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和歌山・南紀地方で「旅」をしよう。

「旅行と旅は意味が違う。」
旅好き界隈での常套句です。

旅行という言葉には、いわゆる昭和が生んだ「消費型」の空間的移動の意を持っています。何ヶ月も前に準備を始めて、せっかく旅に行くのだから、と一分一秒無駄なく工程を組むべく観光ガイドを読みあさり、インターネットを調べ尽くす。タビマエにこれほどかと時間を費やし、タビアトにはかえって疲労感の残る週末となってしまう。「しばらく旅はいいね...」となってしまうことも。

これを面倒に感じるようになった人々は「パックツアー」を選ぶようになり、団体旅行が盛んになる。お金で"金太郎飴型のおもてなし"を買う時代。大量消費時代の価値観の中で、大型バスが駐車できるスペースを持った観光センターに人がたむろしたのです。

利便性とお得さを消費によって担保したのが、旅行。旅人界隈で語られる上で、旅行という言葉には現代への皮肉が大いに含まれるのが、興味深いところです。コロナは、この「消費型」空間的移動を無慈悲にも一刀両断した形になりました。

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(和歌山県・白浜町のHafH拠点 SEAMORE KEY TERRACE

一方「旅」は「生産型」の空間移動の意を大いに持っています。行った先で、生み出すために移動します。人とのご縁とそこから生まれる新しい可能性。自然や歴史への理解と、次世代への学びを得ます。本来の旅の魅力は消費ではなく生産。これを、現代では、どうにかお金で買えないかと思ってしまっている。でも実は、これって買えないんですよね。

HafHは「旅行」のサブスクではなく「旅」のサブスク。
サブスクだから財布を気にせずフラッと旅がしやすくなる。あまり決め込まず、余白を楽しむ旅になる。サブスクだから「お金を払えばいいんでしょ」の感覚が取り払われる。サブスクを通じて旅が日常になれば、今回の旅で何かを逃しても「また来よう」と心に余裕ができる。買えないはずの付加価値に手が届きやすくなるんです。

#つながる余白をつくる旅  第1弾は和歌山・南紀エリア

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撮影場所:SUSAMI LIFE HAUS(撮影時のみマスクを外しています)

HafHがこの秋提供している「#つながる余白をつくる旅」は、地域の方に企画を用意いただいてはいるものの、現地集合・現地解散。隙間だらけの日程で、移動手段も各自手配となります。移動が必要になれば「一緒に行く人」を募ってレンタカーを各自で借りたり、隙間があるからこそ工程にないお店に立ち寄る余白が生まれます。

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予定がない日は、HafHのオーナーさんとたまたま一緒にコワーキング。「一緒にご飯行きません?」と声をかけたら地元の”山伏”移住をした方のおそばやさんへ連れて行ってくださいました。地元のこだわり蕎麦を食べた後は山伏の法螺貝笛を演奏いただいたりして。

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さらに地域に移住した方々に会うべく街を巡ると、クーパーを改造したバーを自宅に作っちゃった方に出会う。なんじゃこりゃ。やばいかっこいい。こんなバーに行こうと思っても行けない。事前に決め込まないからこそ、出会える驚きのローカルライフ。

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今回は「エクストリームワーケーション」な写真を撮ろう!という裏テーマを設定したのですが、南紀白浜エアポートの皆さんには、無理をお願いして駐機場ワーケーション?!な写真も。こんな飛行機の近くでパソコンを開いて仕事ができるわけないんだけど、いいんです。面白い写真が撮れたら、それでいい。

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なぜならちょっとふざけた写真を撮ることで、笑いが生まれる。心に緩みが生じる。緩んだ空港とのコミュニケーションを通じて、地域の取り組みに理解がグーンと近くなる。これが旅の目的。面白がって企画した結果、笑顔とともに期待の何倍もの学びを持って帰ってもらう。これが、HafHが企画する「#つながる余白をつくる旅」です。

南紀の居心地の良さ。そのワケを熊野古道から考える

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(熊野古道のガイド・山田さんとはガイド以外でも3日間ご一緒しました)

HafHを立ち上げて以来、南紀エリアには毎年数度足を運んでいるのですが、本当に居心地が良いエリアです。海も、山も、動物園も、なんでもある。空港まで車で10分で着くアクセスの良さは福岡をも凌駕します。ワーケーションへの街の理解も深く、インフラ面も整いまくっている。wi-fi環境も良好で県のフリーワイファイも全国トップクラスの整備ぶり。人も暖かくて優しい。気さくに話しかけてくれて、裏表もない。

