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音楽で振り返るもめんたりー・リリィ②

こんにちは、こじまです。縁あって2025冬アニメのGoHandsさま制作「もめんたりー・リリィ」のサウンドトラックを担当させていただきました。
本放送も始まりましたので、放送が終わった分の楽曲について書いていこうと思います。今回は第2回になります。
→前回①
前回すでに紹介した楽曲は書ける事が少なくなりますが、前回のコピペでも面白くないので、改めて本放送を観ての私の感想だったりを書いていきます。

  • 先のお話のネタバレはしませんが、①なら1話、②なら2話までを観てから読んでいただくのが良いかと思います。

  • 時間表記は、アマプラ準拠です。

  • 基本的にはタイトルは便宜上のもので、公式のものではありません。(OP/EDは除く)

  • キャプ画像引用はあると記事が華やかにはなりますが、ホントはあまりよろしくないので無しです。

ではでは、どうぞお付き合いください。


0:06〜 わいわい日常②

武器紹介への導入を含めた、作品の世界観の一端の説明パートです。楽曲解説とは関係ないですが、主人公たちの武器アンドヴァリは、機械敵ワイルドハントから入手したものであり、敵からの攻撃の中和?、身体能力の強化等の効果があるようでした。
重要な説明ではありますが、彼女たちはあっけらかんとしたもので、のんびりとしたこちらの曲が使われています。

1:16〜 武器紹介

次回予告BGMがここでも使われています。この武器紹介の雰囲気もなんだかゲーム画面みたいですよね。ゲームっぽい曲を作ったのは私が勝手にやった事なのですが、案外GoHandsさん側の狙いとそう遠くなかったのかもしれません。
ここで武器たちの名称は”作戦上の必要性で便宜的に”委員長が名付けたらしい事がわかりましたね。初めに資料をいただいた時に「北欧神話ネームの武器はちょっと創作で使い古された感あるんじゃないかな?」と思ってしまったのですが、委員長の厨二が発動してしまった結果なのかもしれません。


3:16〜 OP

①にて解説。


4:50〜 スマホが手掛かりになりそう

れんげの持っていたスマホにより情報が入り、次の行動への導線になりました。状況が好転…とまではいかないけれど、やるべき事が示されただけでも元気が出る、ということで前向きなサウンドになっています。

6:20〜 迷い

①のれんげの独白/世界観説明シーンの延長上のサウンドです。登場人物の心情の揺れ動きにフォーカスした内容になっています。アレンジとしては状況の過酷さを匂わせる、寒々しい/硬質な音色で構成しています。
主人公チームの中でも、先に進もう/ここに留まった方が…で意思を統一しきれていないようでした。ここに留まっていれば、表面的には1話のようにわいわいがやがやしていられますが、食料の問題で状況はジリ貧です。
れんげの加入によって突破口は開けましたが、えりかは不安な様子。


8:33〜 ピアノ


センチメンタルな回想シーンを想像して作りました。この場面では、ゆりがはぐれてしまった友人の事をれんげに打ち明けます。
れんげがゆりに、友達を見つけるのに協力します!と力強く言ってあげるあたりで、コードが少し明るく上向きになります。
非常に細かい点で、全く気にしなくても観られる点ではありますが、こういったリンクがあると作家としては楽しくなります。


10:03〜 

わいわいがやがや系とも違うけれど、何かこれからの事に前向きになってるイメージです。この場面ではチラ見せ程度の尺。
GoHandsさんは、割と短いシーンにもBGMをぶっこむ癖があるように思います。結構好き嫌いが分かれるところかもしれません。
私は、ソシャゲでさくさくメッセージスキップしていったらBGMが一瞬で切り替わっていった体験を思い出して、少しふふっとなります。


10:17〜 割烹の出番ですね!

