なぜ日産スタジアムで女子サッカーを開催するのか
先週末は、約1年ぶりとなる「大和なでしこスタジアム」で有観客開催でした。
訪れた皆様が最高に温かい空間を創って頂いた中で、後半に4得点を挙げて無事に勝利することができました。まだまだここから、2部優勝を目指していきます。
そして迎える5月28日(13時キックオフ)は、国内の女子サッカーでは初となる日産スタジアムでのホームゲームを開催します。
言わずもがな、日本最大級のスタジアムで、W杯やオリンピックの決勝の舞台となった巨大な舞台。
大前提となる背景としては、リリースにも記載があった通り、今年1月末に日産自動車株式会社と締結したパートナーシップ契約の一環として、日産自動車様のご協力により実現したものです。
ここは誤解のないように繰り返しの説明となりますが、地元のホームタウンチームでもない我々が使用を先導したり、主張したりしたということは一切なく、あくまで日産自動車様が主体として、行政上のレギュレーションに則って割り当てられた枠をパートナー先であるクラブの試合開催に使用する、ということが正しい事実と状況です。
その上で、なぜ大和シルフィードとしてもこの開催に向かっていくことになったか。
一つには、WEリーグ参入に向けてプロ基準スタジアムの開催枠確保が求められる中で(ホームゲーム全体の80%以上)、その本気度を示したかったこと。
今回の開催だけで、上記の大きなハードルが超えられるわけでは決してありませんが、少なくとも地元のホームスタジアムが基準を満たしておらず、また行政を巻き込んでの増改築や新築の動きもすぐには難しい中で、民間企業とのパートナーシップといった「クラブによる独自の営業努力」によって解決策の一部分を示し実行することが大事でした。
現状課せられているWEリーグのスタジアム基準は、その高いハードルがあるからこそ、クラブと行政が一体となって越えていく、成長していくことができるという、極めて健全で重要な設定理由であるということは十二分に理解しています。
一方で、岡田武史さんのこちらの記事にも通じるものがありますが、やはりその土地、その地域、その行政ごとに状況が違う中で、そもそものハードルの相対値がクラブによって異なってしまっているのでは、という疑問を感じることも少なくありません。
それでもギブアップすることなく、あらゆる可能性を探り切り、実行に移すこと。口だけではなく実現すること。
我々のような本当に小さなクラブがその将来性や伸び代を外に訴える以上、こうした行動の積み重ねだけが唯一信用へと、そして期待値へと繋がっていくのではないかと考えています。
そして何より、世界では女子サッカーの試合に9万人が詰め掛ける時代の中で、大和シルフィードと、選手たちの未来に期待してもらいたかったこと。
5月28日のお席の設定は1階メインスタンドだけの開放ですので、「なんだガラガラじゃん」と思うかもしれないけど、一瞬でも「でももしかしたら、いつか、これが全部埋まる日が来るかもね」と思ってもらえたら、その瞬間に、その人はもうクラブのストーリーを一緒に創っていくスーパーファンだよな、と。
何万人という観客動員数ではなく、エンゲージメントの高いスーパーファンを一人一人増やしていくことがクラブの生存戦略なので、そのための機会として素晴らしい1日にできるのではないかと思っています。
当日は大人2,000円、子ども1,000円で当日券のみ、です。
招待券はほとんど発行していません。
お金を払って頂いて、その金額に見合うだけの価値を提供できるよう、選手も運営もアカデミーも、クラブが一丸となってやっていきます。
その上で、見合う価値がない状況や、不満、不備、気になる点などがあれば、遠慮なく、ぜひ教えてください。それが何より「次」につながります。
招待券で来て頂いて何事もなく楽しんで帰っていただくよりも、有料で来て頂いた上で具体的かつ熱のこもった不満点&改善点を教えて頂いた方が、今の我々にはよほど大切です。
5月28日が良い天気、良い気候になることを願って、
ぜひ日産スタジアムでお会いしましょう!
(プロの女子サッカークラブって、どうやってつくればいいんだろう。)