自然も、人も、食事も、最高ってなわけです。でもなんだか一言で言語化できない。このエリアの良さを、一言で表したかった。今回ようやく歩けた熊野古道で、この言語化を達成したような気になりました。

「信不信を選ばず、浄不浄を嫌わず」

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2004年に世界遺産となった熊野古道は、古来より自然崇拝の地として知られ、日本を初めて統一した神武天皇を、サッカー日本代表の胸にもあしらわれている八咫烏(やたがらす:足が三本のカラス)が誘ったとされ、熊野のシンボルです。女人禁制の聖地も多い中で、熊野古道は、貴族だけでなく一般人も受け入れることで有名で「蟻が列をなして続く熊野参り」と言われるほど、昔から多くの方の心の拠り所になっています。

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(熊野古道でもエクストリームワーケーション!?)

そんな熊野の神:熊野権現は、過去色んな逸話を残しています。時宗を開祖した一遍上人は山伏の姿をした熊野権現と、こんな逸話を残しています。

僧侶として学び、修行を深めた智真(後の一遍上人)は、念仏札を配る布教活動をしていました。そして文永十一年(1274)の夏、高野山から熊野本宮大社へ向かう途中で、一人の僧と出会います。智真はいつものように「信心を起こして南無阿弥陀仏と唱え、この札をお受けなさい。」と札を渡しましたが、その僧は、「いま一念の信心が起こりません。受ければ、嘘になってしまいます。」と言って受け取りません。「仏の教えを信じる心がないのですか。なぜお受けにならないのですか。」と尋ねると「経典の教えを疑ってはいませんが、信心がどうにも起こらないのです。」と答えました。 念仏札を拒否されたことに一遍はショックを受けますが、僧の言葉は理にかなっています。この出来事から、智真は布教のあり方について苦悩します。そこで熊野本宮大社に着いた時、答えを求め、証誠殿の御前で祈り続けました。すると夢の中に、白髪の山伏の姿をした熊野権現(阿弥陀如来)が現れました。そして「一切衆生の往生は、阿弥陀仏によってすでに決定されていることなのです。あなたは信不信を選ばず、浄不浄を嫌わず、その札を配らなければなりません。」と、お告げになりました。このお告げを受けた智真は「我生きながら成仏せり」と歓喜しました。一遍上人が誕生した瞬間でした。(出典:熊野本宮大社ホームページ

さらに、熊野古道を参拝した歌人・和泉式部も、参拝中に月の障り(生理)になり、参拝を途中諦め掛けていたようなのですが(血は穢れとされているため)ここにも熊野権現が現れて問題ないよ!と夢でお告げを届けているのです。

和泉式部が熊野詣をして、伏拝の付近まで来たとき、にわかに月の障りとなった。これでは本宮参拝もできないと諦め、彼方に見える熊野本宮の森を伏し拝んで、歌を1首、詠んだ。[晴れやらぬ身のうき雲のたなびきて月のさわりとなるぞかなしき]すると、その夜、和泉式部の夢に熊野権現が現われて歌を返した。[もろともに塵にまじはる神なれば月のさわりもなにかくるしき]そこで和泉式部はそのまま参詣することができたという。(出典:み熊野ネット

一遍上人は信仰を問われず、和泉式部は穢れを問われず、熊野の神様は、誰しもを受け入れる。この言葉に、まさに南紀の皆さんに通じる心の広さを今にも受け継がれているような気がして、ピンと来たのでした。

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(勝浦を訪れたみなさんをいつも笑顔で迎えてくれるHafH拠点・why kumano 代表のゴロちゃん)

振り返れば、地域を同じくして高野山で信仰を広めた弘法大師空海も、曼荼羅をもってして、世界の多様性を受け入れる教えを広めていました。この地には自然(神)の元には皆それぞれ違いは認めど皆平等である精神が根付いているのです。

この国には、外国人一人いるだけで白い目で見たり、結婚しているのに子供がいないだけで白い目で見たりする閉鎖的な街がいまだにたくさんあります。多様性が叫ばれる時代に、数千年も前から適合していたのが、この南紀エリアなのです。

(勉強不足で、解釈に間違いがあればぜひご指摘ください🙇‍♂️)

寛容性という新しい指標

つい先日、LIFULL総研から「地方創生のファクターX-寛容と幸福の地方論-」というレポートが発表されました。これからの地域に必要な指標は「寛容度」であるとし、全国47都道府県の寛容度を調査したものです。無料で公開されていますが、何よりデータだけでなく読み物としてもとても意味のあるものなので、ダウンロードしてみてご自身の地域についてもご覧になってみてください。この調査で和歌山県を調べてみると、寛容性は30位。

あれ、決して高くないな....。むしろ平均以下じゃないか。笑 データはデータということで参考にしつつ。あくまでこのnoteは僕の個人的な経験をもとに語っております。笑 県全体の方向と、南紀のワーケーションに関わる人たちの思考は違うのか、も?

