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子どもにもちゃんと毒がある ー漫画『おんさのひびき』を読む
Kindleのセール時に買って積読していた作品。
サクッと読みました。
全2巻なので読みやすい。
時代は昭和から平成あたり。
母子家庭で暮らす順基、真っ直ぐな優等生少女マコ、そして、自らの“人生”を生きようとするエト。『銃座のウルナ』で第21回文化庁メディア芸術祭[優秀賞]を受賞した伊図透が、ライフワークとして描きつづける燦めきに溢れた青春シリーズ。
昭和っぽさが懐かしい。
というか作品の中で子どもたちがリアルタイムに生き生きとして感じられる。
都内の小学生3人を中心としたストーリー。
子どもの頃、世代が近いので胸熱です。
ノスタルジー一直線、ではなくて
小学生の伸びやかなピュアさがある反面、リアルの負の現象も少しずつわかりはじめていて、子どもたちも残酷なことをしたり嘘をついたりする。
子どもにもちゃんと毒がある。
フィクションと現実っぽさのバランス加減がいい。
公立の小学校から中学校までっていろんな家庭で育った子どもたちが集まっていて、
そのなかで友達になったり喧嘩したりする。
大人になると、自ら進んで動かないと、同じ組織の人、似たような人が周りに多くなる。
子どもの頃って入学式ですっていきなりポンって背中押されて
よく知らない大人数の中に放り込まれて
今日からみんなで仲良くしましょうね、なんて言われる。
当時は1ミリも考えたことなかったけど、子どもの世界って過酷。ライオンの子育てっぽい。
気づけば自分は大人目線で物事を見ていて、小学生のときにちょっとぐらい上手くいかなくても全然、問題ないことは知っている。
でも命懸けで運動会に臨んでる子だっているんですよね。
そこまでいかなくても、大人が思う以上に運動会とかいろんなイベントに対して気合を入れてたりする。
また、意図せずに友だちを傷つけてしまって、とことん自分を卑下したり。
大人からみると、子どもって陽気で能天気にみえて、一生懸命生きてるんですね。
子どもの意識下での成長と葛藤はすごい。
大人になると子どもの一生懸命さ、忘れがち。
大人は大人で別次元で大変で、いつも余裕があるわけでないし。
子どもばかり見てられないし。
自分のなかに忘れていた子どもの目線をちょっと思い出すことができました。
子ども目線ってこんなだっけ。
よつばと!で思い出す階段の上り下りにもストーリーがあるってこと。飽きることなく何度も何度もこの世界に戻ってきたくなる。
小学生の頃にバスの中で読んでたな、の作品。絵も物語もものすごくあったかい。細かなストーリーは忘れてしまったけれど、読みながら感じたあったかさは今でも覚えてます。
ダメダメバンドマンが子どもたちの(そして自分自身の)コンプレックスなんて吹き飛ばしてロックする!
子どもとの交流によっていちばん変わったのが大人ってところがいい。
SNSで人気漫画。
下の2つのエピソード、とくに良いです。無料。
どちらも胸がじんわりしますよ。
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