見出し画像

2024年8月期 通期決算と2025年8月期業績予想を発表しました

こんにちは、プログリット(9560)CFOの谷内です。

2024年10月9日に2024年8月期通期の決算発表を行いましたので、決算のポイントをお伝えしたいと思います。決算解説noteは2024年8月期第1四半期分から始めましたので、こちらで1クールが終了となります。

いつも通り、開示資料を超えるデータを示したりすることは避けますが、各スライドをどんな気持ちやトーンで書いているのかという部分をご理解いただく一助となれば幸いです。


2024年8月期通期決算および2025年8月期業績予想のポイント

  1. 認知拡大に向けた積極的なマーケティング投資を吸収し、営業利益率18.5%と前年度比2.1%pt改善

  2. 営業活動によるキャッシュフローが10億円を超え、来期は営業利益で10億円超を予想

  3. EPSが2年間で倍増し、一株当たり配当金も+5円(+38.5%)の増配を予想

やるべきことをやり切るという全社一丸での ”GRIT” を発揮し、増収増益を継続しています。
2024年8月期は営業CF10億円達成。2025年8月期は営業利益10億円超見込みであり、1つ大台をむかえるに至りました。
EPS(1株当たり純利益)は2023年8月期の31.31円から2025年8月期には62.82円へと倍増する計画であり、1株当たり配当金もしっかりと増配でき、事業成長と株主還元の両立を目指してまいります。

2024年8月期通期決算概要

決算ハイライト

2024年8月期通期の決算は、売上高が4,453百万円、売上総利益が3,199万円、営業利益が824百万円、当期純利益が610百万円と、いずれも過去最高を更新しました。

2024年8月期は、英語コーチングサービス「プログリット」とは異なり、テクノロジードリブンな新サービス「スピフル」「ディアトーク」をローンチし、新しいチャレンジの第一歩を踏み出しています。

利益創出力の高まりを受け、配当性向30%を目安とした配当方針も発表し、2024年11月の第8回定時株主総会の承認を経て初配が実施される予定です。

サービス別に見てみますと、英語コーチングサービスがYoY+42.6%、サブスクサービスがYoY+57.8%とそれぞれが高い成長率を達成しています。

英語コーチングサービスに関しては、2023年8月期に約2カ月半という受講待機期間が生じるなど供給量を大幅に上回る需要が発生したことで役務提供ベースの売上高として取り込み切れなかったのに対し、2024年8月期はコンサルタント職の大幅増員により需要に合わせて供給力を一気に増強したことで大きな売上高成長を遂げました。

第4四半期は様々なマーケティング投資を実施したうえでしっかりと利益を計上し、営業利益率は2Qの上方修正時に設定した17.1%を上回り、18.5%での着地となりました。

売上高の四半期推移を見てみますと、英語コーチングサービスはQoQ+11.8%、サブスクサービスはQoQ+13.6%とどちらも高い成長率を達成することが出来ました。前年同期比で見ても、英語コーチングサービスはYoY+40.9%、サブスクサービスはYoY46.0%とどちらも40%超の大幅増収を果たしました。

英語コーチングサービスにおいては、第3四半期に大幅に増えた英語コンサルタントの稼働本格化による供給力増強が貢献しています。

サブスクサービスにおいては、第4四半期で電車広告をはじめシャドテンの新たなマーケティングチャレンジをした中で、いくつかの施策が短期的な効果にも結びついたことにより大きく有料会員数を増やす結果となりました。

売上総利益はチャートの通り継続的に伸びており、2年前からは2倍超となりました。第4四半期の売上総利益率は第3四半期と同様の要因(新入社員コンサルタントの稼働率抑制と決算賞与)によりやや低下しておりますが、後ほど来期業績予想を見ていただければお分かり頂けると思いますが一時的な要因となりますので特に問題視する必要はありません。

売上総利益率を高く維持できているからこそ、売上成長に伴う限界利益の創出によりマーケティングやプロダクト開発等へのチャレンジが可能となっており、引き続きこの水準を維持・向上できるように務めていきます。

なお、原価への投資は付加価値の源泉でもあり、単に絞ればいいというわけではないためバランスが重要であるという認識を持っている点も念のため付言いたします。

高い売上総利益率により生まれた売上総利益をどのように割当てたかですが、4Qはその多くをS&M、特にMのマーケティング投資に充当しています。

電車広告、著名人とのコラボ動画、新聞広告、タグラインの開発など、認知向上や新たなチャネルの開拓に向けた取り組みをいくつか実施しました。第4四半期単体でのシャドテンの大きな伸びは、これら施策のいくつかが奏功した結果として捉えています。来期以降、ここでのデータを元にした一段精度の高いマーケティング活動に取り組んでいきます。

