4 months intensive course Day5
マイズナー4months intensive course 5日目。
今日は今までよりさらに一段高い、濃厚なやりとりを見ることができた。
「失敗」や「間違い」、「批評・批判」といったものから解き放たれると、こんなにも軽やかで力強いやりとりが生まれてくるのだなと身をもって感じることができた日だった。
前回の記事で失敗することや間違うことは誰しも怖いと書いたけれど、失敗するかも間違うかも上手くできないかもと自分を抱きしめてると、体はガチガチになっていくし伸びやかさは無くなっていってしまう、結果、反応の幅もどんどん狭くなってしまうのだと感じた。失敗しても結局はどうにかなるし、間違ってもどうにでもなる。これまでの経験からいっても台詞が飛んでも噛んでもどうにでもなってきた。(もちろん自慢することではない)だから、失敗しないように程々のエネルギーでやるのではなく、間違いが起こってしまうほどのエネルギーで思い切って前のめりで飛び込む。そうすることで自分のキャパの限界値も引き上がっていくように思う。このマインドは自分みたいに石橋を叩いて渡る人間にはとても必要なもので、このコースではそのセーフティネットがしっかりと張られていたからこそ、自分の弱さや失敗を臆すことなく曝け出せたのだと思う。
1. 3 moment no holiday
今日もこのワークから。
まだまだつっかえながら進んでいる感じがしたけど、そんな中でもどうにか相手の一瞬一瞬の事実をキャッチ&ピックアップできるようになってきた。
観察ということをとにかく意識して行ってきたからか、この場に入ったら相手に意識を向ける、そんなスイッチが勝手に出来上がりはじめたのかもしれない。
ただ、相手のその瞬間の事実をピックアップはできてはいるのだけど、どこか観察した事実を挙げているだけのようにも感じた。
上手く出来ている。
確かに上手く出来てはいるのだけど、観察した相手の挙動からさして大きい影響をもらえていない。そんなすっきりしない感覚が残った。
その後も他のペアワークを見ながら、そんなことも考えつつ、午前のワークが終わった。
2. 3 moment no holiday with red nose
午後は少しだけ趣向を変えた新しいワークに取り掛かっていった。
赤い鼻(道化がつける赤い鼻)を付けて3 moment no holidayをやるワーク。
その名も”3 moment no holiday with red nose”
ルールは基本的には変わらず3 moment no holiday で行う。
変更点は、自分もしくは相手が言い間違えや順番のミスなど何か”失敗”をした時に、見ている人たちの方を向いてアイコンタクトを取るということ。(クラウンでは、これをクロッキングと言うらしい)
見ている人たち1人1人としっかりコンタクトを取った後、また通常の3 moment no holiday に戻っていく。
これが中々におもしろく、自分にはものすごく役にたった。
ある意味このワークは失敗ありき間違いありきのワークだ。
失敗せず間違わないであんぱいに進んでも特に得られるものがない。
失敗した時に、見ている人とその失敗を共有することで人が敵ではないんだということを身を持って知ることができる。だからどんどん失敗していいけるし、どんどん自分の弱い部分を曝け出していける。そして見ている人たちは、その完璧ではない脆くてオープンな俳優を見たいのだと思った。
どんどん失敗できるルール・セーフティネットがあることで、そのワークの場に限界ギリギリの全力で飛び込める。コミットできる。そうするとワークをする時の姿勢が自然と変わり、前のめりになる。失敗を恐れず、エネルギーを落とさずに全力で始められる。
このワークを経て午前のワークを考えた時、「もしかしたらクールにこなしてしまっていたのかもしれない」そう振り返った。自分ではそんなつもりがなくても、どこかで澄まして平静さを保ちながら自分の全力のラインを低くしてやっていたように思う。上手くやれるように。間違わないように。
8月にスコットの特別WSで「内なる批評家」の話題になった時、「完璧だけど正しい事ばかり言う人と友達になりたいと思う?僕はなりたいと思わないね。だから無視していいんだよ」って言っていたのを思い出した。
まだまだ完璧で在ろうとするところが抜けず、それが足枷になってしまっているような気がする。今はもっとLivelyな状態で前のめりに飛び込むことをしていきたい。
3. 3 moment no holiday switch
つぎは、3 moment no holidayと通常のリピティションを交互にスイッチして行うワークへ進んだ。3 momentで瞬間への解像度を高めた状態で、通常のリピティションへと移行していく。
瞬間を切り取るだけのところから、それを流れの中で言葉を変えずとも行なっていく。
その前にやった"with red nose"の影響もあって、全員がトップスピードでスタートを切り、とても力強く、前のめりに3 momentからリピティションへと入っていった。
皆んなの今まで見られなかった面をたくさん見ることが出来たし、自分自身もこんなにパワフルにエネルギッシュに存在できるんだと改めて発見することが出来た。たぶんこれが俳優の"Ready"であり、毎回この状態からやり取りをしていくことで、どの程度なら観察ができて、どの程度から観察が粗くなってしまうのか、自分のバランスを知ることが出来ていくのだと思う。
自分の天井をまだまだ簡単に決めることなく、衝動的でありながら深く観察できる、そんな俳優で在りたい。
4. おわりに
このnoteは全文無料で読めるようになっていますが、100円で購入できるようにもなっています。
演劇の話や趣味のランニングの話、読書の話や私自身の日々の体験を気の赴くまま細々と書いていこうかなと思っています。
頂いた100円は全額パレスチナ支援の寄付に繋げたいと思っています。
自分で書いておきながら自分の文章に100円は高すぎると思っています。なので、全文無料、100円は本当に心が動いたり、すごく良いものを読んだなとか、学びや気づきに繋がったと思って頂けた時だけで大丈夫です。
読んでもらえるだけで心はホクホクするので、気が向いた時に気兼ねなく読んでくださると、とっても嬉しいです。
前回の記事をご購入頂いた方、ありがとうございます。寄付に関しても、別途で記事を書いていけたらなと思っています。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
小比類巻諒介
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