新時代のハイテク戦争で分かった「現代戦のカタチ」 by The Economist
A new era of high-tech war has begun というThe Economistから。
記事内容を自分の言葉でまとめ直しただけみたいになっていて恐縮ですが、非常に参考になる、そして将来が恐ろしくなる記事でした。
ウクライナ・ロシア戦争によってあらわになった現代戦の特徴
戦場の透明化
人工衛星・ドローン・携帯電話の信号…など、あらゆる情報から敵や味方の状況が明らかになってしまい、その情報をもとに前線兵士が動いたり、高精度かつ長射程の大砲やロケットが飛び交っています。
人とモノからなる「巨大な物理的集団」がぶつかりあう
AIやロボット技術の発達にも関わらず、数十万人の人間と数百万台の機械や軍需品からなる巨大な物理的集団がぶつかりあう可能性があることが今回の戦争で分かりました。
ロシアは1年間で1,000万発の砲弾を撃ち込み、ウクライナは毎月1万機の無人機を失っています。また「戦場の透明化」によって、標的に正確に命中させる能力が向上したため、死者数が急増しています。
10〜15年後の先進国の軍隊の1/3はロボット化するという米軍の予測もあります。そうなると、これらを製造・維持・発展させるために、大規模なハードウェア製造産業が必要になります。
大規模な戦争の境界線は広く曖昧
隣接する国との自国を巻き込んだ戦争のため民間人の死者が多くなり、ウクライナでは既に9,000人以上の一般人が死亡しています。これに加えて、多くの一般人が戦争そのものに参加しています。
旧来の軍産複合体の枠を越えて、標的データ(フィンランド)や通信衛星(アメリカ)の民間企業が軍事作戦に関わっています。また、同盟国を通じた制裁や禁輸も行われています。
つまり、戦争の「フロントライン」が以前よりも拡大しています。
再び起こる可能性のある経済大国間の紛争
独裁的で不安定なロシア、中国の軍事力の台頭によるアジアの不安定化など、今後も高いリスクが存在します。また、独裁国家や新興国の軍事力強化も将来の紛争リスクを高める要素です。
従って、今回のような紛争が再び起こる確率があります。そして、その紛争は今回とはまた違う形態を取ることになります。
ウクライナで起こっている「新しいタイプの戦争」から得られた教訓を学ばない軍隊は、それを学んだ軍隊に負けることになります。