フジファブリックの『桜の季節』がやるせない
#これは何か
最近Spotifyでよく聴いているフジファブリックさんの『桜の季節』という楽曲の良さを伝える為に筆を取りました。
※残念ながら、筆者は熱烈なファンの1/100もフジファブリックさんの楽曲を存じ上げず、『桜の季節』という曲単体を素直に評価させていただきました。(なんて烏滸がましいから、好きと言いたい)
#『桜の季節』とは
2004年4月14日にリリースされたこの曲。
作詞、作曲はVo.の志村 正彦。
今年で没後10年を迎える志村さんが現世に残した作品の1つらしいですね。
#「志村 正彦」とは
僕が語れるようなことは1つもないのですが、あまりご存知ない方でも、下記の記事の筆者が死後にフジファブリックを知って書き上げた文章を読んだら、なんとなく人柄やファン目線での志村さん像の輪郭が少し理解できるかもしれません。
ちなみに僕は、アーティストは作品というアウトプットと、それを生み出すまでのアウトプットを若干切り分けて捉える癖があるので、上記のような文章より、MVや楽曲を聴く中で、なんとなく想いを馳せたりするのが好きです。
#本題 :『桜の季節』の良さとは
入りがまず良いんですよ。ドラムとギターが同時に一気にドラマのopのように物語の始まりを伝える感じでぶち破ってくる感じが。
最初のAメロの入りが下記の歌詞なんですけど、
△桜の季節過ぎたら
遠くの町に行くのかい?
桜のように舞い散って
しまうのならばやるせない△
春の別れをイメージできる最初の文ですよね。
「遠くの町に行くのかい?」っていうのが、いかにも地方から東京に出て行く相手を想って発した言葉な感じがしてちょっとしんみり。
次の歌詞に「桜のように舞い散ってしまうのならばやるせない」とあるのですが、「やるせない」の意味を再度確認。
《複合形容詞相当》 《連語》憂い・悲しみを紛らわそうとしても、晴らしどころが無(くて、せつな)い。
悲しいと感じているのは1つ前の歌詞から伝わってきていて、その上で晴らしどころがなくて悶々としている、なんとも言えない気持ちであることが伝わってきます。
※oh ならば愛をこめて
so 手紙をしたためよう
作り話に花を咲かせ
僕は読み返しては 感動している!※
次のフレーズで、この悶々とした、なんとも言えない気持ちを輪郭もった文章にしてみようと考えた訳ですよね。
そして次の文章ですよ。。
まっすぐ伝えるのが恥ずかしかったのかな...と自分は想像したのですが、話を作っちゃってるんですよね。
しかも、その自分で作った文章を読んでは、感動までしちゃってると。
(△くり返し)
相手との別れに対して、悶々とした気持ちであることを強調していますね。
oh その町に くりだしてみるのもいい
桜が枯れた頃 桜が枯れた頃
ここで気になったのが、「桜が散る」という形容を前半ではしていたのに、ここでは「桜が枯れる」と表現しているところ。
桜って「散る」とは表現するけど、「枯れる」って表現しなくない?どれぐらいで枯れるの?
って調べてみたら、種類によるものの100年ぐらいは枯れないみたいです。
つまり、もう会えないんだねって暗黙に表現しているってこと?
お洒落すぎて思いっきりパクろうと思いました。
坂の下 手を振り 別れを告げる
車は消えて行く
そして追いかけていく
諦め立ち尽くす
心に決めたよ
ここでは、もう2度と会えない君との最後の別れのシーンと想像して聴くとエモさがざっと7億倍に引き上がります。
で、最後の一文で「心に決めたよ」と。
今まで、やるせなくて、悶々としてた自分の気持ちを固めた瞬間。
もう2度と会えない君との別れを飲み込んだよと。
(※くり返し)
(△くり返し×2)
ここでサビが繰り返しになるのですが、ここまでくると、
※oh ならば愛をこめて
so 手紙をしたためよう
作り話に花を咲かせ
僕は読み返しては 感動している!※
ここで作り話にしたこと、感動していることが少し分かったような気がして、言いたいことも伝えたいことも色々あるけど、もう2度と会わない君とは綺麗な終わり方をしたい、っていう想いが心のどこかにあったのかなって。
だから、愛情いっぱいの、ポジ要素全開の内容にしたのかなって。
もしそうだったら、映画の脚本並みに練られてて、情景が浮かぶ文章を、かなり抽象度の高い(相手が男性の友達なのか、女性なのか/何歳なのか、学生なのか、社会人なのか、おじさんなのかもわからない)設定で、想像させてくる志村さんって凄いなぁって、ありきたりな文章で申し訳ないのですが、そう感じざるを得ないのです。