コロナで職を失った。
僕は念願のコピーライター の職を手に入れた。昨年の八月のことだ。それからいろいろと苦労しながらも、忙しく充実した毎日を過ごしていたのだが、あのいまいましい新型コロナウイルスの影響により、会社の業績は悪化し、僕は職を失った。
目の前は真っ黒だ。自分がとても無力な人間になったような気さえした。だからといって、いつまでも落ち込んでいるわけにいかない。さいわいありがたいことに僕は本来ポジティブ思考の人間なので、自分にできることを必死に考えた。その結果、、、僕は専業主夫になった。(考えたこと、切り捨てたことについては長くなりすぎるので省略することにする)
専業主夫としてデビューした僕がまず最初に買ったもの。それはオシャレなエプロンでもなく、料理本でもない。無印のシリコンスプーンだった。これだけは前からどうしても使ってみたかったのだ。
こうしてシリコーンスプーンを手に入れた僕は、これをたよりに妻のために夕食を作っていくわけだが、その話はまたおいおい語っていくことにしよう。 続く。