コミカル枠です。ビッグバンド系のオーケストラヒットとか、ぴよぴよしたシンセで馬鹿馬鹿しさを出しています。①では、今作ではあまりギターを使用していない旨を書きましたが、この曲ではしっかりカッティングが入っていますね。これがあると、お洒落めなジャンルでもクールになり過ぎず楽しげな雰囲気が加わります。
わちゃわちゃ騒いでる感じを出そうとした結果、FF10-2の雰囲気に影響を受けているような気がします。


10:45〜 廃墟3分割烹


①にて解説。
トマトリゾット美味しそうですよね。オイルサーディンがあればストレートにイタリアンな感じですが、サバイバル中なので手に入り易さも重要ですね。

11:32〜 先に進むと決心

シンプルなやさしい雰囲気にしました。ピアノとヴィオラをメインにしています。ヴィオラはヴァイオリンに比べて半歩後ろに下がったような柔らかい雰囲気を出しやすく(生演奏であればプレイヤー次第でコントロールできるところなのですが)、ソフトウェアではニュアンスを出しやすく感じます。

みんながゆりの為にも先に進む決心をしました。それを受けてのゆりの暖かい気持ちを表している…という使い方だと思います。


12:15〜 ボス戦

ワイルドハントの中でも強敵と相対する際の緊迫感と脅威度を表現しています。①でも買いたように、バトル中はアッパーな曲が多いので、その前の接敵時に使用されています。この曲も主に機械のような音と声っぽいシンセとビートで構成していますが、より激しいものとなっています。


13:56〜 攻撃開始だ!

一気呵成に畳み掛ける時の曲。オーダーには、シリアスになり過ぎず、多少ドタバタしていたりギャグっぽくなっても構わない、とありました。
主人公チームは(設定を具体的に見た訳ではないですが)攻撃力に対して防御力はそれ程でもなさそうなので、先手必勝で短期決戦が基本となります。多分。そういう状況の、派手な攻撃エフェクトがたくさん飛び交っていそうな戦闘BGM、というイメージで作りました。これも何とも発想がゲーム的ですが、もめリリのバトルシーンのキャラボイスが聴き取りきれないくらい飛び交ったり必殺技バンクが入ったりする感じもゲームっぽいので、またしても遠からずだったかもしれません。
私の勝手な趣味で、リード楽器は打ち込みよりもキーボーディストがライブ演奏している感じにしました。アクションの躍動感にマッチしていたのでホっとしました。


16:20〜 ワイルドハント

①にて解説。今話ではバトルシーンにて使われていますが、主人公側が攻めに転じられない圧迫感があります。この曲自体は淡々としているのですが、この場面のえりかが迫真なのでバランスが取れていると思います。


17:45〜 絶望的状況


ここも単体で聴くとそんなに絶望的な曲調でもないのですが、演技との相乗効果で場面が出来上がっています。今作ではビートものを多く作りましたが、劇伴の本来の立ち位置はこちらかもしれませんね。
呑気に解説している状況ではありませんが、作家としては興味深いシーンです。


18:58〜 ゆり&れんげ登場

ゆりのテーマ。スカした所の無い、メロディもコードもリズムも音色もストレートでパワーポップ的な曲で、主人公らしい仕上がりです。
(逆にれんげのテーマの方は、あまりストレートさのない、主人公らしくない曲調)
この曲は最初期に作った曲なのですが、後からslowなピアノバージョンの方を作る事になりました。短い間ですがゆりがれんげに与えた影響は大きく、それ故そちらはゆりとれんげ2人のテーマのような立ち位置になっています。

19:53〜 メインテーマ


1話冒頭で鼻歌バージョンは出てきましたが、原曲は本編初。メインPVにも使われたので、そちらで耳にした方もいるかもしれませんね。
個人よりも、主人公チーム全体のテーマ曲、のような位置づけだと思います。癖なくメロディ重視のつくりにしました。

ボンジュール鈴木さんとのコラボで作った歌ありバージョンのタイトルは『光射す場所で』。こちらは本編では使用されないスピンオフのような作品ですが、本編の世界観の補助線となればと思います。


21:13〜 2話アウトロ


①にて解説から引用。
やさしい曲調なのですが、死が身近である・生は刹那的である、というような場面で主に使っていただいています。派手な曲ではないのですが、ある意味メインテーマのひとつ、と言って良いかもしれませんね。

以上となります。2話までで結構な曲数が登場しました。新規の解説は少なくなるかもしれませんが、3話以降も続けていけたらと思います。ではでは

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