老化を計測する「老化時計」の精度を大幅に改善する新たな研究(nature aging)
New epigenetic clocks reinvent how we measure age という論文ニュースから。論文そのものはnature agingに掲載されています。
これまでの老化時計はざっくり時計
これまで老化を示す「老化時計」はDNAのメチル化によって測定されています。
DNAは我々のカラダを作る設計図そのものですが、設計図があるからと言ってそのとおりにカラダが作られるわけではなく、DNAのメチル化(及びアセチル化)によって制御されているという面があります。
悪いメチル化と良いメチル化を区別することに成功
今回の研究では18歳〜93歳までの7,036人の血液サンプルを対象とし、最終的には2,664人のデータで、DNA因子に基づいて生物学的な年齢を予測する「CausAge」と呼ばれるモデルを訓練しました。
その結果、「老化を推し進める」原因となる悪いメチル化と、「老化に対抗する」良いメチル化を区別ができるモデルが出来上がりました。
フラミンガム研究(Framingham Heart Study)と標準的加齢研究(Normative Aging Study : NAS)の4,651人から収集したデータを用いて、このモデルによる老化時計の妥当性も検証しました。
その結果、悪いメチル化を表すDamAge指標は死亡率を含む病気などの悪い結果と相関し、良いメチル化(=保護的な変化)を表すAdaptAge指標は長寿と正の相関を持つことが分かりました。
DNAのメチル化の保護的な変化が長寿に寄与する可能性がある
今回の研究で「DNAの保護的な変化」は長寿と相関することが分かりました。
従って、この研究をさらに深く進めることで、長寿につながる鍵となるプロセスを解明し実用化できる可能性があります。
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