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Colorful日記

私は安室奈美恵「Hero」の作者である。と同時に、Little Glee Monster「ECHO」の作者であり、2021年東京オリンピック/パラリンピック・コカコーラ社のテーマソング「Colorful」の作者でもある。(註: HeroはSUNNY BOY、ColorfulはUTA・SUNNY BOY・JUNと共著)

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色々なレコーディングやプロジェクトにお声かけいただく機会があるが、特に上記の3曲は私の中でも「応援歌〜3部作」と呼べる気がする。

何故だか私は人に会うと「元気をもらえる」とか「やる気が出た」などと言われることが多い。今までの私の人生が山あり谷あり(実は少し谷多め)ゆえか、はたまた人生もそこそこ折り返しを過ぎたりして、どうやら人の気持ちになって考える習慣が身に備わって来たようだ。(ちなみに映画鑑賞や結婚式への参列などは、あらゆる登場人物に感情移入しすぎて心が大変ざわつくのである)

今回このような手記を残そうと思ったのは、「Colorful」という楽曲を作るに当たりどんな道のりを経て来たかを少しでもその背景とともに皆さまに共有し、私たちが、そして楽曲が伝えたかったことを知っていただく機会になれば...と考えた次第である。


【目次】

①楽曲が出来上がるだけでもなかなか大変なのである
②閑話休題〜2017年頃のお話(Colorful占い)
③コロナになって自分はどのように過ごしたのか?
④コロナを経て…新解釈!?「Colorful〜2021」


*

①楽曲が出来上がるだけでもなかなか大変なのである

HeroやECHOといった、“非常に大きなマスを意識した応援歌“ というものには、いくつか特徴的な切り口があります。

・勝負を目の前にした選手たちの目線の投影(努力やトレーニング/勝敗のその先にあるもの...)
・試合というものは必ず敗者の方が多く、死力を尽くしたその選手/チームをも讃える視点
・その大会や出場選手/チームとアーティストとの共通点を見出す(コンセプトやメタファーなど作品を生み出す上で重要)
・アーティストが本来持っているファンよりも、さらに幅広い人々に聴かれる機会が多い(ジャンルも年齢層もより幅広に)


…他にもきっと色々あるかとは思います。例えばそのスポーツや大会自体に想起される音や、フィロソフィーに沿ったキーワードなどのイメージがあれば、それを投影した音楽性が必要だったりするかも知れない、など。


この楽曲は、2019年6月にオファーを受け、7月に書き始められました。

私がオファーを知った日は、2019年6月6日。偶然友人のコカコーラジャパン社長・ホルヘ氏を訪ねて、青山のコカコーラのオフィスへお邪魔しているさ中、時をまったく同じくして別の場所で私ども音楽家チームTinyVoiceの副社長・柴田君が代理店を通じて受電して知ることとなります。コカコーラ社にお邪魔した私には告げられなかったので、色々みなさん情報統制してたのでしょうねぇ。。(涙)


コカコーラ社とTinyVoiceには、なかなか縁深い作品群が多く、またコカコーラ社とのプロジェクトでは無いですが2003年に私がプロデュースした「Voice of Love」というプロジェクトでの知見も、今回のColorfulの制作に於いて大変役立つこととなりました。

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【Bennie K・dreamland】(Mine-Changプロデュース) 2005年コカコーラCMソング
https://www.youtube.com/watch?v=8e5-XC-8rVU

【K’NAAN with AI・Waivin’Flag】(UTAプロデュース)2010年南アフリカW杯コカコーラキャンペーンソング
https://www.youtube.com/watch?v=YOP7LhpFwaA

【加藤ミリヤ・HEART BEAT】(Manaboonプロデュース)2012年ロンドンオリンピック コカコーラキャンペーンソング
https://www.youtube.com/watch?v=R55WncwkARY

【AI・ハピネス】(UTAプロデュース)2011年〜コカコーラCMソング
https://www.youtube.com/watch?v=uKgmu8g-kXE

【Voice of Love Posse・Voice of Love ~ 上を向いて歩こう】
https://www.youtube.com/watch?v=6v8y7x3r1XU


コカコーラの様々なスタッフさんとブレストしていく中で、彼らの社是・オリンピック/パラリンピックとの関わり・今回のコンセプト・今日までの活動...など沢山の想いや情報をインプットされました。

数々のインプットを受け、2019年7月から作曲作業にとりかかります。最初にオファーを受けた時点で「複数のアーティストがマイクリレー的に歌い継ぎ1曲を完成させる」というコンセプトは決まっていました。


先ずはどのように作業に取り掛かるかというと…

【A】過去のオリンピックの栄光の瞬間の映像を繋ぎ合わせたものや、1920年台からスポンサー企業という長い歴史を持つコカコーラ社ゆえ所有されている歴史的映像などを ”無音で“ プレイバックし続ける
 ↓
【B】それに見合うコード感・テンポ感を見出しつつ...
 ↓
【C】歌詞やコンセプト…などを妄想...


