開幕前に少し感動している話
いよいよ明日、2022プレナスなでしこリーグ2部が開幕します。
1月半ばに新チームが始動して、フロントで準備していた作戦やイベントのほとんどがマンボウによって中止になる中、それでも2月中旬くらいからは徐々にアクションを出せるようになってきました。
市長を表敬訪問し、地元サッカー協会へご挨拶に伺い、オンラインファンミーティングを実施し、アカデミー説明会を開き、新体制発表会を開催し、イオンモールでイベントを行い。その合間で各パートナー企業を訪問し、県や周辺行政を尋ね、教育委員会を通じて学校へアプローチし、ロータリークラブや法人会にご招待頂き、ホームタウンの各所にパネルやポスターをご掲出願い、J:COMさんの応援番組がオンエアとなり、市議会の一般質問で取り上げて頂き、タウンニュースで特集が組まれ、卒業するアカデミー選手たちを送り出しました。
こうやって書くと良くわかりますが、クラブの経営規模もファンベースもまだまだ極めてスモールなのにも関わらず、ステークホルダーの種類や多様さについては、J1クラブと大きくは変わらない。
これは大和シルフィードという女子サッカー単独でやってきたクラブの持つ歴史や、関わってきた人たちが選択してきた地域密着という方向性が素晴らしかったことの証だと思います。
移籍してすぐにコロナ禍となってしまい、本当はあれもできたはずなのに、これもやれたはずなのにと、そう思うことも決して少なくありませんでしたが、でもこうして20万人規模の中核都市からプロクラブを生み出そうとするにあたって、これだけの多種多様なステークホルダーの皆さんとしっかり顔の見える関係になるためには、やはりこの1年半という、ただただ靴底を減らし続けた時間は必要不可欠だったのかもな、とも思います。
そして。
明日の開幕戦を始め、今シーズンはご来場者にサイン入り「マッチデーカード」を配布するのですが、
サイン入りと聞いていたのに、開幕スペシャルということもあってか、1枚1枚に選手たちが感謝などの直筆メッセージを書き込んでくれているのです。これには、とても驚くと共に、小さくない感動を覚えました。もちろん、我々の規模だからできることでもあるのでしょうけど、でも決して規模だけを追わずとも女子サッカーをプロ興行として成立させ得るとしたら、ここにすごく大きなヒントがあるような気がします。
コロナ前ならともかく、アフターコロナ、ウィズコロナの世界で、KPIを動員数だけに求めることには、個人的にはあまり賛成できません。もちろん、ファンベースは全ての価値の源泉ですから、もっと多くの方に来場していただけるクラブ、応援して頂けるクラブを目指すのは間違いない。でも、これからは、例え数が少なくても、「どんなファンが応援してくれているクラブなのか」、「どれだけ強いエンゲージメントを発揮してもらえるクラブなのか」が一番大事になってくると確信しています。その点で、選手たちのこうしたアクションは、必ず未来に紐づいて行くのだと思います。
何より。ついにリーグが開幕し、彼女たちが表現するフットボールを観ていただける日々が始まります。
主体的なチャレンジ。絶対に諦めない姿勢。レジリエンスの具現化。ピッチでの姿を通じて皆さんに元気を届ける、笑顔を届けるため、長いシーズン何があってもクラブ一丸で闘い抜きます。
熱いご声援を、どうぞよろしくお願いいたします。
そして開幕3連戦の会場である「ゆとりの森」はお席に限りがありますが(275席のみ)、5月以降は大きなスタンドがある会場となりますので、スタジアムでお会いできることを、心から楽しみにしています。
(プロの女子サッカークラブって、どうやってつくればいいんだろう。)