、1万円の取引が行われたとします。
この時、お客さんのお財布からは1万円が支払われていますが、その10%の1000円がプラットフォーム側に入り、売り手には残りの9千円が入ることになります。
このTake Rateが、クレジットカードの場合2.5%くらいで、オンラインショッピングのプラットフォームだと10-15%というのが相場です。
では、リクルートが運営している「ホットペッパービューティー」のTake Rateがどのくらいかというと、なんと40%だそうです。
40%も?ぼったくりじゃん!
と思う人もいるかもしれません。それもそのはずで、例えばオンラインショッピングのプラットフォームのTake Rateが40%だったとしたら、毎回の取引で40%もプラットフォーム側に取られるわけですから、誰もそのプラットフォームは使わないと思います。
しかし、ホットペッパービューティーには今でもたくさんのお店が掲載されています。美容室やネイルサロンといった美容関連のお店は、Take Rateが40%なのにも関わらず、このプラットフォームを利用して集客をしているのです。
どうして、プラットフォーム側に取引の40%が支払われるという設定なのにも関わらず、美容関連のお店はホットペッパービューティーを利用しようと思うのでしょうか。そのわけを以下で見ていきたいと思います。
ライフタイムバリュー経営
オンラインショッピングのプラットフォームと、ホットペッパービューティーとで決定的に違うことがあります。
それは、オンラインショッピングのプラットフォームは毎取引時にそのプラットフォームを使わなければならない
けど、
ホットペッパービューティーでは、2回目以降の利用時にはホットペッパービューティーを使わなくていい
というところです。
楽天やBASEでは、お客さんが商品を購入する際には必ずそのプラットフォームにアクセスしなければなりませんが、
ホットペッパービューティー経由で初めての予約をしたお客さんは、2回目以降は直接お店に連絡して予約をすればいいですよね。
このように、最初の1回だけでなく、2回目以降の利用も見越して立てる経営をライフタイムバリュー経営といいます。
ライフタイムバリュー経営では、お客様の生涯売り上げの中で得が大きくなればいいと考えるので、Take Rateが初めの1回めにしか適用されないと考えれば、Take Rateが40%でもそれでお客さんが増えるのであれば全然問題ない、と判断されることになります。
これが、ホットペッパービューティーがTake Rateを40%にしているにも関わらず、たくさんのお店が利用しようと思う理由の一つです。
限界利益経営
「限界利益」という言葉があります。
「利益」とは、売上からコストを引いたものののことですが、この「コスト」には固定費と変動費があります。
「固定費」とはお客さんが増えても減っても変わらずかかるコストのことです。レストランなら家賃や人件費がそれにあたり、航空なら飛行機を飛ばすのにかかる燃料代とか人件費が固定費です。これらは、お客さんが100人だろうと1000人だろうと金額が固定されています。
「変動費」とはお客さんの増減によって変わるコストのことです。レストランなら食材費、航空なら機内で提供する食事やお客様が使った毛布の洗濯代とかがそれにあたります。これらは、お客さんがたくさんきたらそれだけコストがかかるものです。つまり、お客さんの数によって変動するコストのことです。
「限界利益」とは売上から「変動費」だけを引いた金額のことを言います。
(限界利益=売上−変動費)
この「限界利益」の考え方があるからこそ、ホットペッパービューティーはTake Rateを高く設定できるわけです。
どういうことか、具体例を見ていきましょう。
ホットペッパービューティーがターゲットにしている「美容室」では、家賃や設備費、人件費が「固定費」にあたり、タオルの洗濯代やシャンプー代などが「変動費」にあたります。
実は、こういった変動費のコストは全体の1-2%に過ぎません。美容室の売り上げが1万円だとしたら、変動費のコストは200円くらいなわけです。
限界利益は売り上げ−変動費なので、1万円の売り上げがある美容室の限界利益は
1万円−200円=9800円
となります。つまり、美容業界は限界利益が高い業界なんですね。だからこそ、美容業界に的を絞ったホットペッパービューティーはTake Rateを高く設定できるのです。
例えば、一回のカットが1万円の美容室の場合、Take Rateで40%を持っていかれると、手元には6000円が残ります。そこから、変動費が引かれたとしても、変動費割合が2%だと200円しかマイナスがないので、限界利益は5800円となります。
40%持っていかれている、と思うと手元にはほぼ利益が残らないのでは?と思ってしまいがちですが、変動費の割合が少ない業界の場合はしっかりと儲けが残るわけですね。
だったら、Take Rateが40%だったとしても、お店側としてはホットペッパービューティーに登録しておいた方が得が大きいわけです。
「限界利益」の視点で見たら、Take Rateが40%だったとしても儲けが出るし、「ライフタイムバリュー経営」という視点で見たら、2回目以降はTake Rateはゼロ(お店とお客さんが直接のやり取りするから)になるわけですからね。
ここで肝になるのは、「ホットペッパービューティーにお客さんが集まるの?」というところですが、それは「ユーザーを仕入れること」に強みを持つリクルートなら問題ないわけです。なぜならリクルートには「ツメ」という秘術があるからです。
このように、最初の集客というところではTake Rateを高くいただきますよとしつつも、2回目以降はお客さんと直接やりとりしてください、という風にしておくことで、お客さん、お店、プラットフォームの全員が幸せになることができる。
そんな仕組みがホットペッパービューティーにはあるので多くのユーザー(お店もお客さんも)が利用しているわけですね。
はい。というわけで、今回はリクルート編の「Take Rate」についてまとめてみました。
次回は「ゼクシィ」についてまとめていきたいと思います。
ではまた!