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ミックスダウン解体

先日アップしたこの曲をどうミックスしたかを紹介します^ ^

Logicの使い方やミックスダウンの参考になれば幸いです!

有料記事ですが、無料で全て読める投げ銭スタイルです^ ^

安心して(?)最後まで読んでください!

ミックスダウンのお役に立てることもあるかと思います!

0. 準備

マイク : RODE NT-1

マイクプリアンプ : ART Studio V3

アコギ : 友人自作

オーディオインターフェース : MOTU Ultra Lite mk4

DAW : Logic Pro X

音源は「ボーカル(スポークンワード)」「アコギ 」「雨の音」の3つのみで、全てアコースティックです。

電気に頼らない曲です(DAW使いますが)。

1. ボーカル(スポークンワード)録音

ボーカル(この曲は語りなのでスポークンワードと記述します)

96kHz/24bitで録音しました。

44.1kHz/16bitだと音の減衰がざらざらしてデジタルっぽいですが、96kHz/24bitはそのデジタル臭さが消えます。

196kHz/32bitで録音しても良いのですが、コーネリアス(小山田圭吾)が情報が多すぎて困るってサンレコで言っていたので、いうこと聞きます(笑)


2. アコギ 録音

筆者は非常に下手なのでアルペジオをかなり練習しました…

アコギ はライン録りしてます。


3. オーディオトラックの編集

スポークンワードとアコギ の出だしだけ合わせています。

ピッチはあえて合わせていません(多分大丈夫…)。

スクリーンショット 2020-03-30 20.13.09

切り貼りしてスキマがあくと違和感あるので注意します。


4. スポークンワード

4-1. トラック

スポークンワードはコンプだけでなく、ボリュームもオートメーションを書いています。

スクリーンショット 2020-03-30 20.25.06


エフェクターはEQ(イコライザー)→コンプレッサー

スクリーンショット 2020-03-30 20.15.22

ハイカットフィルターでローをばっさり、ハイはシェルビングで少しあげてあげます。

根暗なのでちょっと明るくしてあげます。

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ボーカルやスポークンワードなどの声のコンプはオプティカル系を利用します。

本の受け売りですが、メーターは-10くらい振っていても音質が変わらないらしい。聴覚上本当らしい…この曲では-8くらいまで振れてます。

(実はコンプ自信ありません 笑)


スポークンワードからは、プリフェーダーでバスを3つ送っています。

プリフェーダーはそのトラックにかかっているエフェクト(下図のChan EQとComp)やボリュームは影響を受けません。

ポストフェーダーはトラックにかかっているエフェクトやボリューム込みでバスに送ります。

Bus1  リバーブ

Bus2 情景リバーブ

Bus3 ボーカル用リバーブ

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4-2. 各バス

スポークンワード(ボーカル)のリバーブはサンプリングリバーブでプレートリバーブを選択しています。

ボーカル+リバーブで一つの音として捉えています。

サンプリングリバーブはたくさんありますが、曲調が暗いので暗そうな「Midnight Plate」です。完全に名前で選んでいますが、曲とマッチしています(笑)。

身も蓋もありませんが、名前とかイメージって大切だと思います。

スクリーンショット 2020-03-30 20.30.38


番号は前後しますが、Bus3はスポークンワード用のディレイです。

あえてリバーブとは分けています。

ショートディレイをうすく入れます。OUTPUTのWetの100%にして、ボリュームで原音とのバランスをとります。

ここで原音とのバランスをとってもいいですが、一元管理したいだけです。

スクリーンショット 2020-03-30 20.34.32


Bus2は情景リバーブです。

筆者がよく使うテクニックです。筆者は曲作りをするときに情景を思い浮かべます。この曲は「雨が降る」です。なので「外」です。

この「外」を表現するために、全てのトラックから音作り用のリバーブとは別で、全てこのバスに送ります。

薄く入れることで厚みと統一感が産まれます。

スクリーンショット 2020-03-30 20.40.39

5. アコギ

5-1. トラック

アコギ はライン録りしていて、アンプシミュレータ→EQ→コンプとしています。

左右に音を振り、アウトプットにバスを指定して、1つにまとめてます。

それから、エフェクトをかけたり、別のバスに送ったりしています。

アンプシミュレータはBoutique retro combo(Silvertone Twin Twelveのシミュレート) です。

アンプとサンプリングリバーブはプラクティスがあるというより、完全に好みで選びましょう。好き=個性です^ ^

アンプのイコライザーはプレセンスを含めてフルテン(笑)。これは昔とある人から、アンプの性能を引き出すにはフルテンだ!と言われたからです。

確かにそのアンプの個性が出ている気がする。

EQは後からChan EQで整えます。プレセンスもフルテンなので驚くほど煌びやかなので、しっとりさせるためにハイカットします。

最後に薄めにコンプをかけます。パラメータは参考に

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5-2. バス

情景リバーブとアコギ 用のディレイをバスに送ります。

アコギ 用のディレイの後にスプレッター(音を左右に広げる)とChan EQをかけています。

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6. 雨音

平成31年4月30日に雨の予報だったので、前日にフィールドレコーダーを購入し、江ノ島で録音してきた雨音…

壊したくないので、ジップロック被せたら、ジップロックに当たる雨音の音が破裂音で全くしとしとしていませんでした(笑)

なんとか、1個だけしとしと録音できていました。適当に並べたのに、絶妙なタイミングで鳥の鳴き声したり、曲の終わりにこれも絶妙に雨音の残響が残り、偶然が音楽になりました。

雨音は2トラック使っているので、アウトプットにバスを指定して1つにまとめています。それから情景リバーブに送っています。

スクリーンショット 2020-03-30 21.05.31


7. ミキサーのルーティング

空間系など原音とバランスをとりたいものはプリフェーダーでバスに送り、そのトラックにかけたエフェクトとともにエフェクトをかけたい時はポストフェーダーを使います。

この2つを使い分けすると、空間のコントロールがしやすいです。

原音だけでなく、リバーブやディレイも情景リバーブに送っています。

こうすることで一体感が産まれます。ただ、入れすぎるとリバーブがクドくなるので、薄めにしましょう。

雨が降る ミキサー  (2)


8. 終わりに

こういうの晒すのは恥ずかしいけど、楽しいです。


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