自己充足力について

「アースワークス」という科学エッセイの古典的名著の中に、左利きは「自己充足力」が強い傾向にある、という記述を見つけました。
本自体が昔のものであり、カジュアルなエッセイの中からの引用なので果たしてその統計的な妥当性はいかに、ということはさておき、さもありなん、当たっているのではないかと思えるフシがあります。
そう、私は左利きです。
私は趣味が読書と筋トレでして、ぶっちゃけこの二つに興じていれば、少なくとも数日は大満足で過ごすことができる、そういうタチです。
これはたまたまそこに着地しただけの話なのですが、最近になってなんと良い趣味を得ることができたのか、とその僥倖を思わずにはいられない瞬間があります。

一般的に広く趣味と言えば、ゴルフやマージャン、車や呑みかたなど、結構な割合で「他者の介在」を成立要件とするものが少なくないように思います。もちろん、それらの趣味性は何ら否定すべきところのない素晴らしいものですが、私が魅力的に思える面白い人は往々にして、「他者の介在」へ執着していない、どこか「自己満足的」に生きている感じがしてならないのです。芸人で言うところのケンドーコバヤシさんや板尾創路さんがこのイメージに当たります。
これはどういうわけか考えてみると、「他者介在」型趣味は得てして、他者からの称賛や羨望を受けたいという欲が起こりやすい、そして実際にその欲汁がダラダラと毛穴から出てしまっている有様の御方が少なくない割合で存在する、そういう性質があるように思います。

勿論、昨今のSNS映えを引力にした筋トレlover勢の肉体美キメキメ連投、そのためにドーピングに手を染める人がはびこる現状を鑑みれば、筋トレも「他者の介在」抜きに成立しない人が少なからずいることと思いますが、その意味付けを間違えずに、よほどの場面でない限りは服の下に肉体を隠し持っているという「自己充足」にとどめておけば、これは特に「他者の介在」を成立要件としないわけであり、却って魅力を醸し出すわけです。

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