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美空のおとうと2


昨日引っ越して家に初めてお客さんが来た
それは可愛がっている妹っていってもいい子

〇 彩どうだ?

彩 うん♪ほいひ〜♪

彩の為に作ったハンバーグを
ほっぺたを膨らませながら食べる彩の姿には
小動物特有の可愛いがある

〇 お、おう それなら良かったとよ

成人してるのにどっかの中学生男子みたいに
どもる事しかできない

そういえば恥ずかしくて言ってないけど
この年まで女性とも付き合った事はない

何かとそういうタイミングで姉貴が
邪魔してきてはあのハイライト無しの笑顔で
相手の子を威嚇するからな

〇 いつになったら女性と付き合う事
  できんだろうな? ボソッ

彩 むぐっ!? トントントン!

いきなり彩のやつがむせ始めた

〇 お、おい 大丈夫か? ほら飲み物!

彩 んぐっ ぷはぁ〜
  もう〇〇さんらいきなり何言いだすの!

〇 えっ何か言ってた?

どうやら無意識のうちにいってた言葉に
彩は反応したらしい

彩 …もう彩がいるんだからさ 
  そんな事考えなくていいのに〜

それが当たり前だと言わんばかりの言葉

そんな彩の言葉が冗談だと思っている〇〇は
軽く受け流すのだ

〇 そうだな彩がいるもんなぁ
  なら付き合わなくていいか

彩 もうそういう事じゃないんだよな〜
  〇〇さんって鈍感すぎます!

〇 そうだな 






その頃事務所では美空の取り調べの時間が
続いていた

咲 ………

美 さっちゃん♪

咲 はひっ!

美 それで〇〇は彩とどこに行ったの?

咲 さぁ?でも彩なら分かるんじゃないの?
  なんかご飯作ってもらうっていってたし

ペラペラと〇〇の事を話しだす
菅原咲月は自分の安全の為に自白するのだった

咲 (ごめん〇〇ー! だってみーきゅん怖すぎる
   もん!)

美 もう彩ったらそんなに〇〇の事好きなら
  ちゃんと美空お姉ちゃんに報告しなきゃね♡

咲 (怖えー 彩頑張るんだよ私は今日は退散する
  からさ)

美 それはそうとさっちゃん

咲 へっ?

美 まだお仕置きしてないのに
  なんで帰ろうとしてるのかな?

咲 いやいやいや もう白状したし

美 〇〇とデートするとか言ってたのは何?
  みーきゅんはそんな事許した覚え
  ありません!

咲 いいじゃんか〜 ちょっと〇〇借りたってさ
  さっちゃんだって寂しいんだぞ このこの♪

美 ………寂しいのは胸だけにしてよね
  それともでっかいブラでもプレゼントして
  あげようか?着けさせるよ?
  哀れな胸の姿でも見せてくれる?

咲 えーん みーきゅんがいじめるー!
  みーきゅんだってそんなに変わんない
  じゃんか!

美 美空は〇〇に揉んでもらって育つんだから
  大丈夫♡
  将来育つの決定してるからね♪

咲 何だとー! くっ!
  さっちゃんだって
  〇〇に揉んでもらうからなー! 
  覚えておくいい! さらば!

颯爽と逃げていくさっちゃん

美 あっ逃げられた……まあいいか
  さっちゃんが〇〇に会おうとしたら
  態度にでるだろうし 
  山はって監視しよう♪








〇 彩そろそろ遅くなるし送ってくよ

ダラダラと彩と過ごすこの空間も終わりに近づく

まだ未成年の彩はもうちょっとここに居たい
みたいだがそれはできない

彩 そっかもう時間か〜
  まだ〇〇さんと居たいなぁ 

〇 また今度来たらいいさ
  それに明日も仕事だろ?
  早めに帰って疲れ残さないようにしないとな

彩 ぶぅ〜 はぁーい

〇 うん よしいい子だな

そんな2人は家をでて車に向かう

〇〇は彩を乗せ走らせる

もちろんいつのまにか
助手席にちょこんと座っている
メンバーだから駄目だっていっても目で訴えて
くるから折れるしかない

彩 〇〇さん
  そういえばさっちゃんから連絡ありました?

〇 咲月から? いや無いけど

彩 おかしいですね〜 
  さっちゃん〇〇さんとデートするって
  張り切ってたから早めに連絡あると
  思ったんだけど?

〇 まあアイツにも用はあるだろう?
  仕事もしてるかもしれないし

彩 そうですね そう思う事にします

〇 あぁそれよりえーっと家はどこだっけ?

彩 あ えーっと次そこ曲がってください

彩の道案内のおかげで難なく家についた
ナビもあるんだけど彩の声で指示してくれる方がテンションが上がる

彩は実家暮らしだから当然両親がいるんだけど
送りにいったとき彩のお母さんから娘をよろしくと頼まれた

こうして会うのも珍しくない
親同士のネットワークもあるし偶に
ライブ会場でも会う

〇 はい何があっても守ってやります
  心配しないで下さい

彩 プシュー/// もう〇〇さんったら///

〇 えっ?

彩母 彩頑張りなさい♪ 〇〇くん見たところ
   ちょっと鈍いみたいしね

彩 うん///

〇 …えーっとそれじゃあ失礼しますね
  彩またな

彩 うん 〇〇さんまた連絡しますね♪

〇 おう

彩と別れると途端に静かになるのは仕方ない
まあそんな空間も好きなのだが流石に
彩と別れた瞬間は寂しい

それにこの寒空の中心も身体も寒い
直接帰るのはなんかと思いホットのドリンクを
求めて帰り道コンビニによる事にする



入ったコンビニの動線上を通ると
雑誌コーナーが目に映る

〇 あっ和じゃん

色んな種類の本があるけど
目立つ位置に知った顔があった

たまに会うとだる絡みしてくる
5期生のエース的人物は
俺に対してなにかと絡んでくるから面倒くさい

中身がちょっといやかなり大雑把であの見た目に反して部屋が汚いのなんのその
何回か部屋を掃除しにいってやったのは世間的にあいつのイメージダウンになるから内緒だ

脱ぎ散らかした服や物の多さに足の踏み場がない
まあ食べ物とかはそのままってわけでは無いから
片付ける分には苦にはならないからいい

ただ下着類とかもその辺にあるのが困る
ただ和のやつは気にしてないっぽくて
いつも一言俺にこう言う

和 えっ別に見られてもいいじゃん
  将来結婚するでしょ?

まあ冗談だと思うけどその言葉は未来本当に
好きになったやつに言ったらいい

〇 本当外面だけは綺麗なんだよなぁ

手に取っていた雑誌をラックに戻し目的の物を
レジで買ってかえる
暖かいホットなココアを選んだ

〇 はぁ寒い 財布の中も寒い

キャップを開け飲むと身体の中を血流が流れる
かのように流れているのが感覚で分かる
それほどまでに外は寒い

しんとした寒さは明日も続くだろう
それに明日は朝からバイトだ

帰って熱いお風呂に浸かって寝よう
これが実家だったら突入してくる姉貴に
ヒヤヒヤするけど 

念願の一人暮らし
入るのにゆっくり浸かれるのは大きい

〇 明日頑張らないとな














美 ………でない

ゆっくりと近づいてくる気配はもうそこまで
いつ家にたどり着くのか

美 〇〇〜
  お姉ちゃんかならず見つけるからね〜♡

〇 ブルッ うわっ寒気がする
  ちゃんと着込んで寝ないとな


つづく



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櫻屋
ありがとうございます♪作品に役立てます