...この【A】〜【C】を延々と繰り返しながら、メモがわりに音符や言葉をMacBookに打ち込んでいきました。


さて、今回のプロジェクトで通常のお仕事と違った珍しい点があります。こう言った「大きなマス」を対象としたプロジェクトでは、大抵アーティストの選出が先んじて行われるものです。そのアーティストに合わせて、楽曲が発注されていく…。シンガーソングライターにその矛先が向かった際には、私どものような職業作曲家には出番すらありません。

このColorfulプロジェクトでは、「プロデューサーへ先に任命・着任のご依頼」を頂いたことでした。(競合チェックや共演NG、コカコーラサイドからリクエストされるダイバーシティー・その中にあって国内/海外アーティストの割合などなど、オーダーも色々と繊細なものなのです)


こう言ったキャスティングの際は、企業のブランディングの維持向上やリスク管理が常に行われており、いわゆる「スクリーニング」が行われます。当然今回の私も含め、今まで過去のさまざまなプロジェクトやアーティストに対しても入念な調査やチェックをされているはずです。米国企業ゆえ、政治的な発言は(冒涜や暴力的な過激なものでなければ)個人の思想にも関わるので許容されるとか。何はともあれ、過去のSNSや記事やインタビューなど多岐に渡りチェックするようです。...ですので、私たちにオファーがあった時点よりもだいぶ以前から一挙手一投足をウォッチされていたのかもしれません(汗)


2019年後半は私にとって激動の半年間でした。2018年後半にGigi(株)というスタートアップを立ち上げ、「ごちめし」というフードテックAppのローンチ(2019年10月31日)に向けた追い込みや、初の書籍「さよならヒット曲」(2019年10月28日上梓 https://amzn.to/3rK8xJR )出版への準備も重なり、スケジュールは殺人的なものとなって行きました。(その節は Gigiのみんな、ぴあ出版社&ワタナベエンターテイメントの皆さま、壮絶なスケジュールのなか数々の調整など本当にありがとうございました。また、書籍の企画段階からご一緒して頂いたにも関わらず、発売日を待たずに他界されたぴあ元編集長の大澤様、本当にお悔やみと御礼申し上げます)

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典型的な一日を切り取ると、作曲は大体朝の4:30~8:30、9:00からは書籍の執筆/校正、11:00~午後までは日々なにがしかのミーティングがはいり、その後レコーディング、その後アプリ関連事業のzoom打ち合わせや取材など、19:00~は会食も多く、またコロナ前でしたので夜な夜な飲みに出る機会も多々ありました。会食から帰宅次第、再び原稿の修正や企画書や資料作り、楽曲のアレンジや歌詞へのフィードバックに対する修正が深夜まで...こんな毎日が半年以上続きました。

どんなに私なりにベストを尽くしているつもりでも、時間は冷酷に日々刻々と過ぎて行きます。


Colorfulが生まれる経緯に於いても、それとは全く違うタイプの楽曲を3曲制作したり、またそれぞれに数十ver.にも達するパターンを作成し、またアレンジに煮詰まってはUTAの手を借り、作詞でつまずいてはJUNSUNNYの力を借り…。また社内のプロジェクトマネージャーとして柴田・高田 両名の深夜にまで渡る数々の打ち合わせや調整…、私たち制作陣としてもいわば ”Team TinyVoice” 状態で取り組みました。

そもそもこういった ”マイクリレー” のようなタイプの曲は、参加・歌唱アーティストが決定しないうちから曲作りがはじまります。またアーティストが決まっていないからこそ、そして男女などキーのレンジの異なるシンガーがどのパートにアサインされるかも見えないゆえ、「本当にキーはコレで大丈夫なのかなぁ...!?」とか「英語歌詞はどれくらい用意しておいたら良いのか!?」など、沢山の未確定要素(つまりは不安)を残したまま進行していくことも特徴です。(この辺りも前出のVoice of Loveという企画での経験は、大変役に立ったと言えます)


