ついてくついてく？

宮地すみれストーリー

運命の出会い

あると思っている人にはいるし
そんな訳ないだろうと思う人ももちろんいる

要は自分がそう思ったらそうだと言う事

〇　ヤバい急がないと！

母さんが作ってくれた朝食も
寝坊のせいで全部食べる事ができない

仕方なくパンを咥えて登校する事にする

かけ違えたボタンにも気づかず
寝癖をつけ通学路を走る

いつもより早く流れる景色に
新しい発見とかあるはずもなく走っては
学校近くの曲がり角につく

ﾄﾞﾝｯ

？？　きゃっ！

〇　痛っ

呟いた瞬間転がる食パン

〇　あ〜俺の朝飯が…

漫画のような出会い頭シチュエーション

？？　あ、あの大丈夫？

〇　あぁ大丈夫大丈夫
　　ってかこちらこそごめん
　　怪我してないか？

？？　あっうん　ちょっと膝擦りむいたぐらい
　　　だから大丈夫だよ〜

〇　おいおい大丈夫じゃないじゃないか
　　立てるか？

そう言って手を差し出す

？？　う、うん

その子はジっと手を見て固まったまま

〇　ん？どうしたの？　ほらっ

強引だったのだろう

？？　っ///

〇　ほら行くよ

？？　ま、待ってよ〜

それからだろう影がら見られてる感じかすると
決まって？？さんがいるような感じがする

〇　ねぇ宮地さん？

宮　ひ、ひゃい！？

〇　そんなに遠くから見ていなくても　　　
　　近くにいたらいいのに

宮　えっいいの？

〇　うん別にいいよ
　　友達だろ？

宮　うん！えへへっ♪

俺のその言葉に宮地さんにどれくらいの
魔力が籠もっていたのか？

それからつきまとわれるようになった

どこにいくにも後ろからついてくついてく

別のクラスだけどほぼといっていい
何故か後ろで微笑んでついてくる

覗き込んできたり
甘い独特な声で控えめな声が聞こえる

昼ごはんの時は横にいる事が多いし

あとは時々考えずについてくるからか
トイレまで入りそうになる

宮　きゃあ！　ご、ごめんなさい///！

〇　あ、ああ　うん気をつけてな

どうだろうか？
かなり懐かれてつかれている

けど逆にいうと心配にもなる
簡単に信用して変な奴についていかないかを

暫くするとクラスメイトから関係性をきかれた
宮地さんはなんなのだと

〇　えっ何だっけなぁ〜

そういえばあの日出会った日からか？

ただ懐かれたのは
やっぱりあの時近くに来ればの言葉かな

〇　うーん？近くにいればって
　　言っただけだしなぁ

そんな何気なしにクラスメイトにいった言葉は
聞かれていたのだ

嬉しそうに近づいてくる宮地さんの元に

宮　…そうなんだ

私は〇〇くんが言った言葉が頭から離れない

〇〇くんは言う無意識に
嬉しい事も
それに意図しない事もそれが〇〇くん

宮　そっか…

私だけなのかな？楽しいの

なんで悲しくなると思う？

それはすみが〇〇くんに恋してるから

〇　あれ？今日は宮地さんみないな

いつもなら隣にいる宮地さん

クラスメイトもそんな宮地さんが来るから
わざわざ開けてあげる事が多い

〇　まぁそんな日もあるか

けど休み時間もこない
毎度の休み時間もあと3回2回1回とへり
放課後になる

〇　うーんなんか物足りない

クラスメイトも来なかった事に揶揄うが
〇〇は上の空だ

ここ数ヶ月毎日のようについてきてた宮地さん

当たり前になった日常
それはクラスメイトにもそう見えていた
2人のそれが当たり前になっていたのだ

〇　まあ明日会えるか　

ただその日を境に宮地さんは現れない　

休み時間毎に後ろをみる
やっぱりいない

物寂しい背中についてた宮地さんの姿は
今はいない

それが続く
何日も何日も続く

ぽっかりと空いたスペース
わざわざ退いてくれていたクラスメイトも
今は無かったように元に戻っていた

〇　宮地さん来ないな

あれから来なくなった宮地さん

違うクラスだから会わなかったら
とことん
会う機会はない

この前たまたま見た宮地さんは
楽しそうにクラスの人と話していた

〇　そりゃ同じクラスの子と話してる方が
　　楽しいか…

チクリとする胸の痛み
こういうのなんていうんだっけ？
乙女漫画にあるようなシチュエーションのやつ
それに近い

うん

たぶんそうなんだな
