葉留花のあに11
研修期間でだいぶメンバーとは
距離が近くなっていると感じる今日この頃
そんな中でもやる事は変わらない
メンバーのフォローだったり物資の調達
スタッフとの打ち合わせも大半が
メンバーとの事を擦り合わせる作業
そんな事を集計してはうちのボスへと報告をする
〇 という事になってますよ
?? そうかそうか♪ 順調そうでなによりだな
〇 何達観してるんですか今野さん
今 いやそっちはもうお前に任せてるんだし
よろしくやってくれ
〇 逃げましたね?
今 はっはっは♪ 戦略的撤退だな♪
〇 はぁ…まあいいでしょう
そっちはどうです?
あいつらはちゃんとやってますか?
今 まあ何人かはお前の事で
イライラしてるみたいだぞ?
ちゃんと連絡ぐらい取ってやれよ
〇 そこまでしてたら俺倒れますよ?
こっちだって誰かさんがほったらかし
ですから大変なんですけどね〜
今 まあまあ今度休み取っていいから
なんなら連休だっていいぞ
〇 …絶対無理だろ
今俺が長期で抜けたら
回らない事などわかっている
この狸親父
〇 本当にとってもいいんですね?
じゃあまるまる1ヶ月ぐらいもらいますね
丁度有給もあるし実家に帰らせてもらいます
今 !? お、おい!
〇 えっ?何ですか?
今 そんなに取るか!?
〇 丁度よく年末のタイミングだし
いつでもいいんでよすよね?
あーあ年末って忙しいのに俺いなくて
メンバーから何か言われたら
今野さんお願いしますね?
今 ま、待ってくれ!
アイツらは俺よりお前の方が…
〇 知りませーん♪ ガチャ
一方的に切ってやる
〇 まあ取らないけどな
っていうか取れるはずがない
休んだら絶対電話、LINEの通知が
鳴り止まなくなる
〇 アイツらこんなおっさんにさ
さてさて4期生もそれに合わせて
早めの冬休みになる
みんなそれぞれ合流前の貴重な休みだ
〇 はいはい皆んな浮かれるのはいいけど
しっかり自覚ある行動をしてな〜
もうお前達は見られる立場なんだから
気を引き締めて年明けまた会おう
じゃあ解散!
今野さんにはああは言ったがアイツらの事が
気にならない訳がない
キャプテン筆頭
としちゃんや鈴花とかうるさい奴らは
別として連絡ぐらいはするかね
そんな事を考えていると愚妹が
当然の事のように絡んでくる
葉 お兄! ねぇねぇ早く実家帰ろうよ!
〇 は? 帰る訳ないだろが
葉 えっなんで〜?
〇 俺はお前と違って忙しいの
葉 えーせっかく一緒に帰れると思ったのにさ〜
〇 知らんし 母さんとドライブでもして来い
葉 うん♪
母さんも母さんで変だしお似合いだからな
葉留花が霞むくらいキャラ強いし
何たってこの葉留花がツッコむくらいだから
〇 お土産期待してるぞ〜
葉 うん♪ じゃあはい
〇 何だこの手は?
葉 お土産代ちょうだい♪
〇 お金もらってるだろ?
葉 えへへっ
〇 ったく
メンバーに比べると薄給だっていうのに
まあ今の時点では俺の方がもらってるか
そういって多めに渡す
なんと栄一さん3枚
葉 えっ!? こんなにいいの?
〇 まあな母さん達に何か買っていってくれ
しばらく帰れていないし
葉留花を駒がわりにして乗り切ろう
葉 うん♪任せて!
どうやら妹は納得したらしい
ほんとちょろいヤツだ
人が少なくなった合宿所
用があるスタッフが何人か
数えるぐらいしか残っていない
俺は久しぶりにこの後メンバー達と
合流する為残っていた
休み挟んで明後日から同行する
〇 じゃあ後はよろしくな?
スタッフ はい任されました!
そんな返事を後ろから聞きながら車へと向かう
あとは乗って東京へと戻るつもりだった
?? あっ〇〇さーん!