そんな中でも、各参加ご依頼アーティストとそのレーベルや関係者の皆さまとのお打ち合わせ・顔合わせ、またコカコーラ社や電通やユニバーサルミュージックの皆さまとの多数のブレストやミーティングもどんどん進んで行きます。またこれ程のメンバーの方々と私や撮影メンバー・スタジオのスケジュール調整ときたら、それはそれは中々の捌きが必要です。時には韓国に、時にはLAに渡りRec.とシューティングをして...どこまで作業してもなかなか作業の終わりが見えてきません。


…とはいえ皆さまの努力の甲斐あって、最終的には、以下の 14組 / 21人による大団円でレコーディング&ご本人撮影を終えたのは、2020年の2月上旬となりました。


【Team Coca-Cola "Colorful"ご参加の皆さま】

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・AIちゃん https://www.instagram.com/officialai/?hl=ja
いつもAIちゃんの笑顔と歌声に癒されてます。付き合い長くなったけど、Voice of Love以来こう言った大人数で歌う楽曲でもまた一緒できて本当に嬉しいです。ありがとう!

・秦 基博さん https://www.instagram.com/hata_motohiro_official/?hl=ja
声も歌も大好きな秦さん。初めての共演、そしてシンガーソングライターであるが故に、他人が書いた曲は歌いづらかったですよね...すみません!でも自分が書いたメロディを秦さんに歌って頂いたことは一生の思い出です!

・Little Glee Monster https://www.instagram.com/littlegleemonster_official/?hl=ja
AIちゃんと並んでコカコーラを代表するキャラクターの登場...ということで、改めて5人のコーラスの美しさを実感。ECHOに続き、最高な応援歌でご一緒できたことも嬉しかったです。

・三浦大知くん https://www.instagram.com/daichimiura824/?hl=ja
大知ともずいぶんと知り合ってから長い時間が経ちました。本当に歌手として踊り手として表現者として、完璧を目指す姿にいつも感銘を受けてます。これからもよろしくね。

・Perfume https://www.instagram.com/prfm_official/?hl=ja
今回の共演ご依頼のなかでも、参加OKの返事を頂戴したときに、思わず「マジで!?」と声に出たほど、最も意外かつ嬉しかったPerfumeさん。AutoTune声じゃない生っぽい3人の声も素敵でした♪

・テミン(SHINee)くん https://www.instagram.com/lm_____ltm/?hl=ja
超人気ゆえ超多忙なテミンくん。オファーのOKを頂いてからも一番スケジュール調整が大変だったのを思い出します。韓国まで2回ほど収録にお邪魔しました。SMエンターテイメントのオフィス&スタジオも素晴らしかった。再会楽しみにしています!

・MIYAVIくん https://www.instagram.com/miyavi_ishihara/?hl=ja
皆さま楽曲お聴きいただいたかと思いますが、このMIYAVIくんのギターの存在感よ... ボーカル陣以上に歌ってますね、彼のギターは。カッコよかったなぁ〜。LAでもまたキャッチアップしましょうね。

・Nasty Cさん https://www.instagram.com/nasty_csa/?hl=ja
南アフリカ出身/HIP HOPの聖地アメリカでも今やすっかりメジャーな彼。ちょうど来日した際の寸暇をねらってスタジオにお越しいただきました。厳つい感じの方がいらっしゃるかと思ってたら笑顔が優しい彼が現れてほっとした私でした。(むしろ周囲のスタッフさんの方がイカつい感じでした!...ですが、しゃべったら皆んないい人でしたw)

・Sabrina Carpenterさん https://www.instagram.com/sabrinacarpenter/?hl=ja
LAまで収録に行ってシューティングとレコーディング。さすが映像の聖地ハリウッドでの撮影は、ケータリングからスタッフのコントロールまで超一流。アナ雪2のテーマ曲を歌った彼女ですが、instaフォロワー数はなんと 2369万人...桁違いです。そしてとっても可憐な方でした。

・Ayumu Imazuくん https://www.instagram.com/ayumu_imazu/?hl=ja
私的にも世間的にも注目のZ世代の旗手(と私は思っている)今津渉くん。踊りに・振り付けに・歌に・作曲/作詞に・ギターやピアノ演奏に、そして更には英語もペラペラ。あぁ、この新世代が羨ましい!次の作品も楽しみですね!