俺宮地さんに惹かれているんだ

考えるより足が動く

こういうのもなんか漫画で見た事ある
自然と足が動いていた

別クラスに入る緊張感というのは
かなりの物だと思う

だけどその日は気にならなかった

だって宮地さんしか見えてない
クラスメイトと話している宮地さんを
見つけるとそのまま手を取った

〇　ちょっといい？
　　宮地さんに用があってさ

強引に手を引き
外にでた
宮地さんは驚いて見つめてくるだけ

宮　あ、あの！　〇〇くん///！

〇　あぁごめん

宮　ど、どうしたのかな///？

〇　あぁうん…

考えなしに連れてきたけど
こういうの困るよなぁ
皆見られていた訳だし

宮　あの？

〇　何で来なくなったんだ？

ぶっきらぼうにいう
伏せ顔の宮地さんの言葉を待つ

宮　…〇〇くんに迷惑かけたから

〇　迷惑？

宮　だってただ言っただけだって言ってたし

〇　そんな事いったっけ？

宮　〇〇くんがクラスメイトの人と話してるの
　　聞いちゃって

〇　………そんな事いってたのか

宮　だからすみが〇〇くんの隣にはいない方が
　　いいんじゃないかって

〇　ここずっと宮地さんが隣にいなくてさ
　　何故かほっかりとスペースが空いてんだよ
　　それが何故かやっと分かったんだ

宮　そうなんだね

〇　俺宮地さんがついてこないとダメみたいだ
　　俺についててくれる？

宮　いいの？すみつきまとっちゃうよ？

〇　いやそれが無いと落ち着かないし

宮　ふふっ大丈夫だよ？
　　すみも〇〇くんがいないと落ち着かない
　　ごめんね意地みたいなのはっちゃって

〇　いやこっちが悪いと思うんだけどさ

宮　もうそこまで言わなくていいから

〇　そっかぁ？うーんでもな〜

宮　じ、じゃあさ！悪いと思ってくれてるなら
　　すみの事名前で呼んで欲しい///

〇　な、名前かぁ
　　
宮　だ、ダメ？

パーソナルスペースに収まった宮地さんからの
上目遣いのお願い

〇　う、うん別に良いけどさ///

宮　じゃあすみの事呼んで〜？

〇　いやわざわざ言う事はないんじゃ無いだろ？

宮　ダメだよ〜〇〇くん
　　すみはずっと名前で言ってたのに　　
　　不公平！

〇　じゃあ　す、すみれさん///
　　これでいい？

す　うぅ///

〇　いやなんでそんなに
　　名前呼んだだけで恥ずかしがるのさ

す　だってすみ男の子に名前呼んでもらうの
　　初めてで///

〇　いや普通にお父さんとから知ってる人とか
　　呼ばれる事あるでしょ？

す　…な人からだもん

〇　えっ

す　好きな人からは初めてだもん///
　　あっ言っちゃった♡

〇　そ、そうか///

す　へへっ♪

そうやってもともとのポジション
〇〇の後ろについてく

〇　なぁすみれさん

す　はい♪

〇　ついてきてっていったけどさ

す　うん♪

〇　隣歩いたらいいじゃん
　　その何ていうかこ、恋人なんだし///

す　は、はい///

後ろをついてく彼女
今は隣についてく彼女になった

〇　すみれさん本当離れないね
　　ってか隙あらば腕組んでさ

す　い、いやかな？

〇　ううん全然
　　何ならもっとついてて欲しいし
　　
す　えへへっ♪

信じちゃいなかったけど
こうして出会った彼女に
出会わせてくれた運命に感謝する

〇　すみれさんとあの日ぶつかったのって
　　やっぱり運命だったんだな〜

す　ちょっと強引に手を引かれて
　　ドキドキしたの覚えてる

〇　そうなの？
　　俺は全然あの時すみれさんが怪我してさ
　　大変だとは思ったけど

す　もう！　

ﾎﾟｶﾎﾟｶ

〇　いたたたたっ
　　そんなに叩かないでくれよ

す　ふんだ！

〇　…膨れてるすみれも可愛いな

す  へっ？　ね、ねぇ今すみれって///？

〇　えっ聞き間違いじゃないかな？

す　ちゃんと聞こえたもん！

〇　じゃあそう聞こえたんじゃない？

す　ねぇ〇〇くんもう一回！

〇　わざわざ呼ぶのもなぁ

とぼけてみる

す　もう！

〇　本当隣にいると退屈しないよ　
　　ついててくれてありがとすみれ

す　うんすみもだよ♡

おわり

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