待ってくださ〜い!
走ってきたのはメンバーの1人
〇 あれ?藤嶌どうした?
皆もう出たぞ?
息をきらせたのか肩で息をしている
まだ若いのにその吐息が色っぽい
果 寝ちゃってたら皆いなくなってたんですよ!
アイツらはどうせ誰かが声を掛けるだろうと
思って声をかけなかったぽいな
こんな時にゆずり合い精神を
発揮してどうするんだよ?
〇 おいおい
果 このままじゃ実家帰れなくなるんです!
これは詰んだな
見事にウルウルした目で見上げてくる藤嶌
これはもう空港まで送るしかない
〇 はぁ〜仕方ない ほら藤嶌さっさと乗れ
送ってやるから
藤 えっいいんですか?
〇 何だよ送って欲しそうにしてたくせにな
藤 思ってましたけどなんか申し訳なくて
〇 気にするな
他のやつだったら遠慮なく
言ってくるからさ
藤 じゃあお願いします♪
〇 おう
ゆったりするつもりだったけどどうやら
時間も限られている
〇 ってか時間あるんだろ?
早く乗れ
藤 はい!
急いで荷物を乗せて出発する
藤嶌も最初はオロオロとしてたが
どうやら落ち着いてきたみたいだ
〇 俺がいなかったらアウトだったな
藤 はい1人寂しく合宿所でした
えへへっ
〇 ったく
藤嶌はどこでもすぐ寝れるって特技をもっている
まあ若い今のウチの特技だか
これは遅刻の危険性もある
現にいま状況は違うが危なかった
それにアイツらもだ
ちゃんとした危機管理がなってない
誰かがやってくれるだろう
任せても良いだろうじゃ
なし崩しになって
大事な事が見落とされてしまう
〇 まだ仕事じゃなくて良かったぞ
果 はいすみません
〇 気にするなってのもなんだけどちゃんと
メンバーやスタッフに頼れ
これはこれから活動していくには
必要な事だぞ
再度同じ事言うけど
今回俺がたまたま仕事が残ってたから
良かったもののそのまま東京に戻ってたら
藤嶌は終わっていた
果 はいすみません
ちょっと言いすぎたか?
果 私って1人で抱え込んでしまうクセが
あるんです
それなのに出来てなくって
〇 どうしてだ?
果 迷惑かけたくなくて
〇 まあ言いたい事は分かるぞ
何でも出来たほうがそれはいいさ
果 ですです
〇 だけど最初っから出来る奴なんていないぞ?
理想を高く設定しすぎて
足元疎かにしたら意味がない
頼れる所は頼って藤嶌果歩ってやつを
アピールしろ
果 は、はい!
〇 だからこんなおっさんにも頼れる時は頼れ
今日みたいに送り届けてやるからさ
果 〜///
は、はい〇〇さんには1番に相談します!
〇 おう
果 皆が言うだけあるね
ほんとイケおじだ/// ボソッ
〇 着いたぞ藤嶌
果 ふぇ?
〇 ったく気持ち良さそうに眠りやがって
果 あっ空港…
〇 おう じゃあ行くか
果 はい!
〇〇さんに荷物を運んでもらう
さりげない大人な優しさに果歩の胸は弾んだ
一緒に並んで歩く
検査場まではもう少しだ
〇 ここで大丈夫か?
果 はい大丈夫です
〇〇さん今日はありがとうございました♪
〇 おう じゃあ年明け元気になって帰って来い
俺にその姿見せてくれな
果 その言い方ズルいですよ///
〇 ん?
果 これはあざといですね〜
皆苦労するよ///
〇 分からんがほら早く行け藤嶌
果 はい じゃあ行きますね?
あっあと帰って来たらぜひ呼ぶ時は
名前で呼んでくれたら果歩嬉しいなぁ♡
そうひと言残し藤嶌は検査場を通っていった
〇 ………あざといなアイツ
もしかしてアイツが継承するのかもな
つづく