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音楽で振り返るもめんたりー・リリィ①

こんにちは、こじまです。縁あって2025冬アニメのGoHandsさま制作「もめんたりー・リリィ」のサウンドトラックを担当させていただきました。
本放送も始まりましたので、放送が終わった分の楽曲について書いていこうと思います。なかなかどうして、マニアックな内容で人を選ぶかもしれませんが、楽しんでいただけたら幸いです。

  • 先のお話のネタバレはしませんが、①なら1話、②なら2話までを観てから読んでいただくのが良いかと思います。

  • 時間表記は、アマプラ準拠です。

  • 基本的にはタイトルは便宜上のもので、公式のものではありません。(OP/EDは除く)

  • キャプ画像引用はあると記事が華やかにはなりますが、ホントはあまりよろしくないので無しです。

ではでは、どうぞお付き合いください。

0:00~ OP おいしいサバイバー/花冷え。


クリーンとグロウルを行ったり来たりするLow-Bのガールズラウドロック、とても良いですね。kawaiiとメタル/ラウドが接続されて結構立ちますが、邪神ちゃんドロップキックOPをSABLE HILLSが担当した事に続き、アニメ界でもこの2つはだいぶ地続きになったように実感します。女の子が巨大武器を持って戦うのと概念的には似たようなものなので、元々親和性は高いですよね。
歌詞は1/20時点では公開されていないのですが、結構しっかり作品に寄せていてとっても好感度高いです。実は私はもめリリ前は彼女らの事を知りませんでしたが、今後はリリースを追っていこうと思いました。


1:32~ 主要メンバーの鼻歌


メインPVにも使われた曲の鼻歌バージョン。
希望を感じさせる曲調&GoHandsらしいビート感、という内容の曲です。

ボンジュール鈴木さんとのコラボで、歌ありバージョンを作りました。


1:55~ 日常シーン①


この曲は割とソシャゲの日常シーンっぽいイメージで書きました。何気ないシーン用なので、あまり前に出てき過ぎず、GoHandsっぽくそこはかとなくビート感もあり…
先行試写会でも開演前BGMに使われていましたね。公開前は概ね日常アニメ風にふるまっていたので、そういう意味でもスタッフ間で日常用のBGMとして捉えられている曲だと思います。
アニメの劇伴は1曲1曲があまり長尺で使われる事は多くないですが、この曲はずっと聴いているとRhodes系のエレピで色々好き勝手に弾くパートが出てきたりします。中盤以降が使用される場面はあるのでしょうか…?


3:42~ バトルシーン/顔見せ


ワイルドハント/正体不明の機械敵との戦闘、メンバー毎の武器顔見せシーン。GoHandsのアニメはシリーズ冒頭に技術デモ的な(私的解釈ですが)たくさん動くシーンがしばしば出てくるのですが、それも兼ねていそうですね。
機械との戦い、という事でデジタル音をベースにしつつ、主要メンバー達が敵に立ち向かう高揚感を感じられる作風になりました。
えりかがミズガルズを展開するあたりで流れが止まるあたりが気に入ってます。
普通にメタルサウンドにしても良い曲調だったとも思うのですが、今作ではシュっとした感を強調したかったのでこういったハードめな曲でもギター無し縛りでやってみてます。(でも花冷え。さんを聴いて普通にギターでも作ってみたくなってる)

5:51~ バトルシーン/顔見せ②


のっけから長尺バトルなので流れを変えるバトルBGM②。4つ打ちの曲です。アンドヴァリ(主要メンバー達の巨大武器)がギミック/機械系なので、それらを駆使したSFっぽいサウンド、というオーダーから作りました。
文面でもやり取りや参考曲等から、90's~00'sの志向が強かったのもあり、モジュラーとかwave tableとかよりも1~2個前のサウンドの組み立て方しています。


7:20~ れんげ顔見せ


れんげの独白/世界観説明シーン。寒々しさと孤独感。
作曲段階では廃墟、という指定はあったものの、建造物がどれくらい崩れていて…のようなビジュアルイメージは無かったので、NieR:Automataくらいかな?と想像しながら作った事を覚えています。(同封の脚本をよく読んだら、建物は小型機械によって整備されていた)
でも建物だけキレイで人が誰もいない、というのも異質感があって良いですよね。


