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知床半島で羆の気配を感じながら「共存」について考えた

先日、北海道・道東エリアを旅してきた。釧路でレンタカーを借りて、ノープランで気ままにドライブしながら、行き着いた先々で食事や宿泊を手配していく旅。道中で見つけた森の中の秘湯に入ったり、ご当地グルメを味わったり、色々なところに寄り道しながら北海道の大自然を満喫してきた。

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そんな気ままな旅の途中、世界自然遺産である「知床国立公園」を訪れた。見渡す限り、視界には美しい空・森・湖・海が広がり、人間の支配などは到底及ばないであろう圧倒的な自然環境だった。知床国立公園へ向かう道中の看板や、地域の施設などでは再三「ヒグマ出没」に対する注意喚起が行われていて、特に観光客に対しては「ヒグマの生活圏にあなた達が入る」と表現されていることに、ハッとさせられる瞬間があった。

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自分に限ったことなのかも知れないが、人間の手がまだ入っておらず、動物が主体として存在する土地が日本国内にあるということを、今回の道東の旅をするまで具体的に想像できていなかった。今まで自分が生活してきた街・訪れた街でも自然を感じることは多々あるが、いずれも人間が主体の土地の中に自然があり動物がいるような気がする。今回訪れた知床で、初めて動物が主体の土地に足を踏み入れることを体験した。

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今回の旅ではヒグマと直接接触することはなかったが、知床半島では実際にヒグマは生活しており、そもそも人間の前にヒグマが「出てくる」のではなく、ただ「そこにいる」のである。むしろ、ヒグマからすれば人間が「出てくる」という感覚なんだろうと思う。

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そんな自然世界を目の当たりにして、改めて「共存」ということを考えさせられた。我々人間が動物や植物との共存について触れる際、色々と人間目線で語られがちではあるが、知能が発達している人間だからこそ、動物や植物側の目線で考えていかなければいけないことなんだと改めて感じることができた。日頃の人間関係やビジネスの関係においても、相手の目線や立場になって考えられるかはとても大事なことであり、お互いに相手を思いやる気持ちがあるからこそ、人間社会は高度なレベルで成立しているのだと思う。

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秋の北海道の大自然に触れて、身体の中の「気」が入れ替わったような気分だった。自分にできる「共存」をしっかり考えて行動していかなきゃと、ヒグマから教わる貴重な旅になった。旅は心を豊かにしてくれて人生を美しく彩ってくれる。自由にどこにでも旅ができる平和な毎日が、1日でも早く訪れることを祈るばかりである。

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