4 months intensive course Day2 Day3
マイズナー4 months intensive course 2日目3日目。と書きながら、ほぼ3日目の内容です。
今日は10時〜16時までの2コマの日。
あっという間に6時間が過ぎていった。
朝出かける前は「今日はたくさんやるぞ」と心の中では思いつつも、終わる頃には集中力も底をついて、帰りは放心状態になってる。
理由はとてもシンプル。
たくさん相手に影響を受けて、たくさん動かされてるからだとおもう。
自分のすることを自分で決めてやるだけなら、いかようにも調整をして楽をすることもできるかもしれない。でもそうではなく、相手の反応の在り方次第で自分のその瞬間その瞬間の在り方が決められ続けていく、だから余計に疲れるのだとおもう。
自分のことなのに自分自身に決定権がない、そんな感覚が近いかもしれない。
もしくは、がっちり握っている自分自身の手綱を手放して、野に放ち、体力のある限り自由に遊び回らせる、そんなものも近いかもしれない。
いずれにせよ、そんな中では自分や相手の属性・社会的なラベルは消えてなくなっていき、とてもシンプルな、動物的な反応のやりとりになっていくように感じる。だからなのか、終わった後は疲れつつもなんだか生き切った心地があって、清々しさがある。自分の中の通りがよくなる、そんなふうに表現してもいいかもしれない。
兎にも角にも、ここではそういったものの訓練をしているのだ思った。
1.You&Youリピティションワーク
今日もこのワークから。
前回、前々回おやすみしていた方も合流したので、2日目までの内容を復習しながら行った。
初めましての方も含め、今日も濃密で興味深いやりとりをたくさん見ることが出来た。
『テンション』
ワーク中色んな言葉が出たが、この言葉が印象に残ってる。
とてもおもしろい言葉。
受け取る人によってこの言葉の捉え方はたぶん異なるし、言われた側も曖昧で捉え所がないものだから、扱いがとても難しいものかなとおもう。
私も過去に「もっとテンション高く」みたいなことを言われたことがある。単に元気さ・エネルギッシュさみたいなものに上げるために使うこともあったりなかったり。もちろんそれは悪いことではなく、そうしたベースのエネルギー値みたいなものを上げてみることで、新しいやりとりを発見することも往々にしてあると思う。それは自分自身の経験を振り返ってみてもそう思う。
ただ、このワーク中に挙げられた「テンション」は少し別の感覚になる。
楽器の弦の張り。
このイメージがぴったりくる。
2人の間に弦が張ってあり、弛んでもいないし、切れたりもしていない。ピンと張られた弦。
この弦のテンションが強ければ強いほど、見ている側は目が離せなくなる。ギターの弦と同じようにテンションのかかった状態で弦がしっかりと張られているのであれば、ワーク者同士は自ずと響きあうようになる。
じゃあ、このワーク/演技体における弦のテンションはいったい何にあたるのか。
たぶん、相手への集中レベルではないかと思う。
どれだけその瞬間の相手に起こる全てのことに集中できるか。拾おうとする意識を持てるのか。その集中度合いによって2人の間のテンションの高さも決まっていくように思う。
つまるところ、どれだけ自分に意識を向けず、相手に意識を持ち続けられるか、そして相手をつぶさに観察できるかが、とても大切になってくる。
このYou&Youリピティションは言葉の意味が浮きやすい。というのも、私「あなた〜」相手「あなた〜」とやり取りがあった時、2つ目で既に論理が破綻して意味が消失する。そして、もうそこからは言葉に頼ることができなくなる。
じゃあ、そんな時に頼れるものはなにか。
目の前の相手
きっとこれしかないのだと思う。
だから、このワークを私たちは1番初めの段階でやっているのだと思う。
言葉の意味が浮いて、消失していく。
言葉に囚われないで、その瞬間その瞬間の相手の状態を観察して、反応し続けていく。
意味を考えようとしなくても無意識に言葉の意味は考えてしまうし、少なからず影響を受けてしまう。だから、そこではないところにまずは意識を向けていく。
そんなことを今日はみんなやってたように思う。
2.You&Iリピティションワーク
次はいよいよYou&Iリピティションワークへ。