・Blue Vintage https://www.instagram.com/bluevintage_official/?hl=ja
JUNとTaigaの二人組ユニット。普段は海感溢れるサウンドで勝負する彼らも、この企画に参加してくれました。他のアーティストの方々同様、昨年・今年の(特に勝負どきの)夏をほとんどライブ出来ずに過ごした彼ら(泣)こちらも注目のアーティストです!

・Mizkiさん https://www.instagram.com/_.mizki._/?hl=ja
今回スタジオで初めてお会いしたMizkiさん。なんと上記Sabrina Carpenterさんと同様にアナ雪2(日本語ver.)を歌唱していた彼女。意外な繋がりですね!まだお若いのに本当に力強いボーカル。これからが本当に楽しみですね!

・さなりくん https://www.instagram.com/sanaridayo17/?hl=ja
個人的にどうしても今回ご参加いただきたかったさなりくん。色んな事情でバースでRapさせてあげられなかったのがどうしても心残り...。今度なにか別のプロジェクトで曲作りなどご一緒させてね!本当にご参加ありがとうございます。

・佐藤竹善さん (Sing Like Talking)https://twitter.com/ChikuzenSato
はい、来ましたレジェンド!まだ日本が経済的に最強だった1987年、竹善さんの「I feel coke~」の歌声は全国に轟いてました。キラキラしてたなぁ...(遠い目)今でも現役バリバリの歌唱力に、スタジオスタッフみな大変盛り上がっておりました。ありがとうございました!!

…さてさて。歌唱の録音は終われど、録り終わったボーカルをミックスしたり、編集したり...作業はまだまだ続きます。もちろんマスタリングや、映像チームの制作も残っています。歌い手以外のエキストラさんや多国籍キャストのスタジオ収録やロケ撮影・編集などなど。須藤カンジ監督・MVチームの皆さま、本当にお疲れ様でした!!...あ、打ち上げ結局まだやれてませんね(泣)


このようにして、アーティスト並びに関係各位のお力添えを得て2021年7月19日遂に「Colorful」はリリースされました。お陰様で、とてもチカラある楽曲に仕上がりました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。ありがとうございました!

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当初は歴史に残る2020年 東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツを通じて通い合う心や魂の結びつきを躍動感ある音楽に乗せてお届けしたい、という想いで制作されました。しかし、皆様ご承知の通り「コロナ」は、楽曲の完成とほぼ同時期に世界を覆い尽くそうとしていました。


②閑話休題〜2017年頃のお話(Colorful占い)

2017年の初頭だったかな?(もう忘れてしまいましたが...)とある日に母と会話していたら、知り合いでちょっとスピリチュアルな占い師さん(?)からこんなことを言われたのだ、と。

「今井さんのお子さん、オリンピックのお仕事とかしてるでしょ?(安室奈美恵ちゃんの「Hero」のことを指してると思われる)ちょっとお耳に入れておいた方が良いかと思って…」

…とミステリアスなお言葉。なんでもその方がおっしゃるにはどうやら、

・2020年にはオリンピックは開催されない
・しかしながら中止ではなく延期である
・理由としては、戦争/紛争・自然災害では無い何か別の事由

...なのだと。これを私が耳にしたのは2017年。当時の記憶をよく覚えていますが、その時分は「戦争や災害以外でオリンピック延期(中止)なんて事態は流石にあり得ないだろ〜!」と完全に聞き流しておりました。


それとは別に、そんな話をすっかり忘れていた2019年の夏の終わり頃。私の友人でとある上場企業の社長さんが、「りょーちゃん占いとか全然信じないの知ってるけど、自分が大きな経営判断で悩んだ際に(もちろんエビデンスや分析ベースでの判断はしているけれども)必ずご意見を伺う占いの先生がいて。で、今ちょうど中国から来てるから一緒行かへん?」というお誘いを受けました。これもまぁそこまで本気にすることはなくとも、興味とお付き合い感覚でお邪魔してみました。

新宿区のとある場所へお伺いして、先生とご対面。名前や生年月日など諸々お伝えなどしました。で、その先生曰く…「あなたは2021年に人生でも指折り数えるほどの大ヒット曲を生み出すでしょう。2020年ではないです。」でした。

先生にお会いした2019年 夏の終わり頃...といえば、実はもう楽曲Colorfulの楽曲制作の真っ只中。大きなプロジェクトですし、ヒット曲って2020年のことじゃないの!?…と何度も頭を巡りましたが、(もちろん守秘義務ありプロジェクトの中身はお伝えしないまでも)先生曰くやはり2021年とのこと。能天気な私は、「(ほぉほぉ、2020年のコカコーラ・オリンピック楽曲の後にもそんな大層な曲を私は2021年に書き上げるのだな!?)」などと内心ほくそ笑んでおりました。


