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葉留花のあに12


年末の日向坂は色々行動する事がある

歌番組だったり、番組収録だったり
ラジオだったりと
個人の仕事が入ってるならもれなくれそれに
プラスされて隙間がうまる

そんなこんなで忙しいからか立場が
比較的上である俺は
実家に帰らずお正月休みをずらしてまで
メンバーの元に駆けつける事にした

そう仕方なくだからな

スタッフに聞いたらどうやら数人
本当にメンタルにきているらしい

おいおい

俺がいなくてもちゃんとやれよって
大口たたいてみたいけど
それを言ってはどうなんだろうか?

好いてくれてるメンバーを自分から離す事なんて
できないしな

久しぶりに停める事務所の駐車場
年末だからか車の数は少ない

静観した事務所にカードキーを通す
事務方や総務などの一般職の方はどうやら
必要最低限で休みを取ってるのだろう

ああ本当羨ましい

〇 …さて

まだメンバーはいない
まずは今野さんへ挨拶に行く為に部屋に入る
うわぁあの親父の嬉しそうな顔みて帰りたくなる
ドアを閉めなおしてしてやった

今 ちょっと〇〇くん!

〇 はい?

今 なんで閉めたんだい!?

〇 いややっぱり帰ろうかと思って

今 それはないじゃないかな!?

〇 はぁ分かってますよ 
  ちょっとした嫌味のつもりで
  冗談いっただけですから

今 いやぁますます辛辣になったね〜

〇 今野さんにだけですから

世間話をする
メンバーの内情など聞くと無理してる
メンバーは少なからずいる

まぁまぁアイツらは昔から溜め込むから
発散させなきゃならないけどそれはおいおい

活動してるとどうしても拘束される時間は増える
さっきも言ったが年末は忙しい

どうせ暖かいものも食べられてないのだろう
お弁当ばかりでさ
………はぁ仕方ない

〇 ちょっと買い出し行ってきますね〜

今 おう

〇 ちゃんと領収書は今野さんできっときますから

今 …おう







スーパーで色々と材料を買い込む
1人では足りない
店と車の往復で体は疲れる

〇 おっさんにはつらい本当に

自分の車の中が埋もれていく
あいつらメンバーの気持ちに比例して
それほどまでに意識してない所では
気持ちが出るのだ







事務所に着いたらスタッフに頼んで運んでもらう

事務所の食堂には今は誰もいない

運んでもらったスタッフに礼をいい
材料を切り始める

戻ってきた最初の仕事が野菜切り
なんとも平和なもんだ

〇 〜♪

切るリズムに合わせては鼻歌が自然にでる
軽快にでるのは美玖が歌うセンター曲
日頃から日向坂の歌は聴く
聞きなじみがいい曲はもっと聴く

〇 うーうーうーいえーい
アウトロまで歌った

パチパチパチ

?? ふふっ♪ 初めて〇〇の歌聴いたわ〜

〇 あ? げっ聴いてたんか菜緒

菜 いい歌やったよ?
  でも美玖のやつってどういう事やねん

〇 いや好きな曲歌ってただけだしな

菜 アホ そこは菜緒の事目の前にしたら
  気遣う事言うとこや

〇 それはすまんなぁー
  おっさん女心皆無だしな はっはっは♪

菜 ふふっしゃーないな

控えめだけど菜緒の笑顔に安心する

やっぱり直接みるメンバーの
笑顔には精神安定剤が入ってるみたいだ

〇 菜緒は今1人なんか?

菜 うん

〇 そうか

菜 なぁ〇〇はどうしてここにおるん?

〇 菜緒が寂しがってる思って飛んできたぞ

菜 うそやな

〇 まあ全員か…

菜 マイナスや

〇 でも菜緒の事も気になってたんは本当だぞ

菜 相変わらずそうやって落としにくるのあかんよ

〇 ん?何がなんだ?

菜緒は思う
このタラシに何人も落とされていったのかを

でも本当に心配してくれるし
無償の愛を与えては見守ってくれるから
信頼しないわけがない

菜 なんもないわ
  それより美味しそうやな

〇 おぉお前らどうせ弁当ばっかりだろ?
  仕方なく料理が趣味な俺が披露してやろうと
  思ってだな

菜 そうなん?まあ美味しそうやな

〇 まだ食べんなよ〜

菜 いいやん試食ぐらいしたるよ?
  自信ないん?

〇 あほな事いうなよ
  ほら食べてみろよ

ほらやっぱり
こうして無自覚な事して口に運んでくる
けど逆らえない

〇〇がもった卵焼き甘いわ〜

〇 どうだ?

菜 …おいしいやん

〇 そうだろー

菜 うん///

そうやった
だから思い出した
このタラシに落とされたの菜緒も入ってたわ

美玖を応援してたのに
やっぱり無理みたいやな

菜 なぁこの唐揚げおいしいん?

〇 当たり前だろうが自信作だぞ

菜 そんなん食べてみんと分からんやん

〇 じゃあほら食べてみろよ

〇〇は食べるように促す

菜 手汚れるやん

口を開けて待つ

〇 …ほら

菜 あむっ美味しいなぁ

〇 おい///

ふふっ♪ 

〇〇のやつ恥ずかしがってるわw
なんせ菜緒の口の感触当たったんやろ?

食べさせてもらうときに少しだけ〇〇の
手を噛んでやった

菜 美味しかったよ〇〇の手♪

〇 アホが///

菜 ふふっ







皆が食堂に入ってきた

〇 おっお疲れさん

いっきに〇〇は囲まれる
皆嬉しそう
あんなに疲れ落ち込んどったのに
やっぱり〇〇は私達にとってのおひさまだ
明るくしてくれる

菜 なぁ美玖

金 どうしたの菜緒?

菜 負けへんよ

金 えっ

菜 何でもないわ♪

しっかり認識したこの想い
渦中の〇〇はメンバーにもみくちゃだ

しゃーない菜緒が助けたる

菜 〇〇

〇 ああ何だ今ちょっと囲まれてんだよ

菜 それは見たらわかるわ

〇 じゃあ後にしてくれ

菜 なんやその言い方
  菜緒にもう一回あーんしていい権利
  あげよ思ってんのに

皆 !?

〇 おい!

金 へっ?

菜 あっ 内緒だった?

皆 どういう事なの〇〇(さん)!?

〇 おいおいおい

菜 ふふっ♪

菜緒を本気にさせた〇〇があかん
ちょっとしたお返しやで♡


おわり



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櫻屋
ありがとうございます♪作品に役立てます