Purposeについて考えてみたら良いことばかりだったのでシェアしたい
今回のnoteではPurposeを取り上げます。Purposeという言葉自体を聞いたことがある人も多いかもしれませんが、そもそもどういうものなのか?どんないいことがあるのか?どうやったら見つかるのか?について私自身の経験を踏まえて共有したいと思います。
結論を先に:
①Purposeとは「なぜ今その仕事をしているのか?」「なぜその組織が存在しているのか?」を表す概念
②Purposeは自分が働く上での強い動機になると同時に、人の心を動かす源泉にもなる
③Purposeは良質な問いと客観的フィードバックの往復を通じて見えてくる
ウルトラマンじゃないからわからない
さて、働いていると「VisionやMissionが大事」とあらゆるところで言われますが、恥ずかしながらこれまでのキャリアでシックリ来ることがなかったです。たとえば、新卒から7年所属していた三井物産のMissionは
大切な地球と、そこに住む人びとの夢溢れる未来づくりに貢献します。
というものだったのですが、「ウルトラマンじゃないので、こんな地球レベルで考えられないよ」と思っていたのが当時の本音です。
そんな私ですが、Purposeという概念に出会い、会社のMissionと自分との接続をしっかりと見つけることができました。その経緯について共有したいと思います。
きっかけ「なんで今の仕事やっているんですか?」
立場上、会社のMissionを語ることが様々な場面があるのですが、そんな中で「なんで河邑さんはアダコテックやっているんですか?」とふと聞かれたことがPurposeについて考えるきっかけになりました。
私がアダコテックに2019年7月にJoinした理由は、会社のMissionに共感したからに他ならないのですが、「なぜ自分が今この会社で働いているのか?」という問いは実はとても深く、すぐには納得した答えが出ませんでした。もしこの同じ問いにスパッと答えられない方は、この先の内容が一つでもヒントになれば幸いです。
Purposeってなに?Visionとどう違うの?どんな良いことあるの?
「なぜ自分が今この会社で働いているのか?」の問いに答えるにあたって、Purposeという言葉があると知り、色々と調べました。最も納得した定義が次のものでした。
①ミッションとビジョンは、未来指向である一方で、パーパスは現在進行形の感覚を有し、今この瞬間の存在理由について強く訴えている。
②ミッションとビジョンという言葉の持つ定義の曖眛さ(人によりミッションやビジョンの意味の提え方が異なる)に対し、パーパスは「なぜそれをやっているのか」という明確かつシンプルな本質に行き着く。
出典: https://www.smo-inc.com/blog/articles-about-purpose/1276
ではPurposeを追求する意義は?
関連する書籍として「マッキンゼー流 最高の社風のつくり方」に行き着きました。モチベーションを科学した書籍なのですが、重要な発見は「Why we work determines how well we work」。つまり、「パーパス(why)」を追求することが、仕事に対する動機を何よりも高めるという結論でした。
さらに、とても有名なTed Talkの動画を思い出しました。サイモン シネックさんの「ゴールデンサークル」の動画です。見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、メインメッセージは「People don't buy what you do they buy why you do it.」。つまり、人は、何を(what)ではなく、なぜ(why)に心を動かさせるというものです。
まとめると、Purposeは、自分が働く上での強い動機になると同時に、人の心を動かす源泉になるものです。
毎日の仕事に対する納得感を持ちたい。自分の仕事のことをワクワクしながら誰かに話したい。そんなときに力を与えてくれてるものだと学びました。
Purposeを見つける上での重要な問いと客観的フィードバック
さて、どうやってPurposeを見つければ良いのか?
一人で「うーん」と考えていても、なかなかコレだ!というものには行き当たらないものですが、経験上、考えを深める上でとても重要な問いが以下のものでした。
①あなたが人生/シゴトを通じて「変えたい」と思っているものはなんですか?それはなぜですか?
②あなたは人生/シゴトを通じて誰の喜ぶ顔を見たいのですか?その方々をどのような状態にしていきたいのですか?
③あなたの好きなことや得意なことはなんですか?どうやってそれを人生/シゴトに活かしたいですか?
ただ、問いに答えるだけだと、「これでいいのかな・・・」と、モヤっとしたところが残ると思います。
そこで、もう一つ大事なのが、客観的なフィードバックでした。
社外のメンターや会社の同僚に「Purposeについて考えてみたのですが、思ったことを教えてくれませんか?」と頼みました。
ポイントはできる限りフラットなフィードバックをもらうことです。
良いフィードバックの例:
「今のところは少し違和感を感じました」
「正直よく繋がりがわからなかったです」
「今の言葉にはとても力がこもっていて説得力ありました」
Purposeは極めて主観的なものなので、相手からアドバイスのようなものをもらっても深まるものではありません。感じたことをそのまま伝えてもらうことで、内省が促され、グッと考えが深まっていくことを実感しました。
Purposeは良質な問いと客観的フィードバックを何度も往復しながら追求していくと良いのではないか、というのが現時点での仮説です。
私のPurpose - トルネードの背中に感じた誇り
ここからは私にとってのPurposeの話を少しシェアさせて頂きます。
自分にとっての原体験は小学生低学年のとき。父親の仕事の都合でアメリカで暮らしていました。当時はまだ差別もあり、いじめにもあいました。
そんなときに野茂投手がメジャーリーグで大活躍しました。いじめていたアメリカ人たちも「NOMO凄いな!」と自分に語りかけました。幼心ながら、このときはじめて日本に対して誇りを覚えましたし、自分自身に対しても自信が持てました。少し大袈裟かも知れませんが、自分のルーツに対して誇りを持てることは、どんな環境の人にも希望や感動を与えられるとても強い力だと確信しています。
翻って、現在の日本については残念ながら悲観論のほうが強い。企業の多くも今までの在り方をなかなか変えられず苦戦しています。こうした状況に対して前向きに取り組むなら良いのですが、最近では「日本はダメだ」と卑下したり、諦めに近いトーンを聞くこともあります。私はこの状況を何よりも変えたいと思っています。つまり、自分が幼少期に感じた誇りを次の世代に受け継ぐことが自分の人生のPurposeになっています。
さて、冒頭の「なんで河邑さんはアダコテックやっているんですか?」という質問への答えですが、私にとって最も身近な誇りである日本のモノづくりに貢献したいという強い想いがあります。直近、Teslaがトヨタの時価総額を越え、TVはサムスンに、半導体はTSMCに、と、お家芸と言われていた分野で日本は苦戦しています。こうした状況だからこそ、テクノロジーの力で、製造業の変革を支えるというミッションに燃えています。製造業で働いている方は、真っ直ぐで情熱的な方ばかりですので、そんな彼らを後押しし、世界に誇れる日本のモノづくりを進化させるために私はアダコテックにいます。
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