G&Aが減っているのは、新卒採用に向けた大きな投資の有無の差が主な要因です。新卒採用繋がりでは、先日10月1日に内定式を執り行いました。緊張と希望の織り交ざった初々しい空気感の中で、プログリットのこれからを担っていく若手の姿に少し胸が熱くなりました。(おじさんくさくてすみません。)

2024年8月期も、認知度向上施策、採用(特に新卒)の推進、新サービス開発、などなど積極的に取り組んできました。一方で、それらは事業成長により獲得した売上総利益の増分の範囲内でコストコントロールをしながら推進しましたので、結果として営業利益は前年対比+327百万円/+65.8%と大きく躍進しました。

四半期別では濃淡がついて凸凹見えていますが、一年を通じてしっかりと経営管理をしてまいりました。

普段はPL中心のご説明ですが、今回は1つのマイルストーン達成がありましたのでキャッシュフローにも触れさせてください。

当社は比較的現金まわりの良いビジネスを展開しておりますが、2024年8月期はついに営業活動によるキャッシュフローが10億円を突破いたしました。惜しくもフリーキャッシュフロー(= 営業CF + 投資CF)は10億円超えならずでしたが、キャッシュフロー総出力は着実に高まってきています。

主要KPIの推移

良くも悪くも第3四半期の際に

「単四半期の動きであり継続性や再現性の部分が確認されたり、過去の水準を超えるような比率というわけではない」

とお伝えしていた通り、一時的に下がった継続コース入会率は上がり、前回上がった友人紹介割合は下がる、と上下しています。今回も数年単位で見てレンジ内の動きということで、数値そのものを気にすることなく良かった点、改善すべき点を振り返り、来期以降に繋げていきます。

当社は高い収益性を維持するために、常に英語コーチングサービスの供給力を上回る需要を創出できるように需給バランスを注視しております。その結果、参考情報に入れている「平均受講待機期間」を過去数年間見てみますと、1~2カ月程度サービス開始までの待ちの期間が発生していることが確認できます。(これにより、コンサルタントの高い稼働率が維持されています。)

第4四半期はマーケティングを積極化したことによりシャドテンが大きく伸びた点は触れましたが、英語コーチングサービスも同様に順調に需要を取り込むことができています。第3四半期に多数入社した英語コンサルタントの稼働率が徐々に高まっていったことで役務提供ベースの売上高成長を果たしつつ、平均受講待機期間はやや長期化し、そして契約負債(ご契約に従って受講料のお振込みを頂いたものの、サービス提供により売上に転化されていない金額)も前四半期から約61百万円増加しています。

2025年8月期 通期業績予想

2025年8月期の業績予想は上記の通りです。意志を込めているところは営業利益率と営業利益です。

2024年8月期が上方修正後の利益率も超えて着地をしたためハードルが上がっていますが、変わらず次の期も利益率の改善にコミットしていきます。また、それによりついに営業利益は10億円の大台にのせる予想を出せるところまで来ました。

「前期も絞れば出せたんじゃない?」という声もあるかもしれませんが、それは誰も幸せにならない利益かと思っています。しっかりと会社を中長期で成長させ、雇用を生み出し、従業員の給与を上げ、利益の再投資によりお客様に付加価値の高いサービスを提供し、そして株主の皆様に還元する。そうしたサイクルを少しずつ大きくしていくことが大事であり、そのサイクルを1つ回したところの10億円という数字に意味があると考えています。(まだ予想を出したに過ぎませんが。)

やるべきことをやりきるというGRITを来期も全社で継続していきたいと思います。

今回の通期業績予想が達成された際には、グロース市場上場申請期の2022年8月期対比で売上高は2.5倍、営業利益は3.3倍となります。

2倍3倍になって何が変わったか?と考えてみたのですが、やっていることはそこまで大きく変わらず、大きな目標に向かって今やるべきことをしっかりとやり切る、と。結局のところそれに尽きるなと思います。ただ、考える時間軸はどんどん長くなっていきますし、権限移譲も進んで少しずつ役割も変化していっているようには感じます。

コロナ禍で一度足踏みしましたが、そこでコストや予実管理を含む管理体制の見直しをしたりと準備が出来たことで今があるようにも感じるので、無駄なことなどありませんね。

第3四半期決算発表の際に、「利益配分に対する考え方」を示すと共に、配当性向30%を目安とした配当実施を決定しました。

2024年8月期は予想通りの一株当たり配当金13円を予定しており、2025年8月期はEPS(一株当たり純利益)の増加に応じて5円の増配をし、一株当たり配当金は18円となる予想としております。

早速増配が出来たことを嬉しく思います。今後もしっかりと利益成長を果たし、配当をお届けできるように取り組んでいきます。

利益配分に関する基本方針(第3四半期の再掲)

今回はじめて当社の決算をご覧いただいた方のために、ご参考までに前回第3四半期に開示した利益配分に関する基本方針を再掲させていただきます。

(2024年8月期 第3四半期決算説明資料より抜粋)

2024年8月期から配当を開始します。

グロース企業での配当と聞くと「今後の成長に自信がなくなったのか?」と、言葉を選ばず言えば杓子定規な反応がもしかしたらあるかもしれませんが、全くもってそういうことではないということをここで断言しておきます!

