(メモ)突発性難聴とは?
突発性難聴について、米NIHのSudden Deafnessを中心に関連論文の内容も含めてまとめたいと思います。
あくまでもメモですので、気になる症状がある方は速やかに医療機関を受診し医師のアドバイスに従ってください。
突発性難聴とは
突発性感音難聴(Sudden sensorineural hearing loss=SSNHL)、一般的には突発性難聴として知られており、原因不明の急激な聴力低下が一時に起こる、もしくは数日間かけて起こることを言います。
具体的には72時間以内に、3つの連続した周波数で少なくとも30dB以上の難聴(=30dB以上大きくないと聞こえない)を突発性難聴と見なすことが多いようです。
※「連続した」とは、純音聴力検査で用いられる周波数において連続しているという意味
どのくらいの割合で突発性難聴になり得るのか?
突発性感音難聴(Sudden sensorineural hearing loss=SSNHL)の発症率について、著名な論文で引用されることの多い2003年のデータでは、年間10万人あたり5~20例と報告されています。
米国の2006年から2007年にかけてのより詳しい統計では、SSNHLの年間発生率は10万人あたり27人です。18歳未満に限れば10万人あたり11人。逆に65歳以上では10万人あたり77人にも上ります。
2009年に発表されたドイツの論文では、年間10万人あたり160例のSSNHLの発症があるとされています。
突発性難聴の原因
突発性難聴と診断された人のうち、原因が特定できるのは約10%とも言われています。少なくとも以下のような原因が考えられます。
頭部外傷
自己免疫疾患
重篤な感染症や癌を治療するために用いられた特定の薬剤への暴露(ゲンタマイシン、エリスロマイシン、チロキシン、シスプラチン、インフルエンザワクチン)
血管循環の問題
多発性硬化症などの神経系疾患
メニエール病など内耳の障害
聴神経腫瘍
知られている治療法
突発性難聴において(特に原因が分からない場合)最も一般的な治療法は、副腎皮質ステロイドとされています。
中耳にステロイドを注入する「ステロイド鼓室内注入療法」方法(中耳を通じて内耳に作用させる)もあり、全身性ステロイドが効かない、もしくは行えない場合に有効です。※厚労省のサイトでは「その効果に対する評価は定まっていません」という指摘も
治療が2週間から4週間以上遅れると、永久的な難聴になってしまうリスクを回避もしくは軽減することが難しくなるため、すべての検査結果が出る前に治療を勧められることもあるようです。
【龍成メモ(突発性難聴に苦しむ著名人)】
新年早々、ニュースで堂本剛さんが突発性難聴に苦しんでいることを知り、調べた内容をまとめました。
上記のように原因が多岐に渡り、かつ解明されていない点も多い病気です。そして早期に回復しなかった場合には、完全に治癒することが難しいケースが多いようです。