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膝蓋下脂肪体-LIPUSで繊維化を阻止せよ-
文献紹介
今回の参考文献はこちら💁♂️
前提知識
膝蓋下脂肪体(IFP)
膝関節包の内側で滑膜の外にある脂肪体であり、膝蓋靱帯の深部の間隙を埋めている。
屈曲に伴い、膝蓋骨の内側ならびに外側の膝蓋支帯の深部へと広がる。
伸展に伴い、深膝蓋下滑液包の深部へと侵入する。
膝OAとIFPの関連性
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このような報告から、膝OAとIFPの関連性は強いことがわかる。
low-intensity pulsed ultrasound(LIPUS)
低い強度(mW/cm2)を利用した低出力のパルス超音波療法。
骨の血管新生増加や、骨芽細胞の分化、骨形成を誘導し、骨癒合を促進する。
文献要約
近年、膝蓋下脂肪体が変形性膝関節症の痛みの原因として注目されている。
LIPUSは骨折治療に用いられる超音波療法だが、炎症抑制や軟部組織の微小循環改善など、様々な効果が報告されている。
この研究では、膝蓋下脂肪体へのLIPUS照射と運動療法の併用効果を検証した。
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この研究で注目すべき主要アウトカム⬇︎
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運動療法群にはLIPUSと同様の処置を行ったが、照射は行わなかった。LIPUS単体での研究ではないため注意⚠️
LIPUSの設定方法
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SLR、パテラセッティング、側臥位での股関節外転運動の3つを運動療法のメニューとした。
結果はこちら⬇︎
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LIPUS群において疼痛・膝伸展・膝機能スコアが改善したことにより、PTTAが改善したと考えられる。
PTTAの減少は、IFPの腫脹減少や脛骨前方移動の改善を示している。
北川らは、ラット膝OAモデルにおいてIFPにLIPUSを照射したところ、低酸素時に活性化する転写因子HIF-1αの活性が抑制され、IFPの線維化が抑制されたことを報告している🐀
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繊維化とは…
過剰な量の繊維性結合組織が沈着すること。
柔軟性が欠如するため、IFPの繊維化では膝の内圧が高くなり疼痛が惹起される。
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関節運動を伴わないため、関節運動で疼痛が誘発されやすい患者にとっては有効である。
まとめ
膝蓋下脂肪体へのLIPUS照射と運動療法の併用は、変形性膝関節症患者の膝蓋下脂肪体の腫脹を軽減し、痛みを和らげ、機能を改善する安全で効果的な治療法である可能性が示された。
LIPUSは骨癒合のためだけに使われるものだと思っていた。
僕の常識がひっくり返った研究だった。