サンフランシスコの驚愕のオフィス空室率
日経の世界のオフィス空室率特集
日経に「世界のオフィス空室率 米都市、「在宅」広がり悪化」という記事がありました。
サンフランシスコのオフィス空室率は24.1%
日経のオフィス空室率ランキング1位は、タイトルにある通りサンフランシスコで、その数字は驚愕の24.1%です。
様々な理由があると思いますが、少なくとも以下のような要因があります。
サンフランシスコは、そもそも家賃・生活費が圧倒的に高い(ので、常に移住圧がある)
カリフォルニア州は税金も高い(なので、移住圧がある)
リモートワークが進み家賃の高いサンフランシスコに住む意味が薄れている(現在は揺り戻しがあるような気がしますが…)
(サンフランシスコは分かりませんが)企業がカリフォルニア州を去り、テキサスなどに移転する流れがある
カリフォルニア全体の話については、note(カリフォルニアはここ20年、人が減り続けている)にまとめてあります。
驚異的なリモートワーク率のサンフランシスコ
サンフランシスコで働く人のリモートワーク率は2019年の7%から2021年には46%に跳ね上がっています。CNBCの記事では、オフィスの空室率はパンデミック前は約4%だったのが、26%以上になってるようです(日経の数字とは少し異なる)。
住宅を作ろうにも規制が多いサンフランシスコ
同じくCNBCの記事における指摘ですが、住宅を増やそうにも規制が多いためすぐにスピーディーに住宅建設を行うことが難しいようです。この「規制が多い問題」は、カリフォルニア州をトヨタやテスラなどが去っていた理由の一つです。
サンフランシスコのオフィス問題に関してはCNBCの動画もあるので、よかったらどうぞ。
とは言え、全米の他の都市も20%を超える空室率
日経の記事によると、シカゴ、ワシントンDC、ダラスなどの都市も軒並み空室率が20%を超えています。
衰退に向かう?全米のダウンタウン(=中心街)
オフィスの高い空室率もさることながら、未だに会社が入っているオフィスにおいても「社員が毎日出社するわけではない」という問題があります。
つまり、週に何日かはオフィスに来ても他の日は自宅からリモートのため、中心部であるダウンタウンがゴースト化しているということです。
この問題に関してはInsiderに "The 'office apocalypse' is upon us" という特集記事がありますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。
【龍成メモ】
CNBCにもINSIDERの記事にもありますが、「オフィスが引き続き埋まらないのであれば住宅にしてしまえ」という発想もあるようです。
現在は規制の壁があるので難しいようですが、必要性から規制が変化することで、新しいタイプの都市が生まれるのかもしれません。