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【第10回】光の力
「より安全な方へ」という本能
人間の三大欲求として、食欲・睡眠欲・性欲がある。
これら全て、自分がより確実に生き残り子孫を残すための本能から来るもの
食事をとることで健康に寿命を伸ばし、睡眠で身体のメンテナンスを行い、生殖活動を通して自己の子孫を残す。
人間も数十億年の生物の歴史に反することなく、他のほとんどの動物と同じ理にかなった本能を持っている。
高校で生物を習っている時に感じた事だ。
動物にはこの欲求以外にも本能と呼ばれるものがある。
例えば「捕食者から逃れようとする」や「安全な場所で集まる」などの、行動面での本能とか。
命をつなぐために、より安全な行動選択をする。
その中の一つに、「明るい場所へ集まる」というものがある。
光の5つの力
僕が関わらせてもらっているけやきライトパレードでは、光が持つ力を5つに分類している。
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1.美観
2.機能性
3.安全
4.防犯
5.価値
イルミネーションといえば、1の美観が最も多くの人の印象に残るように感じる。
写真を撮ったり、何気なく歩いた道が明るく照らされている事に心躍らせたり。
2の機能性は、道が明るくなることで暗くて使えなかった道が何か使えるようになったりすることか。
そしてさっき書いたように、光の「安全」という力も紹介されている。
本能の話に戻れば、人間の祖先は「見えないこと」を恐れた。
それは捕食者に襲われたり、少し先の未来が見えないからだ。
だから夜の暗くなってからは、明かりがある場所に皆で集まって、明るくなる朝を待っていた。
この安全という力は、現代の私達も享受していて、例えば4の防犯のように人目を浴びないように悪さをする人の行動範囲を狭めるという効果もあるし、明かりがあることでそこに人がいることを知覚しやすく、事故を防ぐ効果もあるだろう。
光が持つ「価値の力」
明るい場所には自然と人が集まる。
それは夜の人の動きを見ていたらわかる気がする。
暗い夜道を歩いていた時に、どこかで光が集まる場所があれば、何となく行ってみたくなるものだ。
それは安全を求めるということ以外にも、何かそこに「価値」あるものがある気がするからだと思う。
何も知らなくても、
光がある▶︎人が集まっていそう▶︎何かワクワクするものがあるのか▶︎自分もそれを享受したい
と言った風にか。
所詮人も虫と同じ生き物。
何となく面白そうだと心が思う方向へ吸い寄せられる。
その1つの要素に「光」がある。
理系脳で生物が好きな自分には、光の力とその面白さがこんな風に解釈できた。
そんな冬だった。
次は食についてでも書こうか。