8:13~ 世界観説明


やさしい曲調なのですが、死が身近である・生は刹那的である、というような場面で主に使っていただいています。派手な曲ではないのですが、ある意味メインテーマのひとつ、と言って良いかもしれませんね。


10:14~ 日常シーン②


日常シーン①の延長上の雰囲気で、リズムを変えてもう少し動きのある感じ…わいわいがやがややってる感じの曲調になりました。


11:09~ 自己紹介


GoHandsらしいJazz-Hiphop枠として書きました。この曲が入ってるとGoHands!という感が強くなります。場面云々というより、単体曲として良いかんじを目指しました。自分としても書き慣れたジャンルではあるので気を衒わずにリラックスして書いています。ビートにかかったフィルターの質感や裏のシンセで、普通のJazz-Hiphopよりもややこの作品のカラーに寄せています。


14:02~ 急に饒舌になるれんげ


日常系でかわいくて且つ勢いのある曲、という位置づけ。次回予告で使われたりと、何かと汎用性の高い曲になりました。リズムが小気味よく素直な曲なので、私としても出来は気に入っています。
いくつも展開がある曲なのですが、けっこう色んな場面に散りばめて作っていただいてるので、別々の曲かと思ったら実は同じ曲だった…というのがあって、後々サントラが配信される事があったら探してみるのも面白いかもしれません。


14:43~ 廃墟3分割烹


コミカル系だったり、いわゆる”カッコ良い”、”感動的”から外れた曲を作るの大好きなので、作ってて一番たのしかったかもしれないです。デキ猫のお料理シーンもそうだったのですが、こういった時に必ずリファレンスとして挙がるのがキューピー3分クッキングなのですが、そこにあまり即さずに、でも言われてみたら確かに料理っぽい音楽だ、となるのを理想としてるのですが、
伝わってたら良いなぁ。


16:00~ 実食


れんげのテーマとして書いた曲。過剰な程に戯画化されたような人見知りの彼女ですが、芯が強く頑固で、料理の腕が良い事からものごとを追求する集中力もありそうです。それらから透明感+力強さの要素を持った曲になりました。
アクションにも日常に使える曲調…と想定して書いたのですが、料理をする事はれんげの本質に近いのでこの場面での使用となりました。
メロディがとても気に入ったので、後述の別曲でも引用しています。


17:33~ ゆりがれんげをはげます


ゆりのテーマとして書いた曲。転じてゆりとれんげ2人のテーマになっているように思います。押しが強すぎて暴走癖のある彼女ですが、本質的には結構色んな事を気にしていそうな気もするし、やっぱり何も考えてないかもしれない。でもそれによってれんげは後押しをされて成長をしていくわけですね。


19:00~ ワイルドハント


ワイルドハント(機械敵)の汎用BGMとして作りました。戦闘中はアッパーなBGMが多いので、接敵時に脅威を感じさせるイメージです。
ワイルドハントは機械と生物の中間のような嫌悪感のある見た目、と聞いたので、マブラヴのBETAみたいなやつかな?と想像しながら機械っぽいギリギリした音と声っぽいシンセとGoHandsっぽいビートを組み合わせて構成しました。けっこう気に入ってる曲。


19:22~ バトル-れんげ


00'sくらいのイメージでシンプルにカッコ良い曲の4つ打ちを作りました。方向性がシンプルなだけにあまり語る事がなかったりするのですが、思い入れが無いわけではなく、スッと完成に向かうのは当初のイメージが変質する前に仕上げられるのでとても良い事です。
こういう曲はやはりアクションと組み合わせるとグッと映えますよね。GoHandsさんはビートを起点BPMベースで作画を進めていくMAD的なスタイルだったと思うので、バトル用のBGMは特にキック・スネアをデカめにしました。


20:29~ メインテーマ


16:00~実食で流れているれんげのテーマのアレンジバージョン。でもこっちの方がメインっぽく仕上がりました。もめリリでは基本的にはギターを使っていないのですが、この曲はアコースティックギターで情感を強めに加えています。
作中では、ゆりの”よろしくね、れんげちゃん!”でしっかり展開合わせてもらった所がとても満足です。W'zの5話、コネクト戦でのBGMもばっちり噛み合わせてくれた所が最高だったのですが、
映像と音楽がしっかり連携取れている場面が一番うれしくなりますね。
(これは実はとても難しく、案外なかなかできる事ではなかったりします。)


以上となります。
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