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脳は「異音」にどのように反応するのか?

“That Just Sounds Wrong”: How Our Brains Tell Us When a Sound Is Off という論文記事から。元論文はCurrent Biologyに掲載されています

人間は音に対する違和感を感じることができる

クルマから降りてドアを閉めた時に「いつもと違う音」がすることで、ドアをちゃんと閉めてないことに気づいたり、自転車やバイクに乗ってる時の音がいつもと違うことから故障に気がつくことがあるかもしれません。

同じようなことがマウスでもあるのか、そしてその場合に脳がどのように反応しているのかを観察した実験です。

ある動作に対して音のフィードバックがあるということをマウスで訓練する

マウスを使って、前脚でレバーを押して「ある特定の位置まで来たら、ある音が鳴る」ということを訓練して覚えさせます。

訓練を受けたマウスに対して、正しい音が鳴る時もあれば、音が鳴るはずのタイミングで鳴らなかったり、違う音がなったりする状況を作り、その際の脳活動を計測しました。

予想どおりの音、そして予想とは異なる音に脳はどのように反応するのか

人間やマウスが音を処理する際、大脳において中心的な役割を担うのが聴覚皮質です。この聴覚皮質の反応を記録し、比較しています。

予想通りの音を聞いた時には?

予想通りの音が聞こえた時には、マウスの聴覚皮質の神経細胞は、あまり反応しませんでした。

違う音やタイミングがずれた音に対しては

訓練した音とは異なる周波数の音や、タイミングが少しずれた音を出すと、聴覚皮質の神経細胞は激しく反応しました。

マウスの予想に反して音が全くならなかった時は

レバーを押した際に、音が鳴るはずのタイミングで全く音がならない場合にも、一部の神経細胞が活性化することが分かりました。

予測との誤差で聴覚の神経は反応する

訓練と異なる音やタイミングがずれた音だけでなく、音がならなかった時も聴覚皮質が反応したことから、「何が聞こえたかではなく、聞こえた音が自分の期待と合致しているか否か」に対してマウスの聴覚皮質の神経が反応した、と研究者は推測しています。

#聴覚 #予測誤差 #異音

(Joenomias) Menno de JongによるPixabayからの画像

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龍成(りょうせい)
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