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長く物書きを続けている人だけが知っている対編集者攻略の4つの秘密
「そんなに特徴があるわけではないのに、つい行ってしまう定食屋」
「困ったときに、なぜか思い浮かぶ人」
「何となく付き合って10年に付き合いになる間柄」
飲食店であれば特に美味しいわけではない。人であれば抜きんでて仕事ができるわけではない。でも「ついつい」「なぜか」などの言葉がぴったりのお店や人との付き合いがあるものです。
誰にでも存在する、この「つい」の秘密ですが、実は編集者にも存在します。
そして私はこの秘密を意図的に使い、普通のサラリーマンなのに、ビジネス書を9冊、メディア露出は50回以上、大手ネットメディアの寄稿は100本を超えることができました。
そこで今回は、長く物書きを続けている人が身につけている「ついの秘密」についてお話ししたいと思います。
■ついついの理由は「巧い」にあり
物書きはもちろん、定食屋において重要なのは「うまさ」です。でもこのうまさ、実はいろんな種類のうまさが存在します。
物書きや仕事:うまい=上手い ⇒仕事ができる
定食屋:うまい=美味い ⇒おいしい
このように潜在的に相手に求めるもので「うまい」となるとリピートしたくなります。
でも実はもうひとつ、すべてに共通する「うまい」が存在します。それは「巧い」です。
仕事ができる訳ではない、料理が特段おいしいわけでもない。でもコミュニケーションの進め方が巧みなため、何だか居心地が良くなり、想像以上の長さで関係が続いてしまう。
これが巧いの強みです。そしてなぜか凡才なのに、10年以上物書きの仕事が続く人はみなこの巧さを身につけています。
もしあなたが凡人ならば、ぜひこの巧さで勝負することをオススメします。
私は15年以上物書きを続けていますが、正直このスキルだけで声を掛けられ続けています。次から対編集者攻略の4つの巧いを細かく説明します。物書きはもちろん、日常の仕事でうまくいっていない人にも役立ちますので、ぜひ参考にしてみてください。
■編集者が喜ぶ巧さ①「約束を守る」
人として当たり前のことなのですが、残念ながら約束を破る人は案外多いのが現実です。特に物書きは原稿さえ面白ければ、スケジュールが遅れても問題ないと考えている勘違い作家が多数います。そんな状況のため、あなたがきちんと約束を守るだけで周囲からの評価をぐんと上げることができます。この法則を熟知している作家は、わざと少し先の納期で約束をしておいて、「早くできました」と、約束よりも早く納品して信用を稼いでいる人もいるくらいです。「約束をきちんと守る」は巧さの鉄則です。
■編集者が喜ぶ巧さ②「できないといわない」
誰かがあなたに仕事を頼むのは、究極的には「助けてほしい」という願望のためです。それにも関わらず「できない」と言ったら、もう頼もうとは思いませんよね。だからこそ仕事を頼まれたら必ず「わかりました」と引き受けてください。俳優やイラストレーターで有名なリリー・フランキーさんは「断るなんてもったいない。仕事は引き受けてから、そのあとに慌てて勉強する」とおっしゃっています。でもどうしても不安な時もありますよね。そんな時は「〇〇はできませんが、××ならできます」と話してみてください。これであれば、あなたが苦手なことは回避でき、また相手もそれならば××を頼みますなどと、お互いの中間に歩み寄ることができます。
■編集者が喜ぶ巧さ③「すぐにつながる」
「うまい・早い・安い」という牛丼チェーンの吉野家のキャッチフレーズがあるように、物の重要な価値のひとつに「早い」というものがあります。編集者にとっても、この早さはとても重要です。特に新聞や雑誌など、毎日締切りに追われている編集者には超重要。だからこそ「何かを頼みたいときに連絡がすぐにつながる」というだけで価値が生まれます。メールの返信は遅くとも2時間以内・電話は必ず折り返す・SNSをほぼリアルタイムで見ているなどは、他人と差別化できる重要な巧さです。
■編集者が喜ぶ巧さ④「引き出しの多さを見せる工夫」
「どうせ頼むならネタが多い人が良い」と、どんな編集者でも思っています。でも編集者は忙しいもの。あなたが「ネタがある」とアピールしたくても、改めてそれを説明する時間は取ってもらえません。そこでオススメなのが単発の仕事をもらったときに、「そういえばこんな企画も作れるので“ついでに〇〇も考えてみました”」と追加提案する工夫です。たとえば働き方改革を軸とした単発のコラムの依頼を受けたとしたら、そのコラムを納品する際に他の切り口で作った連載企画テーマを10本提出するなどのイメージです。実際、採用することがなかったとしても編集者には「ネタが豊富な巧い人」という印象が残り、別の仕事に繋がりやすくなります。
■まとめ
仕事は上手いだけが、長く仕事が続く理由ではありません。コミュニケーションが巧いというのも重要な方法となります。どんな人でも居心地の良い人と仕事がしたいもの。それは編集者でも同じです。あなたが心地よいコミュニケーションを仕掛ければ、相手もあなたを放っていきません。ぜひ巧さを身につけて、あなたも息の長い物書きになってください。
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