ダウン症児の心臓疾患を知る
ダウン症に特化した小児リハビリをしている理学療法士の胡崎亮介です。
4児の父親で、次男がダウン症(小学校3年生)理学療法士の仕事をしています。
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を大阪府で運営しています。
ダウン症に特化した支援note
【ダウン症児の心臓疾患を知る】
ダウン症児は産まれてから
様々な療育を受ける機会を得て
運動面・精神面・知的面・コミュニケーションなど様々なことを「ゆっくりだけど成長していく」という考え方をされることが多いです
そんな中でも、注意が必要な「合併症」があり、最も頻度が高く予後を左右するとされていることが「先天性の心疾患」と言われています。
今回はこの先天性心疾患についての
テキストnoteです
前回の投稿の「肺高血圧症とは?」とあわせて読むと、より理解が広がると思います。
【ダウン症児に多い心疾患として】
1,心室中隔欠損症
2,房室中隔欠損症
3,動脈管開存症
4、心房中隔欠損
5,ファロー四徴
というように様々な心疾患があげられ、これらの心疾患はダウン症児の約40%に合併し、複数の心疾患の合併が多いとも言われています
ただ、これらの疾患名を聞いても、あまりピンときにくいこともあると思いますので
今回は少し言葉を崩しながらわかりやすく説明をしたいと思います。
【心臓のことを少し】
心臓の右側に2つと左側に2つ
合計4つの部屋があり、その左右には中隔という名称で部屋を分ける隔たりがあります。
通常この4つの部屋は、この左右の隔たりと、上下を「弁」という門によってでわかれているのです。(少し細かく言うと、産まれて呼吸を始めてから、胎盤の中で使われていた循環のやり方から、自分で呼吸をする循環のやり方に変化していきます)
そして、この左右の部屋には当然ながら
血液が流れてくるのですが
左右の部屋に入ってくる血液は
その成分が異なっています。
一方は、身体を循環した後に帰ってきた
酸素の少ない血液(静脈血)
もう一方は、肺から戻ってきた
酸素の多い血液(動脈血)
というようになっています。
【では、これらの心疾患とは?】
そして、今回あがっている疾患名にある
「中隔欠損症」というのは
この左右の隔たりに空洞ができている状態を指します。
通常左の部屋の圧力が右に比べて高くなっているので、圧力の高い方から低い方へ、血液が流れてしまいます。
つまり、酸素の多い血液と、少ない血液が混在してしまうことになります。
そうなると今度は、その混在した血液を受けた肺や全身に影響を及ぼすことになります。
これが前回の投稿にある肺高血圧症の要因の一つである、血液量が増えるということに繋がります。
また、酸素が欲しい所に分配されにくくなったり、血液の量が増えたりすることによって
チアノーゼ(低酸素状態)ということなどが引き起こされるの事が考えられるのです。
さて、ここまでお話して
これらの事を踏まえての療育について
どんな事に気をつけて
どんなことが大切になるのか。
これらの情報を正確に知ることはとても大切なことに思います。
今回は「ダウン症児に多い先天性心疾患」
のテーマでお話をさせて頂きました。
少しでも日々の療育にお役立て頂ければと思います。
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