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若き薩摩群像「吉田清成」が親戚である可能性 - 巡巡 #007

吉田家の伝わった話を調べていくと、興味深いことがわかってきました。自分の明治時代の高祖父にあたる吉田多喜雄の叔父に吉田清成がいるのではないかという話しです。

ポッドキャスト(先祖巡礼)では実際の言い伝えも含め配信しました。

これは高祖父吉田多喜雄からしたら清成叔父さん、清成の息子吉田清風とは従兄弟になるのではないか?という話です。自分からしたら民法上は7等親以上にあたると思うので親族ではないかもしれませんが。そういう歴史があったとしたらとても誇らしい事だなと思います。

吉田清成は弘化2年(1845)生まれで、薩摩の開成所にて蘭学を専攻、渡英のち渡米、明治に入り帰国後に農商務大輔となり、明治20年(1887年)に子爵に叙せられる。鹿児島中央駅前に若き薩摩の群像として海を渡った19名の銅像の中に清成もいます。

そんな吉田清成と我が吉田家の接点を大きく分けて3つ紹介します。

まずは発端となったのはポッドキャストの中で話されていた「薩摩の従兄弟が子爵で高祖父と高祖母が京都に会いに行った」というお話でした。これは明治44年から大正元年あたりの話ではないかと思います。清成は明治20年に47歳で亡くなってしまったので、息子の吉田清風のことを言っていたのではないかということを考えました。

清風も清成の後を継ぎ明治24年(1891)に13歳?で子爵を襲爵。すごい時代ですねえ。清風と高祖父多喜雄は一歳違いです。多喜雄も15で上京していると現時点では考えていて、おそらく誰かを頼りにして出てきたのでは?と思いました。そこでの接点でそれまでの清成の関係から清風を考えました。

次に戸籍謄本を明治まで遡ると吉田嘉兵衛という自分の6代前の祖父が出てきました。多喜雄の祖父です。この嘉兵衛が吉田清成に宛てた手紙がありました。これは「吉田清成関係文書」という京都大学日本史研究室が所蔵する「吉田清成関係文書」手紙や資料日記などをまとめた全7巻の書物の中にありました。その内容から嘉兵衛と清成の父源右衛門が兄弟なのではと考えました。ちなみにwikiなどに吉田清成の父は薩摩藩士吉田源左衛門とありますが、これは間違いで正確には吉田源右衛門(安政6年)だと思います。

吉田清成関係文書三

三方限出身名士顕彰碑(鹿児島市上荒田町)という当時の薩摩の上之園、高麗、上荒田出身の名士を顕彰する石碑があり、清成もこれに含まれます。吉田源左衛門は上之園、嘉兵衛は高麗ののちに上荒田に移ります。おそらく文政7年くらいだと思うのですが同時期にこの狭い3地域で接点がありました。

最後の考察は家紋です。青山霊園にある吉田清成の墓地に行き確認したところ、家紋は「丸に浮線蝶紋」(※2022年12月22日:最後に追記)、世田谷にある1つ目の吉田家の墓には「浮線蝶紋」、伊東にある2つ目の墓には「対い揚羽蝶紋」(この墓の話は複雑なのでポッドキャストでご視聴ください)これはおそらく「浮線蝶紋」が本家吉田家の家紋ではないかと推測します。少し大きな家になってくると家紋は本家を憚り、丸をつけたり少し違う種類の蝶紋に変えたりすることがあるらしいのですが(1000年家系図の丸山学先生の動画で知りました)、なぜかうちは本家と思われる「浮線蝶紋」を使っています。これには高祖父多喜雄が急逝したことに関係あるのではないかと考えました、生前多喜雄は伊東に2つ目の墓を建てるように指示しました。そこで選んだのが本家を憚った「対い揚羽蝶紋」でした。後に多喜雄急逝、本人の入った世田谷の墓には本人の意思がわからずに本家の「浮線蝶紋」が入ったのではと思いました。なので「浮線蝶紋」で繋がったことは結構大きいのかなと思いました。サムネイルに使っている画像は青山霊園にある吉田清成の現在の墓地です。おそらく孫の清重さんで途絶えてしまったのではないかと思います。

青山霊園の吉田清成墓地(令和4.4現在)

まだまだ調べないといけないことがありますが現状このような接点から吉田清成の親族説を導きました。当時にタイムスリップして確認したいですね。

そしてWikiなどに記載の吉田清成のお父様は「吉田源左衛門」ではなく「吉田源右衛門」というのだけは訂正したいところ。(島津家家臣団系図集 - 野田幸敬 編著(南方新社)、鹿児島城下絵図 (文政・天保・安政) 索引より)

詳しい方いらっしゃいましたらご教示ください。

先祖巡礼のポッドキャストも是非お聞きください。高評価もつけていただけると尚ありがたいです。

※2022年12月22日追記
清成の墓の家紋は丸に浮線蝶紋ではなく「丸に松平大学頭蝶紋」の可能性があります。


参考文献:吉田清成関係文書三 書翰篇3、吉田清成関係文書七 書翰篇5・書類篇3 - 京都大学文学部日本史研究室 編(思文閣出版)、島津家家臣団系図集 - 野田幸敬 編著(南方新社)、薩州島津家分限帳 - 高野和人 編纂(青潮社)、日本の家紋大事典 - 森本勇矢 著(日本実業出版社)


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