地球上で最も危険な場所 “The Most Dangerous Place on Earth” 台湾
How to deter China from attacking Taiwan というThe Economistの記事より。
“The Most Dangerous Place on Earth” という表現は、この記事から拝借。
中国が台湾を攻めづらい理由
幅150kmある(狭いところでは130km)台湾海峡とアメリカの軍事力があるため容易には攻めづらい。
しかし、近年中国も軍事力を増強しているので、10年以内に攻めてくると見ているアメリカの指揮官もいる。
台湾への侵攻は(直接的な被害以外にも)大惨事
アジアで最も称賛されるべき民主主義国家の消滅。世界最先端のコンピューターチップの生産拠点である台湾への攻撃がもたらす、世界経済への大打撃。
第一列島線が破壊されることになれば、中国の軍隊が外洋に自由に出れるようになり、日本を危険にさらし、アメリカが作ったインド太平洋の秩序が崩れることになる。
台湾は今よりも備えを強固にすべき
徴兵制への依存を減らし、専門の軍隊を編成する台湾の決断は良いものだが一方で、全ての男性(女性にも?)に対する軍事訓練は継続すべき。
軍事予算は現状ではGDP比で2%程度だが、危機に直面している国としては低い(イスラエルは5.6%)。ドイツがウクライナ危機を受けて軍事予算の増強を発表したように、台湾も軍事費を大幅に増やすべき。
幸いなことに、台湾は2017年に発表した軍事上基盤となる「統合的な防衛構想」が存在するが、上層部が完全に受け入れているわけではない。これは “porcupine(ヤマアラシ)” 作戦であり、ユビキタスで移動可能な防衛兵器、特に船舶や飛行機に対してミサイルで対処するというものである。
台湾は島国なので侵攻がしづらい分、逆に補給も難しい。数週間から数ヶ月は単独で戦わなければいけないかもしれない。
台湾は今まで友好的な軍隊と行動をともにした経験がほとんどない。アメリカは、日本や他の同盟国とともに、台湾の海上封鎖や侵攻に至るまで、様々な危機に対して詳細な計画を立て、リハーサルをする必要がある。
【龍成メモ】
バイデンはウクライナでの戦争が始まる前、緊張が高まってるまさにその最中に「米軍はウクライナでの紛争に関与しない。ウクライナでは戦わない」と明言しました。
本来であれば "Strategic Ambiguity(戦略的曖昧さ)”を保った方が、ロシアとしては攻めづらかったはずです。
バイデンの思慮が足りずに「明言」してしまったのか、逆に非常に狡猾なのでロシアに攻め込ませるためにあえて明言したのかは謎です。