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【私のこと】中小企業診断士を目指したきっかけ

こんにちは!まるです!

今回は前回の記事で少し記載した、なぜ20代という年齢で中小企業診断士という資格を目指そうと思ったのかを書いてみようと思います。


◆安定したレールの上を走った学生時代

私が初めて「中小企業診断士」という資格に出会ったのは、大学生の頃です。就職活動中に、同じゼミの女の子がこの資格の取得を目指していることを知ったのがきっかけでした。

私は経済学部出身だったので、金融に関する知識を習得したいと思い、財務や経営を学べるゼミを選びました。そこは、経営に関する知識を学べるということもあり、起業家マインドを持った、優秀な同期が多くいました。そこまで成績が良くなかった私がこのゼミに入れたことは奇跡でしたが、面接は得意だったので話術で突破した記憶があります(笑)。ゼミ内でもその女の子が「診断士」という士業を目指していることは皆が知っており、経営に関する資格なんだろうなということは、漠然と理解しているつもりではいました。ただ、この頃は学生生活が楽しく、資格勉強を頑張っている子を横目にすごいなと思いつつも、学生生活を謳歌している自分がいました。今考えると、特に夢や目標がない自分の姿と照らし合わせて、現実逃避していたのかもしれませんね。(笑)

ただ、そんな私にも小さな夢はありました。子どもの頃、建築士だった父の背中を見て育ったこともあり、自分もいつか何か専門知識を身につけ、士業として独立し食べていけるようになりたい、という漠然とした夢を抱いていました。しかし、気がつけばそんな目標や夢もどこかに忘れ去り、安定した「レールの上」をただ走るだけの自分がいました。

そんな私が好きな小説があります。それは、パウロ・コエーリョの『アルケミスト 夢を旅した少年』です。この物語は、一人の少年が夢を追いかけて冒険する旅を描いたものですが、読むたびに心に響くフレーズがいくつもあります。その中でも特に私が好きなフレーズは、次の言葉です。

結局、人は自分の運命より、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかという方が、もっと大切になってしまうのだ。

つまり、年齢を重ねるにつれて、子どもの頃に抱いていた夢を忘れ、自分自身の思いよりも世間から「どう見られるか」を優先するようになってしまうのです。私自身も、「良い大学に進学し、良い会社に就職することが最善だ」と考えるようになり、気づかないうちに夢や目標を見失ってしまったのかもしれません。

◆新卒で入社した会社で感じた不安

無事に就職先も決まり、愛知県の大手鉄鋼メーカーに入社しました。私は関西の私立大学出身ですが、周りの同期はいわゆる旧帝大出身の人が多く、本当にこの会社で活躍していけるのかと心配した記憶があります。しかも、院卒ばかり!しかし、そんな心配とは裏腹にみんな優しく、寮で共同生活をする中で人生で一番笑ったのではないかというほど、楽しく過ごさせていただきました。今思えば、私の人生は人間関係にすごく恵まれているのかもしれません。ただ、そのように楽しい会社員時代を過ごしていたものの、やりたいことが見つからず、心のどこかで虚無感を抱いていました。

朝、いつものように家を出て電車に乗り、会社へと向かう。そして、仕事を終えると再び電車に揺られて自宅に戻る。その日常は繰り返しの連続でした。月の残業時間が80時間に達することも珍しくなく、休日出勤も当たり前になっていました。ある日、ふと電車の窓に映る自分の顔を見たとき、はっとしたんですよね(笑)

「あ、俺、社畜になってるな……」と。

冗談のつもりで頭の中でつぶやいた言葉だったが、不思議と笑えなかったんですよね。毎日同じ電車に揺られ、同じ場所に向かい、同じ仕事をこなす自分。その姿は、かつて「なりたくない」と思っていた、まさにその「会社員」の姿そのものでした。

「本当に、自分の人生はこれで良いのかな……」と。

この時は、答えのない問いが頭をよぎり、ずっと考えていたように思います。いつの間にか、自分の夢や目標はどこか遠くに消え、目の前の仕事をこなすだけの日々になっていたんですよね。あの日、電車の中で感じた虚無感。それは、まぎれもなく「自分を見失っている瞬間」そのものでした。苦笑いするしかなかったですよね(笑)。

◆本気で診断士を目指そうと思った瞬間

そんな虚無感を抱えた日々の中、たまたま高校時代の部活で一緒だった友人、K君から連絡がありました。彼も人生の岐路に立っているようで、「今のままでいいのか悩んでる」と打ち明けてきたんです。その話を聞いているうちに、ふと口をついて出たんですよね。

「じゃあさ、何か一緒にやらないか?」

思い返せば、あれは何の計画も根拠もない、ただの勢いでした(笑)。しかし、不思議とK君も乗り気で、「住む場所にこだわりはないから、大阪を出て愛知に行くわ」とあっさり決めてしまいました。

これが晴天の霹靂というのか、K君を愛知に呼び寄せ、名古屋でシェアハウスを始めることになりました。なぜ、一緒に住むことになったのかと聞かれれば、明確な答えはないですが、2人ともお金もそんなになかったし、「何か新しいことを始めたい」という漠然とした思いがあったのかもしれないですね。

K君と二人、慣れないながらも物件を探し、少しずつ形にしていきました。その過程は決してスムーズではありませんでしたが、不思議と心には充実感がありました。「自分たちで作る」という感覚が、あの電車の中で感じた虚無感を少しずつ埋めていくようでした。

今振り返ると、行動だけが先走って計画性も本当にありませんでした(笑)。K君と一緒に住み始めたのは良かったのですが、肝心のビジネスアイデアが全く思いつかない。そして、結局のところ、私は本業の会社員として普通に出勤していましたから、時間も制限されてしまい新規ビジネスに十分な時間を割けなかったんですよね。私も会社を辞めればよかったのですが、その時はそのような勇気もなかったように感じます。単なる言い訳かもしれませんけどね……。

そのような生活の中で、ふと気づいたんです。何かビジネスを始めるにも「そもそも経営に関する知識が全くない。何をどう始めて良いのかさえ分からない」と。そこで頭に浮かんだのが、学生時代に知った資格、「中小企業診断士」でした。経営のための免許証とも呼ばれるこの資格でした。

「あの資格を取れば、少しは道筋が見えてくるかもしれない」

そう思い立ち、まずは経営について基礎から学ぶことにしました。そして、いくつかの予備校を調べた末に通学を決意。こうして私は、仕事の合間を縫って勉強を始めることになったのです。K君とのビジネスは一旦待ってもらったとしても、「次につながるステップになるはずだ」と自分に言い聞かせながら、日々机に向かいました。確か、24歳の秋頃でした。。。

次回は中小企業診断士を取得するため、予備校で経験した話を記載していこうと思います。




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