何が言いたいかというと、寛容性がこれからの地域の幸福度を上げる上で非常に重要なファクターになるという論は、大いに同意するということです。これからの地域に必要なものは「稼ぐこと」「笑顔を増やすこと」「自然を守ること」この3つにつきます。笑顔を増やすためには、多様性を寛容していくことが必要。南紀の寛容性は歴史的にも由来があるのではないかと感じています。

HafH的南紀エリアの楽しみ方

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南紀エリア、オススメ滞在日数は1週間以上。ぜひ住むような感覚で滞在して欲しいです。東京からなら南紀白浜空港にJAL便で。関西からならJR西日本特急「くろしお」で白浜駅に到着しましょう。もちろんご存知、HafHなら #HafH得ワーケーションで「くろしお」自由席が40%オフ!

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HafHであれば、白浜エリアには現在3つのHafH拠点が利用できます。出会いがあるのはゲストリビングMu南紀白浜がおすすめです。温泉入り放題で仕事環境も整っています。

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アドベンチャーワールドではパンダやペンギン、イルカなどの観察を存分に楽しむことができます。最近、ワーケーションスポットもオープンし、象を見ながらワーケーションをすることも可能に。パンダが食べた竹の葉(笹)の残りを使った、SDGsにも配慮した環境型建築としても注目です。

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熊野古道に行かれる際は、やっぱりガイドがいた方がいい!今回の僕の学びは、ガイドさんがいらっしゃったからこそ。HafH拠点《ゲストハウスはてなし》のオーナー・森岡さんにご紹介いただいた山田さんは熊野古道のガイドだけでなく、移住者として権現堂という地域コミュニティスペースも運営されています。

本宮エリアにはぜひ数日滞在を。湯峯温泉に入れるHafH拠点《ジェイホッパーズ熊野湯峰温泉ゲストハウス》は本宮エリアから車で10分ほどでかなりの山あいに来たような奥深い景色が広がっています。温泉通にも評価の高い日等はお見逃しなく。

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さらに東へ、東へ進むと、那智勝浦のエリアの拠点には《why kumano》があります。最近一棟がしの部屋《unwined kumano》もオープンしたほか《wine kumano》というレストラン・バーもオープン。名前がわかりにくくて困ったもんですが、オーナーのごろちゃんが、きっと色んな勝浦のディープスポットに案内してくれると思います。

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(マグロの競りは必見ですね)

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(日本一の落差を持つ「那智の滝」も)

白浜から那智勝浦まで、約80キロメートルの移動を済ませて、さてどうやって帰るか。山を通ってきたので、帰りはぜひ海沿いを。すさみには移住を検討したくなるほどのHafH拠点《SUSAMI LIFE HAUS》があります。近くには、できたばかりの日帰り温泉「望海のゆ」もあるので、旅の最後にゆっくりお過ごしください。

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(SUSAMI HAUSは全4部屋個室)

白浜・本宮・勝浦・すさみ。今回の旅では回れませんでしたが、白浜の北・田辺も含めて、それぞれの宿のオーナー同士が繋がっているのも安心です。エリアで盛り上げようと、よこが繋がっているから、次の宿で、前の宿の話ができる。宿側も「そこから来たなら」と安心して接してくれます。ぐるっと回って楽しい紀伊半島は、きっと1週間でも足りない旅がそこに待っています。

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(地図にするとざっくりこんな感じの1周150キロの旅)

人とつながり、
地域とつながり、
自然とつながり、
未来につながる。

これが、旅。これからも、僕がビビッと感じた"旅"スポットで、HafHツアーを企画していきたいと思っています。石川(小松)、北海道(釧路)、高知(嶺北)、長崎でこの秋「#つながる余白をつくる旅」を企画中。ぜひ詳細をご覧いただき、つながる余白を感じてもらえれば幸いです。

和歌山のワーケーションスポット拠点の特集もご参照ください!

最後に、今回の「エクストリームワーケーション」フォトツアーで一番エクストリームだったのは....ここですかね笑

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(南紀白浜空港のでっかい消防車でタイヤーケーション?)

Enjoy your life journey!

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Ryo Osera | yugyo inc.
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