これまで
私「あなた〜」相手「あなた〜」
というやりとりだったものから、今度は
私「あなた〜」相手「わたし〜」
というやりとりになった。
前のワークと変わった部分は2番目に話す人が
「わたし〜」から始めるところ。
主語を変える、と言っていいかもしれないし
視点を変える、とも言えるかもしれない。
「(あなたではなく)わたし〜」
些細なことかもしれないけど、とても大きな変化のようにおもう。
あなたではなく、わたし。
明確な区別、違いが生まれる。
なにより「あなた〜」と言うより「わたし〜」と発する方が、より自分に意識が向きやすいように思う。あなたのことを述べるのでなく、自分のことを述べるからだろうか。
自意識に囚われだすと、たちまちいろんな事がぎこちなくなっていく。自分の声の出し方、動き方、表情を自分でチェックし始めて、「いいねその調子!」とか「もっと盛り上げないと!」とか内なる批評家が顔を出す。
そんな時こそ意識は、相手、相手、相手。
自分のことを考えないようにするのではなく、意識を違うものに移し、そこに集中する。
このワークで言えば、相手のことを細かく見る、聴くこと。そうすることで、自分への意識は外れていくように思う。
こんなこと書きながらも、またまだ自分も意識が自分自身に向かう瞬間がたくさんある。
でも、そもそも自意識が全く働かないことってあるの、とか思いながら、次のワークに進んだ。
3.3 momentエクササイズ
今度は3momentエクササイズというワークに取り掛かっていった。
"3 moment"
言葉通り、3つの瞬間を指す。
①私「あなた時計つけてる」
②相手「私時計つけてる」
③私「あなた〜」
ここで終わり。
これより先には進まない。
え、なにこのワーク…みじか…
初めてやった時、正直そう思った。
これは「瞬間を切り取る」ワークだという。
リピティションワークを始めたばかりの頃は、瞬間瞬間の変化が分からない事が多々あった。
また、今でこそ慣れてきたものの、それでも5分10分リピティションを続けていると、どうしても今この瞬間に起こったことやわずかな変化を捉え損ない、なあなあに進んでしまうことがよくある。
このワークではその5分10分続くリピティションの最小単位、3ターンだけを繰り返し行う。
5分10分、もしくはそれ以上続くやりとりは、その3つのmomentの連なりでしかないのだと考える。
言葉で言うのは簡単だけど、これがまた難しい。
③「あなた〜」の「〜」には①の後に起こった相手の変化が入る。笑ったとか、動いたとか、そういったもの。同じことを繰り返しても、もちろん大丈夫。大切なのは、この短い瞬間に集中すること、相手に意識をもっていくことだと思う。
日常、人は言葉を投げっぱなしにすることはないように思う。話しながらも、相手が相槌を打ったり、目線を外したり、髪を触ったり、そんな色んな振る舞いに絶えず影響を受けながらやりとりをしているのだと思う。
この3 momentエクササイズはそこに焦点を絞って、繰り返ししつこくしつこく相手の反応・挙動を拾っていくもの。
またまだ始まったばかりなので、また追って書いていこうと思う。
4.おわりに
このnoteは全文無料で読めるようになっていますが、100円で購入できるようにもなっています。
演劇の話や趣味のランニングの話、読書の話や私自身の日々の体験を気の赴くまま細々と書いていこうかなと思っています。
頂いた100円は全額パレスチナ支援の寄付に繋げたいと思っています。
自分で書いておきながら自分の文章に100円は高すぎると思っています。なので、全文無料、100円は本当に心が動いたり、すごく良いものを読んだなとか、学びや気づきに繋がったと思って頂けた時だけで大丈夫です。
読んでもらえるだけで心はホクホクするので、気が向いた時に気兼ねなく読んでくださると、とっても嬉しいです。
前回の記事をご購入頂いた方、ありがとうございます。寄付に関しても、別途で記事を書いていけたらなと思っています。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
小比類巻諒介
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