リード文にも記載の通りですが、今後も「高い収益性を維持しながらの事業拡大」を目指した成長投資を行いつつ、株主様に対する継続的な利益還元を実施することが可能であると考えたからこその判断となります。過去収益性を改善させながら事業規模の拡大を果たしており、(繰り返しにはなりますが、)今後は配当による利益還元をしても十分に財務体質の強化と成長投資が可能だと考えています。

株式会社として、利益を上げることによって、社員の給料を上げること、株主に配当等で還元することは極めて重要な使命だと思います。一方で、これまではコロナ禍における苦しい経験もあり内部留保による財務体質の強化と事業成長のための投資を最優先してきました。グロース市場への上場から2年弱、ここへきてあるべき姿に一歩近づけたことを嬉しく思います。

(2024年8月期 第3四半期決算説明資料より抜粋)

配当を出すとして、どんな方針なのかですが、配当性向30%を目安といたします。10%程度の形式的なものでもなく、逆に100%に近いような極端な資本収益性のテコ入れでもなく、配当と成長投資、そしてM&Aによるのれんへの耐性としての財務体質強化を並行して実施していける水準であると考えています。

今後の成長戦略

今後の成長戦略は、既存の英語コーチングサービス、サブスクサービス、そしてM&Aに分けて見ていきます。

英語コーチングサービスのプログリットは8周年を迎えるにあたり、ブランドタグラインを策定し、新CMも発表しました。

「英語に、努力し尽くした喜びを。」

大きな目標をたて、それに向かって努力する。努力し尽くす。苦しい時も、逃げたくなる時もあると思います。しかし、やり切った先には成果だけではなく、達成感や耐え抜いた自分への自信があるはずです。「タイパ」など効率性が注目される中、当社は一貫して「努力」の大事さを訴え続けてきました。

本気の英語コンサルタントが、一人では成し得ない「圧倒的な努力」を促し、その先にある「喜び」を感じていただく。
ここにプログリットの価値があると考えています。

詳細は下記のリリースをご覧ください。

プログリット、8周年を迎え新CMを発表
〜本田圭佑氏出演、「英語に、努力し尽くした喜びを。」〜

また、こうした我々の一貫した考え方を認知頂き、どこかで英語力が必要となった際に第一想起いただけるように認知獲得に向けたマーケティングにも引き続き注力していきます。

なぜ認知獲得に投資をするのか?
につきましては、第2四半期決算後に配信したnoteをご参照ください。

2024年8月期 下期の投資方針について

ありがたいことに、サービス認知の向上やラインナップの拡充により少しずつ法人のお客様からお引き合いいただく機会が増えてきています。とはいえまだまだToC向けの勢いを凌駕するには至っておらず、そしてToB領域は投資家の皆様からの期待も高い領域であると認識していますので、引き続き注力していきます。

第4四半期においてはパナソニック株式会社 エレクトリックワークス社様へサービスを提供し、そして6名のうち4名の方に継続いただくという高い満足度をいただきました。ご自身の生活を振り返っていただくと、一日3時間弱を確保することがどれだけ大変かがお分かりになるかと思います。しかし、それをやり切り大きな成果と共に、努力し尽くす喜びを感じていただけたと考えています。

ホテル・レストラン予約の「一休.com」の劇的成長をリードされた榊󠄀社長が執筆された ”DATA is BOSS” に大変感銘を受けました。学習アプリも学習管理アプリも内製化することで豊富なデータが蓄積されていますので、「データ = お客様」と理解し、データに徹底的に向き合い更なるサービス品質の向上に努めます。

サブスクサービスの中心であるシャドテンは、月商144百万円にまで成長してきました。毎日数千件のシャドーイング音声がユーザー様から届き、それを数百人体制で人が対応するという、実務解像度の高い方ほどしびれる運用をしています。シャドテンの成長を目の当たりにし、模倣も出てきていると認識していますが、この規模感の運営は高いオペレーショナル・エクセレンスが必要であり、競争優位を実現しております。

