花束みたいな恋なんてしなくていい

『花束みたいな恋をした』を観て、麦と絹の恋愛の終わらせ方が綺麗だと思った。自身のこれまでの恋愛とは程遠い終わらせ方である。

お互いに納得して、恋愛を終わらせるのは想像以上に難しい。よく耳にする恋愛の終わり方はどちらか片方に不満が残っている。時間が経ってから終わった事実に納得できる場合はあれど、そこに到達するまでにはかなりの時間を要するものだ。

そもそも恋愛を綺麗に終わらせる必要なんてあるのだろうか。僕は恋愛が終わった時点で、相手との関係性を完全に断ち切る傾向がある。映画のようにエンドロールが流れて、続編には相手は出演しない。連絡を取ることもなくなるし、現世に存在していないものとする。

お別れした人と友人に戻るケースを聞いたことはあれど、僕にしか見せない顔を知ってしまった以上は、友人に戻れるわけがない。そのため別れ話をしているときに。わざと酷い言葉を相手に伝える節がある。そこに込める願いはどうか嫌いになってくれますように、永遠に思い出しませんようにだ。

相手に自分を嫌いになってもらったほうが気持ちが楽で、もう2度と元にもどりたいと思わせたくない。なぜこんな奴を好きになったのか。時間の無駄だったと思われてしまえば、関係を元に戻そうとは思わないはずだ。そっちの方が未練が残らなくていいと思う。綺麗さっぱり忘れてしまって、お互いに次に進めばいい。花束みたいな恋をしたなんて思わなくていい。

過去に囚われることなく、お互いが新しい道を歩む。お互いの幸せなんて望まなくていいから、道中で出会った人を大切にすればいい。たとえ花束がなくとも幸せだと思える恋愛ができれば万々歳である。ちょっと思い出しただけなんて過去を振り返る必要もなければ。思い出を美化する必要もない。ただまっすぐ前だけを向いて生きる。その方がいい。きっとそれが2人のためである。

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