【WSJ動画】ブロックチェーン搭載のアルファロメオ?
This Car Comes With an NFT (and No, It’s Not a Bored Ape Picture)
(私の中で)おなじみWSJがまた面白い動画を出していたので紹介します。今回はNFT✕クルマです。以下、動画内容の紹介です。
デジタルアートで話題のNFT(non-fungible tokens)ですが、アルファロメオの新型SUV「Tonale」には、独自のNFTが搭載されます。
しかし、車をデジタルアートのように売り買いするわけではありません。
自動車業界はどのようにNFTを利用するのでしょうか。そしてそれは一過性のものなのか、それとも続いてくものなのでしょうか。
NFTとは何か?
まず、NFTとは何か?超簡単に説明すると、Non-fungible tokenとは、基本的には情報を保存できるユニークな唯一の証明書です。
重要なのは、トークンがブロックチェーンを使って認証されることです。
デジタルアートの売買に利用されているNFT
ボードエイプの画像を実際に数十万ドルで販売しているボードエイプクラブのサイトを見てみましょう。
※ボードエイプクラブのウェブサイトでは全てのアートが完売しているため、以下の画像はOpenSeaで売られているアートになります。
NFTは、芸術作品に付属する証明書のように、誰がオリジナルを持っているかを示すために使用されます。
※以下の画像はWSJの動画ではなく、THE VERGEのNFTに関する記事を読んでた時に出会ったMad Dog Jones氏のNFTアートです。"148 Editions"とあるので、かなりの数が流通してることになります。そのうち一つ、#53について売買履歴を見たところ、$699で買われたアートが、いきなり$69,000で売りに出されています(笑) 結局、最後は値を下げますが、それでも掲載から1ヶ月後に$26,000で他の人に売れます。1ヶ月で約291万円($25,301)の利益が出たことになります。
アルファロメオはNFTを何に利用するのか?
ドライバーが選択した場合、サービス履歴や走行距離などのデータをNFTにアップロードし、それを購入希望者に見せることができます。
ディーラーなどが触れることができない場所で、改ざんされない状態でデータが保管されており、一定の走行距離があることを証明できます。従って、買い手は安心して中古車を買うことができます。
自動車がより賢くなるにつれ、エアバッグの作動状況や急ブレーキの有無、バッテリーの充電回数など、さまざまなデータを生成・取得できるようになってきています。技術的に、これらのデータは全てNFTに保存することが可能です。
アルファロメオ以外の展開は?そして自動車業界全体への波及
アルファロメオを所有するスタランティス社は、アルファロメオの他の車にもNFTを導入し、スタランティス社傘下の他のブランドも追随する可能性があると話していました。
しかし、NFTが自動車業界全体に普及するためには、ドライバー、メカニック、ディーラー、その他の自動車メーカーが、NFTの読み書き、保存、転送の方法を学び、そのプロセスにお金を払わなければならないでしょう。
さらに、これらのNFTが環境に与える影響については、まだ議論も始まっていません。
【龍成メモ】
フィアット・クライスラーとフランスのPSAの折半出資で成立した多国籍自動車企業ステランティスの傘下にアルファロメオは属しています。
NFT搭載のTonaleは2023年の第1四半期に発売される予定ですが、価格はまだ発表していないようです。
アルファロメオがライバル視しているBMWが、2021年北米で前年比20.8%増となる336,644台を売ってる一方で、アルファロメオは18,252台しか米国で売れていません。
アルファロメオが2014年に米国市場に戻って来た際には、BMWや他の高級車と競合するという壮大な野望を抱いてましたが、幹部の退職・新製品不足・投資不足などが相まって、その計画は頓挫してしまいました。
NFT搭載のTonaleは、そんな悪い流れを変える一手として期待されているのかもしれません。
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表紙はrolfvandewalさんの写真です。ハンバーグ・スキー・クルマが好きな方みたいです。