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ブラジル1部TOPチームってどんな分析方法をしているの!?
Borá Bahêa minha porra !!!
(さぁ行くぞバイーアよっしゃぁ!!!)
これは僕もお世話になっていたブラジル1部、ECバイーアでよく使われるフレーズです。
ボラ バヘーア ミニャ ポーハと発音します。
クラブもサポーターもよく使いますし、試合中やイベントで毎回と言っていいほど耳にします。
今回はそんなECバイーアのTOPチームの分析部門について紹介したいと思います。
僕の所属したECバイーア育成部の分析部門については前回記事までに紹介していますので、そちらを参考下さいませ。
先に断っておくと、私はECバイーアの下部組織にお世話になっていたので、どうしてもTOPチームの分析部門の情報は断片的なものとなってしまいます。
練習場は隣なのでよく練習自体は見学したり、時にはアシスタントとして参加させて頂くのですが、どうしても分析部門は部屋でパソコンを使う仕事も多く、そこは邪魔にならない程度にしか参加出来ない事情がありました。
そしてTOPチームは勝敗が非常に大事であり、情報戦であるため、あまり情報を外に出さないという事情もあります。
そこはご了承下さい。
さて、TOPチームの分析部門の仕事は大きく分けると2つになります。
⑴ゲーム分析
⑵市場調査
ではそれぞれ見ていきましょう。
🌟⑴ゲーム分析
⑴のゲーム分析では、まず相手の強みと弱点を洗い出します。
相手の誰がどんな特徴を持っているのか?、どこに注意しないと負けてしまうか?、どこを攻めれば勝てるか?
こういった事をコーチ陣や選手達に伝えます。
また、試合数の多いブラジルでは1週間に2試合ある事もあるので時間はあまりない中ですが、それでも次の対戦相手の試合を1人当たり90分では5試合以上は見ます。
セットプレー集だけ、ゴールシーンだけ、の様な場面別の映像も見ますので、実際には結構な量を見る事になります。
試合を見る事は手段であり目的ではないので、多過ぎても深まりが無かったり、今とは違うサッカーをしていたりするので、見る範囲はチーム事情などに合わせて調整しても良いと思います。
1つの試合でも5つの場面別に分けて映像を編集・分析します。
その5つの場面とは攻撃、守備、攻→守への切り替え、守→攻への切り替え、セットプレーです。
厳密にはセットプレーも攻守に分けて編集しているので6つですね。
練習は勿論、試合中にもスタジアムの上部から試合データをとっています。
パス成功数や、誰が・何分に・何をしたか?などのタイムラインもパソコンやタブレットを使用して計測しています。
それらのデータと、上から見て気付いた事も含め、ハーフタイムにはロッカールームまで降りてチームに伝えます。
そしてそんな試合のデータは、試合後すぐに分析室に戻って次の練習までにより詳細に分析します。
このデータも参考にしながら監督はチームの改善点などを見つけ、練習メニューを決定します。
チームという大枠だけでなくとも、選手個人単位や守備陣などグループ単位などでも選手に映像やデータを見せ、何を改善すべきか提案します。
🌟⑵市場調査
そして⑵の市場調査。
ECバイーアでは良い選手を見つけたり、獲得を検討している選手のデータを手に入れるのにも分析部門が関わっています。
例えば「どこのポジションのどんなタイプの選手を探して欲しい」であったり、もっとピンポイントに「〇〇選手のデータが欲しい」と要望されればそれに応えます。
勿論分析スタッフの他にもスカウトはいますし、代理人もいますので彼らと連携しながら監督や強化部が獲得選手を検討します。
⑴ゲーム分析、⑵市場調査にしても、当然ですが監督や強化部長が変わればやり方は変わりますので、その時で分析の仕事も変わります。
どんなデータが欲しいかは監督によっても違うからです。
相手の弱点や自分達の改善点を気にする監督もいれば、相手の思考パターンや交代パターンを読もうとする監督もいます。
具体的には相手のCBが足が遅いのでそこを突こうという個人の弱点、スライドが遅いのでサイドチェンジを多用しようというチーム戦術、試合終盤にパワープレーをしてくるので事前にこんな選手をベンチに入れておこうというような思考パターン対策ですね。
これらは情報戦になるので、やはりあまり表には出さなかったり、隠そうとしたり相手の予想の裏をかこうという様な駆け引きもします。
テクノロジーがまだ今ほどではなかった昔はこういうのはアシスタントコーチの仕事だったみたいですが、流石に現代では機器の進化により取り扱えるデータも増え、それに伴って分析スタッフを専任化、そして増加していく流れになっています。
ECバイーアでは専任の分析スタッフはTOPチームで3人、育成で2人(+たまに僕がアシスタントに入る)事で回していますが、BIGクラブのコリンチャンスなどになると10人を超えるスタッフがいます。
勿論自チームの分析スタッフだけでなく、外部にもデータを提供している会社はあるので、それらも利用しながら情報戦を闘っています。
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