米国の粉ミルク不足を解消するには(Wired)
How to Fix the US Baby Formula ShortageというWiredの記事から。
アボットの粉ミルク汚染をきっかけにした空前の粉ミルク不足
米国アボット社の粉ミルクがクロノバクター属菌に汚染されているリスクがあり(従業員が手袋を交換せずに表面に触れたことで汚染された可能性)、今年2月にアボット社が主力製品を回収したことで、アメリカは粉ミルク不足に陥ってます。
アメリカで極端に進んでしまった寡占の弊害
エミンチャンネルでエミンさんがおっしゃってましたが、アメリカはこれまでに企業買収が進みすぎたせいで、様々な製品が寡占状態にあります。競争相手が少ないため値上げがしやすく、(それだけが原因ではないですが)インフレになりやすい状態にあります。
粉ミルクもアボット、ミード・ジョンソン、ネスレの3社で米国市場のシェアが90%以上あるため、アボット1社が倒れるだけで突然供給不足になります。日本の場合は6社体制のため、同様の事態が起きた際にアメリカよりリスクが低いと考えられます。
期待される新興企業や海外勢。しかし、そこには大きな壁が…
米国内のバイハートやボビーと言った新興企業ががんばっていたり、海外企業、特にオーガニックな粉ミルクを製造する欧州ブランドも期待されているようです。
しかし、一つ大きな壁があります。低所得家庭に粉ミルクを無料で提供するWIC(Women, Infants, and Children)という福祉制度がありますが、アボット、ミード・ジョンソン、ネスレ(ガーバーのブランドで販売)のビック3が独占しています。
ビック3はWICの契約を持っていることで棚割りで有利なため、各州で実質的な独占状態にあります。
「ボビーのような新興ブランドがWICに参加できるようになるだけではなく、構造全体を変える必要がある」と、記事中に登場する3児の母モディさんは語っています。
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