Global report on neglected tropical diseases 2024について
はじめに
WHOは毎年、顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases: NTDs)に関するレポート(Global report on neglected tropical diseases)を発表しています。今年も2024年5月5日に発表されたので、少しまとめてみます。
WHOによる2030年へ向けた目標
そもそもWHOはA road map for neglected tropical diseases 2021-2030という目標を策定して、持続可能な開発目標(SDGs)に沿って20の疾患(策定当時、現在は21疾患)の目標とマイルストーンを定めています。
2024年に発表された報告書について
今回、発表された報告書は先ほど述べた目標に対する進捗を示すものになっています。特に、ロードマップの指標に対して初めて定量的な概要が示されました。
介入を必要とする人口は上記に示したように2010年に比べると26%減少したものの、2022年時点で依然として16億人近くの介入を必要としています。
2023年時点で少なくとも一つのNTDのeliminationに成功した国が50カ国に達し、2030年の目標の半分となったという報告もあります。
NTDに関する医薬品の寄付プログラムは21億もの錠剤とアンプルを無償で提供したそうです。
NTDsの制圧に向けて、製薬企業が大きな貢献をしています。詳しく知りたい方はこの論文を読んでみてください。
日本企業からはエーザイが唯一無償提供プログラムに参加しています。リンパ系フィラリア症(LF)の治療薬のDEC錠を提供しています。10年間続けられているのはすごいことですよね。
最後に
NTDsに対する取り組みに少しでも興味を持っていただけると嬉しいです。ぜひWHOの特設サイト見てみてください。