合肥モデルの成功(The Economist)
An unlikely tech cluster exemplifies China’s economic vision というThe Economistの記事から。
上海から5時間、かつて三国志で曹操と孫権が戦った場所
中国に合肥(がっぴ Héféi)という市があります。上海から西にクルマで5時間ほど行ったところにあります。南京よりもさらに西です。三国志で曹操(魏)と孫権(呉)が戦った場所としても有名です(合肥の戦い)。
かつては遅れてた貧しい地域と考えられていた合肥市は、2012年から2022年にかけてGDPが年平均8%以上で成長、可処分所得も近年は中国の都市部の平均を上回っています。
上海に出遅れた合肥も、今や先端テクノロジーの集積地帯
中国共産党による国家資本主義のもと、最先端の製造業、電気自動車(EV)、バイオテクノロジー、半導体に力を入れてきました。
量子コンピュータの設計、核融合炉の実験、そして最先端遺伝子編集技術であるCrisprの人体実験も行われています。
多国籍企業にとって合肥の効率性は魅力的で、フォルクスワーゲン社は既に進出しており、10億ユーロ(約1,600億円)をかけてイノベーションセンターを建設する計画も発表しました。
元々は上海などの揚子江デルタ地帯に出遅れ、置いていかれた地域です。それが逆に、合肥の(劣勢を挽回するという意味での)反骨精神に繋がっているようです。
習氏のインダストリー4.0戦略に合致
安価な製造業から脱却し、高付加価値な産業をサプライチェーンを獲得するという習氏が描く「インダストリー4.0」のモデルに、合肥はまさに当てはまります。
地理的に内陸に位置するところは、国土の均衡ある発展も通した「共同富裕」にも合致します。
上海など沿岸部の発展した都市から近いという地理的な優位性も活かし、周辺地域から優秀な人材を集めることにも成功しています。
一方記事では、習氏が求める忠誠や緊縮的な傾向と合肥のようなイノベイティブな都市に必要な「気概や大胆さ」が相容れないため、合肥モデルを他の都市に簡単には移植できないと指摘しています。
【龍成メモ】
コロナ禍時代には4K動画で世界を旅するということにハマってました。合肥の4K動画も旅行しているみたいで楽しいです。
子供が公園で遊んでいるシーンが出てきますが、かなり広い公園で子供がのびのびと遊んでいて、子育てがしやすいインフラ整備にも気を使ってるのかな?と思いました。