3期目にようやく振り返る会社設立から今日まで
この記事を書き出したのは会社を設立した2020年12月から半年が過ぎ、気づいたら8ヶ月。それからずっと下書きのまま約1年間眠っていました。
ーーそんなことを言ってるうちに2期目も終わり、現在、3期目の第二四半期。だいぶ寝かしていました。
「起業して3年で約半分の企業が倒産する」とよく言われますが、多くの方に支えられて今日も存続できています。
起業(創業)して11年目ですが、法人成りして3期目なので今期が分け目の年といえるでしょう。
以前、「成功した人の成功談や失敗談ではなく、起業したばかりで奮闘している人のリアルな情報が欲しいのに情報が少ない」と思っていましたが身に沁みて余裕の無さを実感しました。
「余裕を持とう!」という意識よりも無意識のうちに「アウトプットする暇があるなら売上を上げなきゃ」と必死で働いている姿を嘘でも取り繕っていました。
現在も余裕があるわけではありませんが、1期目、2期目、そして現在の3期目では事業内容は変わらずともやってきたことが全く異なり、当時見ていた景色とはだいぶ違うのでGWの時間を活かして一気に振り返ってみます。(3期分の損益レポートを眺めながら)
1期目の良かった点と反省点
【良かった点】 MVVの確立
2020年の12月2日に約8年続けた個人事業主から法人成りしました。
儲かってたわけではありません、「信用」です。コロナの年に法人設立とは改めて自分らしいなと思います。
何事も勉強だと会社設立に関する手続きを全て一人で行い、無事会社を設立しました。手間と時間はかかりましたが世の中の仕組みが少し分かりました。
事業計画書を作ってミッション、ビジョン、バリューを言語化したことで今日も軸が振れずに事業を行うことができています。
意外にも経営理念などを掲げていない会社も多いです。
「経営理念が無いからダメ」「うちも経営理念を作ろう」ではなく、同業社がごまんとある中で自分たちは他とどう違って何ができるのか?世の中に何を提供していくのか?を悩んで考えていった結果がMVVとなっています。
※MVVについてはWebサイトを御覧ください。
【反省点】 数字に甘かった
事業計画で想いや今後の構想はもちろん、個人事業主の売上や顧客を元にして月々の売上予想や資金繰りを立てていましたが、根拠のない数字の羅列でした。「先のことなんてどうなるか分からない」と言いたいくらいMVVやコンセプトばかりを重視し、きちんと数字と向き合わなかった、いや、向き合うことできなかったことが大きな反省点です。
「先のことは分からない」という不確定要素をできる限り確定要素に近づける営業努力が必要でした。
【反省点】 雇用と教育環境
会社設立と同時に正社員を1名雇用しました。
退職した社員には今でも申し訳ないと思っているのですが、会社設立時から正社員として雇用するのは失敗でした。
「自分も社長一年生だから創業メンバーとして会社と一緒に成長していければ」と思っていましたが単なる見栄で甘い考えでした。
即戦力で売上(利益)に貢献できない場合、雇用は控えるべきです。事務員として雇うケースも多いと思いますが、経営者本人が自分でやるべきだと思います。日頃の財務管理はもちろん、決算書等が分からないと金融機関との付き合いなどにも支障が出ます。
起業したばかりで教育体制は整っておらず、自分はこれまで以上に仕事をしなければいけない、でも社員の教育もしなければいけないといった板挟み状態でした。さらにインターン生もいて精神的にもかなりのダメージを負っていました。
周りから心配されていましたが、自分の仕事だからこそダメージに気づかず没頭してやり続けることができました。
【反省点】 資本金の活用
創立費や開業費は繰越資産として経費に計上できるため、「今のうちに」という気持ちで導入してしまった物が多かったです。まるで一人暮らしを始める時のような感覚で、最初の月は仕事してない時間の方が多かったのでは?と思います。
【良かった点】 資格取得に目覚める
今までは胡散臭いということもあって「ITコンサルタント」と名乗りませんでしたが本物の「ITコンサルタント」を目指して資格取得に目覚めました。
「会社設立する前に資格取れよ」と自分でも思いましたが、これがリアルなのです。