そんなこんなで、年も明けて2020年・オリンピックイヤーの幕開けです。と同時に、ちらほら報道に乗って漏れ聞こえてくるコロナ情報に、私の頭は「・・・・!?」と何かを思い出すのです。


そう、2017年と2019年の2度に渡る占い師さんからの言葉…。この思いは、4月頃になると確信に変わってきました。私が周囲に「中止はないけど、来年に延期なんじゃないか!?」とやたらと周囲に漏らしていたのは、こんな背景もあったわけです。

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③コロナになって、自分はどのように過ごしたのか?


私が音楽以外に「ごちめし」「さきめし」と言ったフードテックサービスのIT / ベンチャー企業を切り盛りしていることは、まだあまり知られていない事かと思います。おかげでこちらのITサービス側で商談した各社の面々は、当社Gigi(株)の代表「今井了介」をググると、同姓同名の音楽家しか出てこないのだが、お宅の社長は何者なの?...的ご質問を多数受けることになりました。(どうやら皆さん、飲食/IT・web/コンサル業界いずれかのキャリアを持つような人物像を想像されていたようでした...)


このサービスは、飲食店のお食事をアプリ/webを通じて事前に購入 → お店には先に着金・スマホ上の電子チケット(webリンク)をギフトとして人に贈れて、受けとったお相手はご自身のタイミングでお食事を召し上がりに行く...という仕組みのサービス。つまりは2018年の開発段階から既に「お店に先に払って、お客が後で行く」という仕組みの開発に着手していたことになります。

それをこのコロナ禍における飲食店支援として、自分のお気に入りや贔屓にしている店に応援の意味で”先払い”してお店の支援をしようじゃないか、という「さきめし」プロジェクトがスタートしました。2021年3月9日のことでした。

「共創」という概念に、より意識が向かったのもこの時期だったかと思います。それもそのはず。そもそもこのようなアプリを作ろうと思い立った最初のきっかけは、2011年の東日本大震災の際でした。私は当時TEEの「ベイビー・アイラブユー」という楽曲のヒットを受け意気揚々と2011年を迎えていましたが、そんなさなか震災は起こります。音楽で誰かを元気づけたくても、緊急の非常事態の際には音楽やエンタメは無力です。

それもそのはず、音楽ではお腹もいっぱいにならないし、冷たいご飯をあたためられないし、津波で流された車など移動手段の代わりにもならないし、家のように寒さも防げない。つまりは、大変無力さを感じたわけです。そんな経緯もあって、何か衣食住にまつわるような、温かい世界観をもったプラットフォームを作りたいと考えるようになりました。

結果「さきめし」は、総流通額5億円、また日本ギフト大賞やACCブロンズ賞、グッドデザイン賞BEST100グッドフォーカス賞を受賞、Gigiの役員の一人はForbesアジアU30アントレプレナーにも選出され、メディア掲載も広告換算で8億円相当...と、大変注目を浴びることとなりました。

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ちなみに、コロナ以前の予定では、2020年4月には、コカコーラ本社(アメリカ・アトランタ)への表敬訪問や本社社長との野球観戦(なんとATLからLAへ観戦のためにプライベートジェットご用意頂いてたとか無かったとか...)など、曲が仕上がった暁には沢山の楽しみが控えていましたが、そんなご褒美Tripも全て無になったのでした(泣)

今思えばなんと能天気な!...ですね。。。


話を戻しまして。そんなコロナ禍における飲食店支援をしつつも、もちろん音楽家としての仕事も継続して行っておりました。「上を向いて〜Dance of Hopeプロジェクト」では宮本亜門さんと共に楽曲制作(歌唱してくれたDA PUMPとのISSAとも久々に会話する機会となりました)や、意外なところでは 島津亜矢さんへ楽曲提供したり、リトグリさんがTBS系 音楽番組「音楽の日」にて「Hero」を歌唱する際に、人生初のTV生放送でピアノ演奏をしたり、同じくリトグリさん x ユニクロのクリスマスキャンペーンのProd.をしたり…。

