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湖中にて酒に対する作 & Over the Rainbow(唐詩選)

唐詩選の七言古詩、張謂の「湖中対酒作」をご紹介。詩から想起される情景がとても美しく、最後の「風光此の如くして人酔わずんば」の話も素敵です。

心中の万事、等閑(とうかん)の如し

夜坐(やざ)厭(いと)わず  湖上(こじょう)の月
昼行(ちゅうこう)厭(いと)わず  湖上(こじょう)の山
眼前(がんぜん)の一樽(いっそん) 又(また)長(とこし)えに満(み)ち
心中(しんちゅう)の万事(ばんじ) 等閑(とうかん)の如(ごと)し

湖中対酒作 | 唐詩選

「夜は座ったまま湖上の月を眺めていても、いつまでも飽きない。昼は湖のほとりの山を歩き回っても、いつまでも飽きない。目の前にある一つの酒つぼはまた、いつもいっぱいに酒を満たしている。こうして心の中には何もかも、一つも気にかかるものがなくなってしまったようだ

※訳は岩波文庫より

別後(べつご)相思(あいおも)うも復(ま)た何の益かあらん

主人(しゅじん)黍(きび)有(あ)り 万余石(ばんよこく)
濁醪(だくろう)数斗(すうと) 応(まさ)に惜(お)しまざるべし
即今(そくこん)相対(あいたい)して歓(かん)を尽(つく)さずんば
別後(べつご)相思(あいおも)うも復(ま)た何(なん)の益(えき)かあらん

湖中対酒作 | 唐詩選

「この家のあるじ、この私は、一万石あまりの黍(きび)を持っている。濁り酒の二斗や三斗、けちけちするはずはない。それよりも、こうして向かいあいながら存分に楽しまなかったら、別れたあとから懐かしがってみたところで、何の役に立つものか

※訳は岩波文庫より

風光此(かく)の如くして人酔わずんば

茱萸(しゅわ)湾頭(わんとう)帰路(きろ)賖(はる)かなり
願わくは君且(しば)らく宿(しゅく)せよ黄公(こうこう)の家(いえ)
風光(ふうこう)此(かく)の如(ごと)くして人酔(よ)わずんば
参差(しんし)として東園(とうえん)の花に辜負(こふ)せん

湖中対酒作 | 唐詩選

「この茱萸湾頭(しゅわわんとう)あたりからは、君の帰り道は遠い。まあひと晩、この居酒屋に止まっていってくれたまえな。こんな良い景色を前にして人が酔わなかったら、東の庭に咲き誇っている桃や李(すもも)の花の心意気と食い違って、花たちに申し訳のない次第になってしまうではないか」

※訳は岩波文庫より

【龍成メモ】

唐詩選を読んでいると、ぼんやりとですが頭に情景が浮かんできて、とてもよい気持ちになります。

そして歌詞としては全然異なりますが、ふと、この曲が頭に浮かびました。

#唐詩選 #OverTheRainbow #湖中対酒作 #風光此の如くして人酔わずんば

写真はWikipediaより

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龍成(りょうせい)
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