【失敗談】あの赤い花を挿した君の名を僕はまだ知らない
昨日の話である。
台風14号が迫っており、都内は突然雨が激しく降り出したかと思えば、ピタリと止んでしまうという空模様を繰り返していた。
私は日中外出したのだが、その帰り道の国道沿い、20歳前後の女性が前から歩いてくるのを目にした。
黒いブーツに白いハイソックス。後は全身黒で統一されたややパンキッシュな服装の女性だ。昔からなのだが、私はこのジャンルの女性から好まれる傾向がある。
彼女はマスクをしておらず、その点からも安心して声を掛けることが出来る。マスクを外したら"ハズレ"ということはない。
繁華街ではないので、声を掛けると彼女は普通に反応してくれた。
私を見つめる眼差しはカラーコンタクトで綺麗なブルーに彩られていた。
彼女は背負っていたリュックに赤い花を3輪挿しており、綺麗な朱色の花がその姿をリュックから覗かせていた。
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