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老化時計を逆転させることに成功か?

Two research teams reverse signs of aging in mice というSciense誌の論文ニュースから。

高齢マウスの余命が2倍に延びた

1つ目はRejuvenate Bio社によるbioRxivに掲載された研究。

OSKと称される3つの強力な再プログラミング遺伝子が追加されたマウスは、対照群と比較して残りの寿命が2倍(9週間を18週間に)長くなりました。

遺伝子治療されたマウスは124週齢で、人間で言うところの77歳と同等であると、Rejuvenate社の最高科学責任者であるNoah Davidsohn氏は述べています。従って、全寿命では約7%延びたことになります。

また、老化の状態を示すと考えられているエピジェネティック時計(=老化に関連したDNAのメチル化パターン)についても、改善の傾向が見られました

老化時計を逆転させることに成功したハーバードの研究

2つ目は老化研究で有名なハーバード大学メディカルスクールのデイヴィッド・シンクレアの研究。

ゲノム上の20箇所でDNAを切断する酵素を作る薬、これをマウスに投与します。このマウスは高齢な状態に近いエピジェネティックな特徴を持つようになり、健康状態も悪くなりました。

このエピジェネティックな劣化(=シンクレアが定義するところの老化時計が進んだ状態)を可逆的に変化させる(=時計の針を戻す)ことができるのか、OSK遺伝子を持つベクターウイルス(AAV)を注射します。その結果、DNA切断によって引き起こされたエピジェネティックな変化のいくつかを逆転させたと想定できる結果が得られました。

【龍成メモ】

老化という複雑なプロセスをDNAのメチル化だけに帰して、「DNAのメチル化パターンを変化させたことをもって老化を逆行させることができた」とするのは乱暴であると考える研究者もいるようです。

anncaによるPixabayからの画像

#老化時計 #不老不死 #シンクレア

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龍成(りょうせい)
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