でも心のどこかでは、オリンピック開催はやはり厳しいのかなぁ...とか、諸外国のワクチン摂取率の高さや国が無料化しているPCR検査などを横目で見ながら、進まぬ自国内でのコロナ対策やアスリート/選手の皆さまの健康、そして(私ごとゆえ不謹慎かもしれませんが→)楽曲「Colorful」の行方をずっと心配しながら過ごす毎日でした。


④コロナを経て...新解釈!?「Colorful〜2021」

さて、本当に色々な出来事を経つつもオリンピックは開催されることになり、2020年2月には実は仕上がっていたこの「Colorful」も、遂には2021年7月19日にリリースされ陽の目をみることになります。1年という歳月をコロナと共に過ごしてみれば、自ずと楽曲や歌詞自体は変わらずともさまざまな新解釈が生まれるのでは...と考えるようになりました。もちろん歌詞の解釈というのは個人の自由ですし、自分で作っておいて何ですが2年前に書いた時点とは少し違う切り口で読めてしまうところを敢えて新しい観点で記してみたいと思った次第です。


元来は、” ONE DREAM, ONE TEAM ” …人種や性別・世代や国境を超えて全ての人々に向けて絆を感じる瞬間を描いた曲でした。特にスポーツを通じて。


【Colorful歌詞】

・目には見えないものが 
  (コロナは目に見えないのです..)
・絆をつないで届くはず
  (それによって「奪い合う」よりも「与え合う」という絆が生まれたのではなかろうか!?)
・瞳の色も国も交わす言葉も超えて どんなに離れていても 心の色が見える
  (会えなくなった遠い家族や友人に対し、距離を超えた繋がりを再認識したのではないでしょうか?)
・君と世界を分かり合えるさ   
  (そうですね、今ならもっと世界や人を理解できるかも...)
・歩き出そうと 手を取りあって目指せ 
  (強制的にやってきた未来・新世界/ニューノーマルを目指すのでしょうか!?)
・One dream, one team, Together we will  be as one
  (そうです!ラグビーW杯でもOne Teamというワードが沢山聞かれましたが、このコロナ禍/アフターコロナこそ必要な気持ちですよね!)

...曲というものは、作曲当初は作者や演者のモノであったとしても、沢山の方々に愛され聴かれていくうちに、作った人以上に聴き込むリスナーやファンがあらわれ、新しい解釈が沢山生まれていきます。そうして、だんだんと皆んなのモノになっていくのだと感じるのです。

安室さんの「Hero」やTEEの「ベイビー・アイラブユー」は、まさにそう言った楽曲であったのでは、と確信しています。

元来は、聖火リレーの行われた各地でイベントが企画されており、この曲を地元のブラスバンドやバンド・合唱によるカバー演奏や、ダンスのパフォーマンスなど様々なや演出が予定されていました。そういったダンス・ブラスバンド・ハワイアン等々の別バージョンの制作/レコーディングや譜面チェックなど、多岐に渡り2019年中に準備を重ねてきました。残念ながら学生さんや演奏家、ダンサーの皆さまの想い届かず、発表できなかったりパフォーマンスをキャンセルせざるを得ない状況に於かれ沈んだ気持ちになった方々が沢山いらっしゃったかと思います。そういった皆さまの想いもどこか背負って、この曲が沢山の方の胸の中に残っていけたらと願っております。

今後、この楽曲がどのように広まっていくかは全く予想ができません。しかし、コロナによって楽曲のお披露目が待たれる間、言うまでもなく世界中の人々の価値観や行動は大きな変化を余儀なくされました。拝金的でキャピタリズム至上な「奪い合う “競争”」の時代は終わり、「与え合う “共創”」の時代を迎えていることは明らかで、言うまでもなくこの「共に創る」精神は、生来人間の心に宿されているものです。

今まさに私たちは、アフターコロナという新時代を迎えようとしています。

この「競争」から「共創」の時代へ移り変わっていく2021年において、この曲を通じてこの新しい時代を生き抜く元気や勇気を、コロナ禍で心を痛めた皆さま・選手の皆さまに少しでもお届けできましたら幸いです。

今井了介 (TinyVoice,Production)


【Colorful】
音楽配信:https://lnk.to/Colorfultcc
ミュージックビデオ:https://youtu.be/2oGy6q3T9x8

【チーム コカ・コーラ公式チャンネル】
https://team.cocacola.jp/
https://twitter.com/teamcocacola
https://www.instagram.com/teamcocacola/
https://www.youtube.com/teamcocacola


【今井了介 SNS】
instgram:https://www.instagram.com/ryosukeimai/
twitter:https://twitter.com/ryosukeimai


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