我々は、この需要と供給のバランスをとりながら、引き続き事業を推進していきます。

2024年8月期は2つの新たなサブスクサービス「スピフル」「ディアトーク」をローンチしました。早速感度の高い英語学習者の方々にご利用いただき、フィードバックを受けながら機能開発に注力しています。

まずはプロダクトの磨き込みを最優先していき、どこかで徐々に広告を入れていきたいと考えています。こうした立ち上がり期の推移を四半期で開示しても、過度な期待を持たせたり、あるいは落胆させたり、と本質的ではない上下反応が出る可能性もありますので、当面数値開示はせずサブスクサービス全体としての売上開示としていく予定です。

異なるトレーニング目的、異なる価格帯のサービスが拡充できてきました。このサービスポートフォリオを通じて、より一人ひとりのお客様に長く学習を継続いただくと共に、幅広い英語学習ニーズに対応することで当社サービスのユーザー様の裾野を広げていきたいと考えています。

M&Aにつきましては、鋭意検討を進めてはいますが、まだクロージングに至った案件がないのが現状です。既存事業が順調に推移し、教育業界において比較的高い利益率も出せている中で、成長性や利益率に大きくネガティブになるような案件には取り組みづらく慎重に進めていることもあります。

一方で、前段の通りキャッシュフロー総出力も高まり、純資産も積み上がりのれん耐性もついてくるなかで、検討可能な案件サイズも大きくなり選択肢も増えていきますので、上記の基準の下でオーガニックでは成し遂げることが難しい成長への一手を模索していきます。

各種開示資料はこちら

2024年8月期通期決算に関連する開示資料および同時期の開示資料につきましては下記の通りとなります。
合わせてご確認いただけましたら幸いです。

※関連して後日開示した場合には本noteの加筆・修正を致します。

上記は当社IRサイト内、「IRライブラリー」にてもご確認いただけます。

今後のIRスケジュール

今後以下の通り個人投資家向け説明会に登壇予定です。
会社概要・事業概要といった基本情報から今後の成長戦略までご説明させていただく予定ですので、ぜひご参加ください。

IRに関するお問い合わせ先

決算に関するご質問やIRの取り組みに関するご意見・ご感想等、IRに関するお問い合わせは、下記の問い合わせフォームよりお願いいたします。

https://about.progrit.co.jp/contact?option=ir

最後にの前の雑談

新卒が証券会社だったこともあり、個別株の売買を会社に申請してまでやるところまで行かずだったので、今年の8月のお盆に社会人になってからははじめて個別株投資をしてみました。(その時の所感投稿はコチラ)
https://x.com/Ryota_Taniuchi/status/1823621458519847110

いくつかの指標で切ってみて割安と思うものを買うのもいいなと思ったのですが、割安って一体なんなんだ?と。もちろん、理論株価とのギャップを探してαを追及されている投資家の方々がいることは承知していますが、それは専業でされていて調べることが仕事である方々の成せる業であり、本業ありきの投資においてそれを狙いに行くというのは時間的制約上も難しいと感じました。

そして、これだけ個性豊かな会社が何千とある中で、数値だけで売買判断していくのも(私個人としては)面白くないなと感じ、ビジネスとして面白いなと感じた企業のうち、IR動画を見て経営者に共感したり、「この人ならやってくれそうだ」と思えたところを数銘柄買ってみることにしました。

8月5日の大暴落の後でタイミングが良かったのでポジティブだという側面も否定はできませんが、やっぱり人を見て買った銘柄はアップデートが楽しみです。

私なりに個別株の面白さをここに見出したこともあり、出来る限り決算説明会や個人投資家向けIRイベントには代表の岡田を担ぎ出したいなと考えています 笑

最後に

長文にお付き合いいただきましてありがとうございます。
いつもながら、ここまで目を通して下さった投資家の方々には感謝しかありません。

最近は結構スタートアップの方々にもお読みいただいているようで、noteをきっかけに興味を持っていただきランチにいったり意見交換をしたりといった機会も増えてきて、取り組んで良かったなと感じています。

さて、ここまでお伝えしてきました通り、事業は順調に拡大しているのですが人手が足りておりません!
特に私の領域では「経営企画(IRも少しやって欲しい)」を熱烈に募集しております!

やり切ることだけは負けないぜ!という方。ご友人で心当たりのある方。是非カジュアル面談からでいいのでお声がけください!

↓の私のX (Twitter)でDMいただいてもいいですし、

https://twitter.com/Ryota_Taniuchi

↓のHRMOSからのご応募でも大丈夫です。

https://hrmos.co/pages/grit/jobs/10000022

宜しくお願いいたします。



いいなと思ったら応援しよう!