今までは「資格は勉強したその時だけでそのうち忘れてただのお飾りだから実力こそが全て」と思っていましたが、「勉強することに意味がある」「勉強方法一つ取っても地頭の良さに差が出る」など得られるものはとても大きかったです。取得した資格は以下で紹介。
ウェブ解析士
「ウェブ解析士」というのをTwitterで目にし、気になって勉強開始。成人後初めて資格勉強をして取得したのがウェブ解析士です。
ITパスポート
基本情報技術者試験(FE)くらい持っていないといけないのですが、昔少しだけ勉強したことのあるITパスポートをまず取ってみようと思い、2週間程度で挑んでギリギリ合格。業界を問わず全ての社会人におすすめの資格です。
中小企業診断士
経営コンサルタントに関する唯一の国家資格である「中小企業診断士」。
通常、「コンサル」といえば経営コンサルタントを指しますがITコンサルタントも経営を理解している必要があるとウェブ解析士の勉強で気づき、難関国家資格でもある中小企業診断士の勉強を2021年9月下旬より開始。2022年8月に受験。将来、数年かけて取りたい資格。
1期目総括
地代家賃や役員報酬を含めた給与、社会保険などの固定費が個人事業主の時とは桁違いに増えて大赤字。社員が抜けた下半期は固定費が減ったものの、遅れてコロナの影響が出てきたのか今までの受託案件がストップし、本当に手探り状態。新規受託案件を探してフリーランスとして生きていこうと決めたものの、なかなか契約が決まらず役員借入金や給付金で生き延びていました。
「個人事業主の時は楽だったな」と何度も嘆きましたが、法人の場合、会社と個人のお金が別れているので赤字で本当に大変でしたが堕落して変な方向に行かなかったことは良かったです。(個人事業主だったら変な方向に行ってたと思います)
2期目の良かった点と反省点
資格取得に励んでいても売上は伸びません。仕事もしなければいけないし、何よりも仕事がないのです!!気を紛らわすために勉強してた時もあります。
【良かった点】 人との縁で仕事が増える
1期目は個人事業主時代からの顧客を除くと迷走状態でしたが、2期目では大きく変わったことがあります。
(仕事以外の)ちょっとしたことがきっかけでお客様を紹介していただいた。
以前お世話になった人から定期的に仕事をいただくようになった。
Webから新規受注の問い合わせが入り、中には中規模案件もあった。
地元企業とのつながりが増え、BtoBがメインになった。
新たに組織団体に所属したことで接点が増えて営業しやすくなった。
【良かった点】 売上倍増
1期目があまりにも酷かったのですが、2期目は前期売上高の2倍以上になり、最高売上高となりました。個人事業主時代と比べて固定費も多いのでまだまだ満足できる結果ではありません。
【悪かった点】 貪欲さが足りなかった
仕事が増えた分、仕事の幅も増えて一人でできる限界も見えました。
しかし、従業員を抱えるほどの余裕はないので今まで以上に自分が仕事をしなければいけなかったのですが、経営はもちろん、営業、経理すべて一人で行っていることを理由に「徹夜で仕事」とはならなかった点は反省点です。※徹夜は非効率だから早朝から仕事をすることもなかったです。
常に経営状況をチェックしたり、財務管理をしていないと不安で仕事に集中できなかったという精神状態でもありました。※現在も同様
2期目総括
1期目の後半はフリーランスとして再起を図ろうとしていましたが、やはり自分は職人ではなく経営者としてやっていきたいという想いから再度方向転換しました。
経営者を目指しても売上は自分で作らないといけません。目の前にある仕事をこなして次の仕事を獲得していかなければいけないので経営のことばかりも考えていられません。そんな葛藤があったものの多くの人に支えられて大きく成長できた1年でした。
1期目はほぼ毎月赤字でしたが、2期目は半分以上は黒字となり最終的にも黒字で終わりました。給付金のおかげもあります。
3期目の現在
売上に関しては2期目とさほど変わりませんが、受託案件に頼らずに回せるようになったことや固定収益が安定増加してきたことが2期目とは大きく異なります。
また今期は大きな展開に向けて準備しているところです。
売上は2期目とさほど変わらないと予想。
本来はこの記事を書いている頃には事が済んでいる予定でしたが、目の前の仕事に追われて後回しになってしまっていました。
何かの占いで「2023年は成功、2024年は飛躍の年になる」と書いてあったので本当にそうなれるよう努力していきます。