2020年ものづくり補助金概要紹介
3月31日に2020年ものづくり補助金(通称もの補助)の一次〆切がありました。銀行系の方や製造業系の方は見聞きしたことがあるかもしれませんが、知っていて得なものなので、今回はもの補助の概要をご紹介します。
特に、製造業や機器による業務効率化を考えている経営者、財務責任者の方はぜひ知っておいて欲しいと思っています。
1.ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金とは「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の略で中小企業庁の補助金施策の一つです。
中小企業が生産性向上を目的とした革新的な取り組みをする際の機器やシステム導入購入額の一部を国が補助する制度です。
要は、中小企業が業務効率化のために機器やシステムを購入する費用の一部を補助してもらえるものです。
例えば、金型製造をしている工場で金型加工業務がボトルネックとなっているという課題がある場合、課題解決の方法としてNC旋盤機器を購入したいので補助してもらうといったようなものです。(ちなみにNC旋盤機器は以下のようなもので、超精密機器なので数百万円ほどするようです❗❗)
2.ものづくり補助金を申請できる要件は?
もの補助の要件は以下4点あります。
まずは事業計画に関する要件です。(特に給与支給額がハードルとなって断念する経営者さんもいますが、多少は抜け道があったりします)
①付加価値額が3%/年以上増加する事業計画であること②給与支給額が1.5%/年以上増加する事業計画であること③事業場内最低賃金が地域の最低賃金+30円以上とする事業計画であること
④補助対象者が中小企業であること中小企業の定義は中小企業法で定義されているもので、資本金と従業員で判別します。判別軸は業種分類により異なります。詳細は以下の表をご参照してください。
3.補助額は?
補助額は補助率は使用額の1/2で上限1,000万円です。
つまり、2,000万円の機器を購入した場合、1,000万円分の補助を受けられるということです。ただ、補助額の上限が1,000万円なので、仮に3,000万円の機器を購入したとしても
※小規模企業の場合は補助率は2/3となります。
補助費用は機器本体だけではなく、それに付随する費用も対象となります。技術導入費や外注費なども該当します。これらまとめると以下の表のようになります。
4.スケジュールは?
今年から募集スケジュールが変更となり、通年募集となりました。
直近では、5月中旬の〆切予定の2次募集です。
応募締め切り後約1か月で採択有無の結果が出ます。
5.採択率は?どうしたら採択率を上げられるのか?
昨年までとスケジュールなど変更点が多々あるので、単純比較は難しいですが昨年では年間平均40%ほどです。ただ、年々応募者が増えており採択が難しくなってきている状況ではあります。
採択に向けては上記でご紹介した最低限の要件を満たすことはもちろんですが、それ以外に押さえるべき加点ポイントが大量にあります。例えば、正しく企業課題を抽出・記載することや、当該機器を購入によるROIが良いこと等その他数十個あります。
正直、これら必要なポイントを正確に抽出し、申請用紙に記載することは非常に難易度が高いです。そのためこれらポイントを知らない経営者が自力で申請して、採択される可能性は低く、近年増えている専門の代行コンサルタントに委託するケースが増えているようです。
6.まとめ(3分でポイント読み)
☑もの補助とは中小企業が生産性向上のために機器やシステムを購入する場合一部を国が補助してくれる制度
☑付加価値額、給与支給額が一定以上増加する事業計画の作成が必要
☑申請は中小企業であることが必要
☑補助率は使用費用額の1/2で上限1,000万円☑採択には押さえておくポイントが多く、近年プロ通しの戦いとなっているため未経験の経営者が自力で申請しても採択率は低い
上記の概要をYouTubeでもご紹介しています。。
詳細はこちらをご覧ください。
もの補助パンフレット
また、個別のご相談・ご質問は、記事作成者の公式ラインを作っていますので、もしご質問などありましたらご連絡ください。
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