6/22 気になったScience記事
声の高さに影響を与える遺伝子
Sequence variants affecting voice pitch in humans という論文から。
声の高さに影響を与える遺伝子ABCC9が存在し、これが心血管疾患リスクを増加させる可能性もあることが分かりました。
この遺伝子ABCC9が母音、すなわち言語の形成にも影響を及ぼしている可能性もあります。
死を目の当たりにしたハエは老化が進む?
These Flies Age Faster After Witnessing Death というNew York Timesの記事から。元論文はPLOS Biologyに掲載されています。
生きたハエが死んだハエに暴露され続けると、ショウジョウバエの楕円体にあるR2/R4ニューロンの活性化が反応し、結果として寿命が短くなることが分かりました。
このR2/R4ニューロンの活性化にはセロトニン受容体5-HT2Aが関与していること、寿命の調節にはインスリン応答性の転写因子foxoとインスリン様ペプチドdilp3とdilp5が必要であることも明らかにされています。
つまり『(生きてる)ハエが死んだハエを見る ⇒ 脳の楕円体の5-HT2A受容体の神経細胞が活性化 ⇒ R2/R4ニューロンが活性化 ⇒ 転写因子foxoが活性化 ⇒ インスリン様ペプチドDilp3とDilp5の生産または放出 ⇒ これらのペプチドの作用によってハエの寿命が短くなる』といったプロセスが存在することになります。
娯楽用大麻の合法化で「大人」の過度な飲酒が増加
Legal recreational cannabis use and binge drinking is on the rise for older adults, research shows という論文ニュースから。
2008年から2019年にかけての調査の結果、31歳以上の人々の間で過度の飲酒が全体的に増加したことが分かりました。逆に、12歳〜30歳の人々においては、過度の飲酒は全体的に減少しました。
娯楽用大麻がどのような影響を与えたのかは、さらに研究が必要であるとしています。
【龍成メモ】
生きてるハエが死んだハエを見続けることによって寿命が短くなるという研究は驚きました。
なぜそのようなことが起こるのか、メカニズムが存在する理由については、まだはっきりと分かっていないようです。